弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 弁護人芝権四郎の上告趣意第一点について。
 原審は被告人等が判示の如き賭博罪の前科があるに拘らず累ねて本件賭博行為に
及んだ事跡に徴して被告人等の常習性を認定したもので被告人等の賭博をした場所
が山間の僻地で他に娯楽がないとか、本件賭博をした時期が節旬に接近していた日
であるとか、賭博をした場所が人家稠密の場所で附近には巡査駐在所もあるとかま
た賭博の種類が馬鹿花であるとかということは被告人等の常習性を認定する妨げと
なるものではない。また被告人Aは全く酩酊の上賭博をする態度(真似)をしただ
けで賭博をやつたとは云えないという所論の主張は原判決の事実認定を非難するに
帰するのである。それ故論旨は採用することはできない。
 同第二点について。
 原判決の確定した事実によると被告人Aは被害者Bの左眼の部分を右足で蹴付け
たのである。そして原審が証拠として採用した鑑定人Cの鑑定書中亡Bの屍体の外
傷として左側上下眼瞼は直径約五糎の部分が腫脹し暗紫色を呈し左眼の瞳孔の左方
角膜に直径〇、五糎の鮮紅色の溢血があると記載されているからその左眼の傷が被
告人Aの足蹴によつたものであることは明かである。ところで被告人の暴行もその
与えた傷創もそのものだけでは致命的なものではないが(D医師は傷は一〇日位で
癒るものだと述べている)被害者Bは予ねて脳梅毒にかかつて居り脳に高度の病的
変化があつたので顔面に激しい外傷を受けたため脳の組織を一定度崩壊せしめその
結果死亡するに至つたものであることは原判決挙示の証拠即ち鑑定人C、Eの各鑑
定書の記載から十分に認められるのである。論旨は右鑑定人の鑑定によつては被告
人Aの行為によつて脳組織の崩壊を来したものであるという因果関係を断定するこ
とが経験則にてらして不可能であり又他の証拠を綜合して考えて見ても被告人の行
為と被害者の死亡との因果関係を認めることはできないと主張する。しかし右鑑定
人の鑑定により被告人の行為によつて脳組織の崩壊を来したものであること従つて
被告人の行為と被害者の死亡との間に因果関係を認めることができるのであつてか
かる判断は毫も経験則に反するものではない。又被告人の行為が被害者の脳梅毒に
よる脳の高度の病的変化という特殊の事情さえなかつたらば致死の結果を生じなか
つたであろうと認められる場合で被告人が行為当時その特殊事情のあることを知ら
ずまた予測もできなかつたとしてもその行為がその特殊事情と相まつて致死の結果
を生ぜしめたときはその行為と結果との間に因果関係を認めることができるのであ
る。されば原判決には所論の如き違法なく論旨は理由がない。なお論旨付記の当裁
判所の判例は本件に適切なものでない。
 よつて刑訴施行法第二条旧刑訴第四四六条により主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 小幡勇三郎関与
  昭和二五年三月三一日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛