弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 本件申立の趣意は、別紙「異議申立書」及び「異議申立理由書」とそれぞれ題す
る書面記載のとおりである。
 しかし、記録によれば、本件再審請求については、昭和三三年六月二六日佐賀地
方裁判所伊万里支部が本件再審請求はその法令上の方式に違反するという理由で刑
訴四四六条により再審請求を棄却する旨の決定をしたこと、これに対し申立人から
即時抗告の申立があつたが同年九月一日原審である福岡高等裁判所は右即時抗告を
理由なしとしてこれを棄却する旨の決定をしたこと明らかである。従つて原決定は
刑訴四二七条にいう抗告裁判所の決定であつて、同四二八条一項の決定ではない。
故にこれに対し同条二項の規定に基き異議の申立をすることができる筋合のもので
はない。されば申立人の本件異議申立が同条項に基くものとすれば不適法であると
いわなければならない。
 次に前記の如く原決定が刑訴四二七条にいう抗告裁判所の決定である以上、これ
に対しては更に抗告をすることは許されないこと同条の明定するところである。か
かる抗告裁判所の決定に対して残された不服甲立は刑訴四三三条の特別抗告のみで
あるから、本件異議申立を特別抗告であるとみても、所論は同条所定の特別抗告事
由に当らない。
 よつて本件特別抗告(異議申立)は不適法として棄却すべきものとし、刑訴四三
四条、四二六条一項により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
  昭和三三年一一月二〇日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七
            裁判官    入   江   俊   郎

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