弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人原山恵子の上告理由第一について
 民法五五〇条が書面によらない贈与を取り消しうるものとした趣旨は、贈与者が
軽率に贈与することを予防し、かつ、贈与の意思を明確にすることを期するためで
あるから、贈与が書面によつてされたといえるためには、贈与の意思表示自体が書
面によつていることを必要としないことはもちろん、書面が贈与の当事者間で作成
されたこと、又は書面に無償の趣旨の文言が記載されていることも必要とせず、書
面に贈与がされたことを確実に看取しうる程度の記載があれば足りるものと解すべ
きである。これを本件についてみるに、原審の適法に確定した事実によれば、上告
人らの被相続人である亡Dは、昭和四二年四月三日被上告人に岡崎市a町字bc番
d宅地一六五・六〇平方メートルを贈与したが、前主であるEからまだ所有権移転
登記を経由していなかつたことから、被上告人に対し贈与に基づく所有権移転登記
をすることができなかつたため、同日のうちに、司法書士Fに依頼して、右土地を
被上告人に譲渡したからEから被上告人に対し直接所有権移転登記をするよう求め
たE宛ての内容証明郵便による書面を作成し、これを差し出した、というのであり、
右の書面は、単なる第三者に宛てた書面ではなく、贈与の履行を目的として、亡D
に所有権移転登記義務を負うEに対し、中間者である亡Dを省略して直接被上告人
に所有権移転登記をすることについて、同意し、かつ、指図した書面であつて、そ
の作成の動機・経緯、方式及び記載文言に照らして考えるならば、贈与者である亡
Dの慎重な意思決定に基づいて作成され、かつ、贈与の意思を確実に看取しうる書
面というのに欠けるところはなく、民法五五〇条にいう書面に当たるものと解する
のが相当である。論旨は、右と異なる見解に基づき原判決の違法をいうか、又は原
審の認定にそわない事実を前提として原判決を非難するものにすぎず、採用するこ
とができない。
 その余の上告理由について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係及び記録に照らし、
正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよ
う、独自の見解に基づき原判決を論難するか、又は原判決を正解しないでその違法
をいうものにすぎず、採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意
見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    牧       圭   次
            裁判官    木   下   忠   良
            裁判官    大   橋       進
            裁判官    島   谷   六   郎
            裁判官    藤   島       昭

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛