弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人の弁護人榎本九上告趣意について。
 臨時物資需給調整法に基いて発せられた、昭和二二年一月二四日閣令商工、農林、
大蔵、内務、文部、厚生、運輸、逓信、司法省令第一号指定生産資材割当規則第一
一条は、その第一項において「指定生産資材の取引については物価の統制に関する
他の法令の規定を適用する」と規定し、その第二項において「前項の法令に違反し
てなされた行為に対しては臨時物資需給調整法の罰則は、これを適用しない」と規
定していることは所論のとおりである。
 しかし右規則第一一条は、指定生産資材の取引で物価に関連あるものはその物価
に関連ある部面については、物価統制に関する他の法令(例えば物価統制令等)の
規定を、適用し、その規定に違反した場合には物価統制に関する法令の罰則を適用
し、その限度においては臨時物資需給調整法の罰則は、無関係であるとの趣旨を規
定したもので、右取引が他面指定生産資材割当規則の規定に違反しても、之を不問
に付し、臨時物資需給調整法の罰則の適用を全然排除する趣旨ではないと解すべき
である。何となれば、指定生産資材の取引については、臨時物資需給調整法に基い
て産業の回復及び振興に関し経済安定本部総裁が定める基本的政策及び計画の実施
を確保するため、指定生産資材の生産、割当、配給、使用等を統制するため制定さ
れた、前記指定生産資材割当規則の規定が適用され、もしその取引が同規則に違反
した場合には、臨時物資需給調整法の罰則が適用されることは事理の当然であつて、
右取引が一面物価の統制に関する他の法令の規定に違反するからといつて、右規則
の規定並に臨時物資需給調整法の罰則の適用を排除する何等の合理的理由はないか
らである。従つて、指定生産資材の取引が、一面右規則の割当、配給に関する規定
に違反すると同時に、他面物価の統制に関する法令の規定に違反するときは、物価
統制に関する法令の罰則が適用されるばかりでなく之と共に右規則の規定並に臨時
物資需給調整法の罰則の適用されることは論をまたないところである。しかして原
判決の確定した事実は被告人は洋家具等木工品の製造を目的とするA木工有限会社
の常務取締役で同会社の業務を執行している者であるが、昭和二三年三月二〇日頃
右工場において、自己の会社の業務上使用する目的を以つてBを介しCから指定生
産資材である合板二七〇枚を需要者割当証明書と引換えずに一枚の代金四五円の割
合で買受けたものであるというのであるから、右の所為は正に前記指定生産材割当
規則第七条に違反し、臨時物資需給調整法第一条第四条に該当するものである。そ
して原審が審判の請求を受けた事実は、原判決が確定した前記事実即ち右規則第七
条違反の事実であつて物価統制に関する法令違反の事実ではないから、原審は、そ
の請求を受けた限度において犯罪の有無を確定処断すれば足り、右取引が他面物価
の統制に関する法令に違反するかどうかまで審理する必要はないのである。故に原
判決には何等法令の解釈を誤り之を不当に適用した違法もなく又、審理不尽の違法
もないので論旨は理由がない。
 仍つて刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に則り主文のとおり判決する。
 右は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 小幡勇三郎関与
  昭和二五年四月一四日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎

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