弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中上告人敗訴の部分を破棄する。
     前項の部分につき、本件を東京高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人牛嶋勉の上告理由について
 一 原審の確定した事実関係は、要するに、(1) D(以下「D」という。)と
被上告人とは、昭和一七年七月に婚姻の届出をした夫婦である、(2) 上告人は、
Dに妻(被上告人)がいることを知りながら、昭和四一年ころからDと同せいを開
始し、昭和六二年一二月まで同せい関係を継続した、(3) Dと被上告人との婚姻
関係は、上告人がDと知り合った当時、破綻状態にはなかった、というのである。
 二 原審は、右事実関係の下において、Dと同せい関係を継続した上告人の行為
の違法性及び上告人の被上告人に対する損害賠償義務を認め、かつ、右のような場
合には、継続した同せい関係が全体として被上告人に対する違法な行為として評価
されるべきで、日々の同せいを逐一個別の違法な行為として把握し、これに応じて
損害賠償義務の発生及び消滅を日毎に定めるものとするのは、行為の実質にそぐわ
ないものであって、相当ではないから、本件損害賠償義務は、全体として、上告人
とDとの同せい関係が終了した昭和六二年一二月から消滅時効が進行するものとい
うべきであると判断して、被上告人が本訴を提起した日から三年前の日より前に生
じた慰謝料請求権は時効により消滅した旨の上告人の抗弁を排斥した上、昭和四一
年から昭和六二年までの間に被上告人が被った精神的苦痛は多大なものであったと
推認されるとし、第一審が右の間の慰謝料として算定した五〇〇万円は相当である
として、右の限度で被上告人の上告人に対する慰謝料請求を認容した第一審判決に
対する被上告人の控訴及び上告人の附帯控訴をいずれも棄却した。
 三 しかしながら、上告人の主張する消滅時効の抗弁を右の理由で排斥した原審
の判断は、是認することができない。その理由は、次のとおりである。
 1 夫婦の一方の配偶者が他方の配偶者と第三者との同せいにより第三者に対し
て取得する慰謝料請求権については、一方の配偶者が右の同せい関係を知った時か
ら、それまでの間の慰謝料請求権の消滅時効が進行すると解するのが相当である。け
だし、右の場合に一方の配偶者が被る精神的苦痛は、同せい関係が解消されるまで
の間、これを不可分一体のものとして把握しなければならないものではなく、一方
の配偶者は、同せい関係を知った時点で、第三者に慰謝料の支払を求めることを妨
げられるものではないからである。
 2 これを本件についてみるのに、被上告人の請求は、上告人がDと同せい関係
を継続した間、被上告人の妻としての権利が侵害されたことを理由に、その間の慰
謝料の支払を求めるものであるが、被上告人が上告人に対して本訴を提起したのは、
記録上、昭和六二年八月三一日であることが明らかであるから、同日から三年前の
昭和五九年八月三一日より前に被上告人が上告人とDとの同せい関係を知っていた
のであれば、本訴請求に係る慰謝料請求権は、その一部が既に時効により消滅して
いたものといわなければならない。
 3 そうすると、上告人の主張する消滅時効の抗弁につき、右の事実を確定する
ことなく、これを排斥した原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があると
いうほかなく、その違法が判決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。論旨は、
この点において理由があり、原判決中上告人敗訴の部分は破棄を免れず、右部分に
つき、更に審理を尽くさせる必要があるから、本件を原審に差し戻すこととする。
 よって、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判
決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    大   白       勝
            裁判官    大   堀   誠   一
            裁判官    味   村       治
            裁判官    小   野   幹   雄
            裁判官    三   好       達

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