弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人竹田藤吉の上告趣意について。
 論旨第一点及び第二点の所論はいずれも憲法違反を云々するけれども、その実質
は単なる訴訟法違反の主張を出でないものであり、同第三点の所論は単なる訴訟法
違反を前提として事実誤認を主張するものであり、すべて刑訴四〇五条の上告理由
に当らない。そして、鑑定は裁判所が裁判上必要な実験則等に関する知識経験の不
足を補給する目的でその指示する事項につき第三者をして新たに調査をなさしめて
法則そのもの又はこれを適用して得た具体的事実判断等を報告せしめるものである。
人類の知識経験は人類の共有すべき資産である。他人の発見した自然法則と雖もそ
の人の示教又は著書等によりこれを自己の知識とすることができる。鑑定人がいわ
ゆる鑑定事項の調査をなすに際して特別な知識経験を必要とする場合その知識経験
は必ずしも鑑定人その人が自らその直接経験により体得したもののみに限定すべき
いわれはない。鑑定人は他人の著書等によるとその他如何なる方法によるを問わず、
必要な知識を会得した上、これを利用して鑑定をなすに何等の妨げもない。されば
所論の確率論が本来A教授の調査になるものであつたとしても、本件においてB鑑
定人はその確率論を理解承認し自己の知識としてこれを応用し、所論両個の人血痕
が、その血液型の同一なること、その附着した時期の時間的に間隔を認め得ないこ
と等に徴し、確率上同一人の血液であると考えても差支ない旨鑑定したものである
こと明白であるから、原判決が所論の鑑定を事実認定の資料に供したとてこれを目
して違法ということはできない。されば論旨第一点の所論は単なる訴訟法違反の主
張としても理由はないのである。また、原判決が論旨第二点所論の第一審押収にか
かる海軍用開襟白シヤツ(証第三号)の存在を証拠として引用した趣旨は、必ずし
も論旨にいうが如くその血痕の附着状況、殊に血痕の色調を証拠とした意味ではな
く、論旨にいわゆる血痕をクリ抜いた後のシヤツそのものの存在を、原判決挙示の
他の証拠殊に右の開襟白シヤツが被告人のもので被告人の着用していたものである
ことを自認している被告人の供述、その他被害者の母証人Cの「本件犯行当時被告
人は白い開襟シヤツらしいものを着て居た」旨の証言等と相侯つて本件殺人を認む
べき情況証拠の一つとして引用したものであることは、原判文を通読すれば容易に
了解し得るのである。そしてこの証第三号の白シヤツが前示の意味において情況証
拠たり得るものであることは多言を要しないところであり、しかも第一審第一回公
判において、適法に証拠調がなされていることが認められるのであるから(記録第
一冊一三丁以下参照)原判決が所論の白シヤツの存在を証拠として引用したことに
何等の違法もない。論旨第二点の所論も亦単なる訴法違反の主張としても理由なき
ものである。
 弁護人三上直吉の上告趣意について。
 憲法三七条一項にいわゆる公平な裁判所の裁判とは、その組織構成において偏頗
の虞れのない裁判所による裁判の意と解すべきことは当裁判所大法廷の判例とする
ところである。されば論旨第一点の所論は、右と異なる見地に立つて憲法三七条一
項の違反を主張する部分は明らかにその理由なく、結局その実質は単なる訴訟法違
反の主張に帰着し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。のみならず、所論起訴状
の記載については、原審で控訴趣旨として主張されなかつたところであり、従つて
原審も何等の判断もしていない事項であるから、これを上告理由として新たに主張
することは許されないところである。その他論旨第二点及び第四点の所論は事実誤
認の主張であり、論旨第三点及び第五点の所論は単なる訴訟法違反の主張であり、
いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 なお記録を精査しても、本件では刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな
い。
 よつて、刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和二八年二月一九日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎

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