弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件申立を棄却する。
         理    由
 申立人は、広島地方裁判所に対し被疑者A外六名に対する各職権乱用被疑事件に
つき刑訴法二六二条に基く付審判請求をしたが、昭和三二年九月六日付で同裁判所
の請求棄却決定を受け、これに対して抗告申立をしたが同三三年五月一日付で広島
高等裁判所の抗告棄却決定を受け同決定は同年同月一五日申立人に送達されたとこ
ろ、更に異議申立をなし、同年六月一二日付で同裁判所の異議申立棄却決定を受け
た結果これに対して本件特別抗告の申立に及んだものであること記録上明らかであ
る。然るに、高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては刑訴法四二七条によつ
て再抗告ができないのであるから、同四二八条二項三項は適用の余地がなく、右異
議申立は不適法であつたのであり、抗告審のした抗告棄却の決定は当時特別抗告申
立期間の経過によつて既に確定したものといわなければならない。然らば本件申立
は全く不適法なものであつて、棄却するの外はない。なお申立人の異議申立自体を
以つて特別抗告の申立と解したところで右申立の趣旨は同法四〇五条所定の事由に
当るものとは認められないからこの点からいつても、不適法である。
 よつて本件特別抗告の申立を不適法とし、同法四三四条、四二六条一項前段に従
い主文のとおり決定する。
  昭和三三年八月二八日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七

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