弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士中村喜一、同逸見惣作の上告理由第一点、同海野普吉、同柳沼
八郎の上告理由、同小野清一郎、同竹内誠の上告理由第三点について。原判決理由
の請求原因(2)の(ホ)についての判示は、簡単であつて明瞭を欠く点がないで
もないが、その判示は結局、同判示のごとく投票立会人が代理投票の補助者を兼ね
ることは許されないことろであり、したがつて投票立会人が代理投票の補助者とし
てした代理投票は、違法であると解すべきであるとした上、しかしながら成立に争
のない甲第一二号証の一ないし一〇、証人D、Eの各証言を総合すれば、本件代理
投票の行われた投票所は十箇所であり、その行われた代理投票の数は同号証記載の
ごとく投票所一箇所につき三票ないし四二票であつてその投票は概して閑散であつ
たばかりでなく、その代理投票の行われたときには一般投票は殆んどなされなかつ
たことを窺知することができるのであるから、本件代理投票の補助は、一般の投票
立会人としての監視には差支えを生じなかつたものであつて、前示の違法は選挙の
無効原因とならない旨を判示した趣旨と解することができる。そして、かような場
合は、立会人が法定数を欠いても、それがために選挙の結果に異動を及ぼす虞がな
いのであるから、選挙の効力に影響しないものと解するを相当とする。それ故、原
判決は、結局正当であつて、論旨は採るを得ない。(なお、判例違反をいう点は、
引用の判例は事案を異にし本件に適切でないから、採ることができない。)
 同小野清一郎、同竹内誠の上告理由第一点について。
 しかし、請求原原因(2)の(イ)についての原判決の判断は、挙示の証拠に照
しこれを肯認することができ、所論の経験則違背は認められない。また、所論投票
無効の主張は、本件選挙無効訴訟の原審で主張されなかつたところであるから、所
論の判断遺脱の違法も認められない。
 上告代理人弁護士中村喜一、同逸見惣作の上告理由第二点、同小野清一郎、同竹
内誠の上告理由第二点について。
 原判決は、請求原因(2)の(ニ)について、挙示の証拠を総合すると、甲第九
号証の一ないし二六に選挙人として記載されてある二六名の者はいずれもa町職員
であるが、F選挙管理委員会委員長は、昭和三〇年八月一九日町長職務執行者代理
者に対し右二六名を本件選挙の事務従事者として依頼したいから許可されたい旨を
申請し、右代理者は同月二四日これを承認したので、委員長は右二六名に選挙事務
に従事すべきことを依頼したこと、右二六名は選挙に関係のある職務に従事するも
のであるから、不在者投票の事由に該当する旨の証明書は、公職選挙法第四九条第
一号、同法施行令第五二条第一項第一号によって町選挙管理委員会委員長の証明で
なければならないのに、町長職務執行者代理者名義の証明書であるから、右証明書
は違式のものであること、右二六名の一人であるGは、選挙当日午後八時三〇分ご
ろから開始さるべき開票の際の有効投票判定係であるから、不在者投票の事由がな
いものであること、甲第一〇号証の一、二記載の選挙人二名は、不在者投票の事由
に該当する旨の証明書を提出しないのに公職選挙法施行令第五二条第三項の疏明を
したと認められないこと、右二八名は不在者投票をしたことを認めることができる
旨認定したこと、竝びに、本件では、証明書を徴せず、かつその事由を疏明させな
いで不在者投票をさせた者は、わずかに二名であり、不在者投票の事由があると認
められないのに、証明書を交付したものは一名であり、また、選挙事務に従事する
二六名(上記一名をふくむ。)は、いずれもa町職員であって、かつその不在者投
票事由が町長職務執行者代理者に明らかであったので、右代理者が証明書を交付し
たのであるから、その証明者を誤つたとはいえ、その違法の程度は軽微であつて、
全然証明書を徴しなかつた場合と同一に論ずることができないのであるから、右の
違法は本件選挙の執行を無効としなければならないほど重大なものと認めることは
できない旨判示したことは、所論のとおりである。そして、公職選挙法施行令五二
条一項一号は、「……選挙人が従事している職務若しくは業務に係る官公署の……
長又はその代理人」と規定しているから、原判決の確定したようにF選挙管理委員
会委員長が町長職務執行者代理者に判示のごとき許可を申請しこれが承認を得て判
示二六名に選挙事務に従事すべきことを依頼したような場合には、不在者投票の事
由に該当する旨の証明書は、町長職務執行者代理者においても作成し得るものと解
するを相当とする。また、原判示Gは、原判示のごとく他の二五名の者と同じく適
法に選挙に関係のある職務に従事するものであるから、たまたま選挙当日午後八時
三〇分ごろから開始さるべき開票の際の有効投票判定係に従事したからといつて不
在者投票の事由がないものと速断することはでぎない。しかのみならず、かりに選
挙管理委員会委員長が作成すべき不在者投票事由に該当する旨の証明書を誤つて町
長職務執行者代理者が作成し又は開票事務のみに従事すべき者が不在者投票をした
ことが違法であるとしても、その違法は、証明者側若しくは投票者側の違法であつ
て、かかる証明書を提出したために投票をなさしめた選挙の管理執行に関する規定
違反ということはできない。さすれば、本件選挙における違法な不在者投票で選挙
の効力に関係あるものは二名に過ぎないから、本件不在者投票は選挙無効原因にな
らないとした原判決は結局正当であつて、論旨は採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

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