弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 大阪高等検察庁検事長松本武裕の上告趣意について。
 所論は、原判決が、「被告人等が労働争議の手段として集金して未だ会社に納入
しない電気料金等を被告人個人名義で原判示のA銀行支店等に預金したのは、その
保管の方法が会社のために安全且つ確実なものであり、毫も被告人等熊野分会員に
おいて自らこれを利用又は処分する意思はなく、争議解決まで専ら会社のため一時
保管の意味で、単に形式上被告人個人名義の預金としたに過ぎないものと認められ
るのであつて、被告人等分会員に不法領得の意思があつたものとは認められないの
である。」と判示した部分が、昭和二六年(あ)第五〇五二号同二八年一二月二五
日第二小法廷判決(刑集七巻一三号二七二一頁)、昭和二九年(あ)第三〇〇五号
同三三年九月一九日第二小法廷判決(刑集一二巻一三号三〇四七頁)、および大正
二年(れ)第二一五二号同年一二月一六日大審院判決(判決録一九輯一四四〇頁)
に違反するというのである。
 ところで記録によると、当裁判所第二小法廷は、本件について、昭和三三年九月
一九日に、大阪高等裁判所がした判決を破棄し同裁判所に差戻した判決の理由にお
いて、「労働争議の手段として集金した電気料金につき一時自己の下に保管し、し
かもその保管の方法が会社のため安全且つ確実なものであり、そして毫も自らこれ
を利用又は処分する意思はなく、争議解決まで、専ら会社のため一時保管の意味で、
単に形式上自己名義の預金としたに過ぎないと認められる場合においては、これを
以て直ちに横領罪の成立を認むべきものでないことは、当小法廷の判例の趣旨に徴
し肯認せられるところである。」と判示したので、差戻を受けた大阪高等裁判所は、
右第二小法廷の見解に従い、前記のとおり判示して、業務上横領罪の点について被
告人を無罪とする旨判決したことが明らかである。
 このように、下級裁判所が最高裁判所の破棄理由とした法律上の判断に従つてし
た判決に対する上告について審判する場合には、最高裁判所もみずからの裁判内容
に拘束されることになり、これを変更することは許されないものといわなければな
らない(昭和二四年(れ)第二〇二九号同二五年一〇月二五日大法廷判決、刑集四
巻一〇号二一三四頁参照)。もしこれを変更することが許されるとすれば、無用の
手続がくり返されることになり、事件はいつまでも終局的な解決をみないことにな
るからである。
 したがつて、本件のように下級裁判所が最高裁判所の破棄理由とした法律上の判
断に従つてした判決に対しては、その法律上の判断を不服として上告することは許
されないものと解するのが相当である。
 なお、所論は、原判決が認定した事実関係のもとで不法領得の意思があつたもの
とは認められないとした原判決の判断が、前記昭和二九年(あ)第三〇〇五号同三
三年九月一九日第二小法廷判決に違反するかのようなこともいつているが、右判決
は、その指摘するような各事実が存在する場合においてのみ始めて不法領得の意思
がないといいうるというのではなく、不法領得の意思の認められない一事例を示し
ているに過ぎないから、本件とは事案を異にする不適切な判例といわなければなら
ない。
 所論は、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り決定する。
  昭和三九年一一月二四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎

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