弁護士法人ITJ法律事務所

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       主   文
1 申請人両名が被申請人に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを仮
に定める。
2 被申請人は、昭和五一年五月二六日から本案判決確定まで、申請入Aに対し一
か月金一三万三六七〇円を、申請人Bに対し一か月金一六万一四七〇円を、それぞ
れ毎月二五日かぎり仮に支払え。
3 申請費用は被申請人の負担とする。
       事   実
第一 当事双方の求める裁判
 申請人両名は主文と同旨の判決を、被申請人は「申請人らの申請をすべて却下す
る。申請費用は申請人らの負担とする。」との判決を、それぞれ求めた。
第二 申請人らの主張
一 (当事者)
1 被申請人は、土木・鉱山用建設機械の製造販売を主たる業務とし、肩書地に本
社、工場を有する資本金一億二五〇〇万円の株式会社である。
2 申請人Aは昭和四四年三月に、申請人Bは同年一月に、それぞれ被申請人に雇
われ、以来その従業員として稼働してきた。
 なお、申請人Bは、被申請人の従業員をもつて構成する総評国金属労働組合神奈
川地方本部東京流機支部(以下単に「支部」という。)の執行委員長を昭和四六年
度から同五〇年度まで四期に亘つて歴任し、また、申請人Aは、申請人Bを継いで
昭和五年九月から現在に至るまで右執行委員長の地位にある。
二 (解雇の意思表示)
  被申請人は、申請人両名に対し、昭和五一年五月二六日それぞれ懲戒解雇する
旨の意思表示をなした。
その際、申請人両名に交付された各懲戒解雇通告書によれば、右解雇理由は、申請
人Aは昭和五〇年九月一一日から同五一年五月二一日までの間、申請人Bは昭和四
九年二月一八日から同五一年五月八日までの間、それぞれ何ら目的を示さず、ある
いは組合用務のため等と称して違法なストライトキを行ない、これにより正当な理
由がないのに無断で職場を離脱し、さらに、その際他の者をして同様職場を離脱せ
しめたもので、これらの行為は就業規則八八条二六号、二七号の懲戒解雇事由に該
当する、というにある。
三 (解雇の無効)
(一) 事前協議協定違反
1 被申請人は、支部との間に、昭和五〇年二月二八日、「会社がその責任におい
て行う組合員の配転・出向・帰休・希望退職・退職勧告・解雇及び工場閉鎖・会社
解散等労働条件の変更をする場合は事前に一組合と充分協議する。」旨の協定(以
下「本件協定」という。)を締結した。
2 申請人両名は、いずれも支部の組合員であるから、被申請人が申請人両名を解
雇するに際しては、本件協定に従い、支部と事前に充分協議をしなければならな
い。
3 しかるに、被申請人は、事前に支部と充分に協議するどころか、協議の機会を
も与えずに、申請人両名に対する本件懲戒解雇を断行するに至つたものであるか
ら、右解雇は本件協定に違反する無効のものというべきである。
4 なお、被申請人は、本件協定中の事前協議の対象たる「解雇」の中には懲戒解
雇は含まれない旨主張する。しかし、ただ単に「解雇」と表示されている場合に
は、あらゆる態様の解雇を示しているのであるから、特に懲戒解雇を除外するとき
はその旨の限定文言を付加しなければならないところ、本件協定中には右のような
除外事由が留保されていないので、その文理解釈上、右「解雇」の中には、当然、
懲戒解雇をも含むと解すべきであるし、事実、支部、被申請人いずれも、本件協定
を締結する際には、右「解雇」の表現の中にあらゆる解雇を含むものと認識してい
たのであるから、この点の被申請人の主張は失当である。
 のみならず、仮に本件協定にいう「解雇」には懲戒解雇が含まれないとしても、
懲戒解雇が本件協定中の事前協議の包括的対象たる「労働条件の変更」に該当する
ことは明らかであるから、いずれにせよ被申請人は、申請人両名を懲戒解雇するに
際して事前に支部と協議しなければならなかつたのである。
(二)不当労働行為
 本件懲戒解雇は、上述のとおり事前協議協定違反により手続的に無効であるのみ
ならず、その実質においても、支部を弱体化させ、ひいては壊滅させようとの意図
のもとに支部の指導的地位にある申請人両名を企業外に放逐しようとしたものにほ
かならないから、労働組合法七条所定の不当労働行為に該当し、無効のものであ
る。
(三)解雇権の濫用
 被申請人は、その解雇理由として申請人両名が違法なストライキをなしたと挙示
しているが、しかし、右ストライキは違法なものではないから、本件解雇には合理
的且つ相当な理由が欠落し、解雇権を濫用したものとして無効である。
四 (申請人両名の賃金)
 本件解雇当時における賃金は、申請人Aについては基本給金一二万一一〇〇円、
住宅手当金五〇〇〇円、交通費金七五七〇円の計金一三万三六七〇円であり、申請
人Bについては基本給金一三万九九〇〇円、家族手当金六〇〇〇円、住宅手当金八
○○○円、交通費金七五七〇円の計金一六万一四七〇円である。
五(保全の必要性)
被申請人は、本件解雇の意思表示後、申請人両名をその従業員として取り扱わず、
賃金も支払わない。
しかして申請人両名は、従来被申請人から支払を受ける賃金を唯一の生活資金源と
して生計を維持してきたものであるから、本案判決確定までこれが支払を受けられ
なければ、回復し難い損害を受けるおそれがある。
第三 被申請人の主張
一 (申請人両名の主張に対する答弁)
1 申請人両名主張の一、二及び四項の各事実は認める。
2 同三項の(一)の事実については、その主張のとおり、本件協定が締結された
こと及び申請人両名を懲戒解雇するに際し支部と事前に協議をしなかつたことは認
めるが、その余の事実は否認する。
3 同三項の(二)、(三)の各事実は否認する。
4 同五項の事実については、被申請人が申請人両名に対し、その解雇の意思表示
後従業員として取り扱わず、賃金の支払をしていないことは認めるが、保全の必要
性は争う。
 仮に、賃金仮払いの必要性が認められるとしても、その金額は解雇当時における
申請人両名の賃金額(右両名主張の四項記載のとおり)によるべきではなく、申請
人両名の解雇前三か月の平均賃金額(申請人Aについては金一二万一七二一円、申
請人Bについては金一四万七三一五円)を基準とすべきであるし、また、そのうち
から通勤交通費相当額(申請人両名とも一か月金七五七〇円)は控除すべきであ
る。
二 (事前協議協定違反の主張に対する反論)
1 本件協定は、その締結された経緯から明らかなように、被申請人の経営困難打
開のための合理化に関する基本方針を協議の対象とする旨定めたものであるから、
個別的な問題である本件懲戒解雇については、その適用がないものである。
 すなわち、被申請人の経営は、昭和四八年暮のいわゆる石油危機以降急速に悪化
し、被申請入は倒産を回避するため種々努力を重ねたが、昭和五〇年一月には営業
所の閉鎖、管理職の賃金カット、従業員の一時帰休や配転などの合理化案を推進す
ることとなり、これを支部に通知してその協力方を要請した。これに対し、支部
は、合理化方針の策定についての同意約款の締結を主張するに至り、かくくして、
右同意約款の締結や一時帰休の実施などをめぐつて同月中に再三に亘り団体交渉が
行なわれ、結局・被申請人としては、支部の提案する同意約款の締結は到底承諾で
きる筋合のものではなかつたので、これ拒否した。ところが、その後同年二月三日
の団体交渉において、組合から協議約款案の提示があり、これをめぐって何回か団
体交渉がもたれ、その交渉は難航していたところ、同月二八日午前一一時ごろ、支
部の執行委員八名が、突然社長室に乱入し、社長を取り囲んで、被申請人が提案し
た内容に沿つて協議約款に調印するよう迫る事態となつた。そこで、被申請人は、
異常事態の下における調印を拒否し、翌三月一日の団体交渉において正式に調印
し、ここに本件協定が成立するに至つたのである。
 本件協定は、以上のような背景と交渉経過を経て締結されたもので、所詮、合理
化案実施の必要あるいは会社倒産ないしこれに類する事態が発生した場合、その基
本方針の樹立について組合と充分協議することを約諾したものであり、つまり、被
申請人が当面している合理化の一般的、基本的な基準に関する協議約款であつて、
個別的、具体的問題処理のための協定ではない。したがつて、本件懲戒解雇は本件
協定の対象事項には含まれない。
2 仮に、個別的、具体的な事項が本件協定の事前協議の対象に含まれるとして
も、すくなくとも懲戒解雇はその対象外である。
 すなわち、本件協定の文面を見れば、「配転、出向・帰休」に次いで「希望退
職・退職勧告・解雇」を挙げ、「工場閉鎖・会社解散等」と続いているのであり、
かかる文脈と上述1のとおりの本件協定の成立過程に照らせば、明らかに本件協定
は合理化案の協議を目指しているものであり、しかも、会社合理化のため懲戒解雇
を行なうことは事の性質上あり得ないし、現実に行なわれてもいない。したがつ
て、本件協定の対象に懲戒解雇を含む余地はない。
 一般的に言っても、労働協約において解雇が協議の対象とされている場合、当然
に懲戒解雇をも含むと解すべきではない。けだし、解雇と懲戒解雇とは全くその本
質を異にし、通常厳然と区別して使用されており、被申請人においてもまた、就業
規則上、解雇と懲戒解雇とを明確に区別して規定しているのである。したがつて、
契約原理の働く通常の解雇についてはともかく、制裁罰である懲戒解雇について事
前協議をするのは、事の性質上、特別の取扱いに属するものというべきであるか
ら、単に「解雇」とあるときは、本件の如く懲戒解雇を含まないことが明示されて
いない場合であつても懲戒解雇は対象外であると解すべきである。
第四 疎明関係(省略)
       理   由
一 雇用契約の成立と解雇の意思表示
申請人両名主張の一及び二項の各事実は、いずれも当事者間に争いがない。
二 解雇の効力について
(一) 被申請人と支部との間に、昭和五〇年二月二八日、本件協定が締結され、
右協定の内容が、「会社がその責任に於て行う組合員の配転・出向・帰休・希望退
職・退職勧告・解雇及び工場閉鎖・会社解散等労働条件の変更をする場合は事前に
組合と充分協議をする。」というものであること及び被申請人が本件解雇について
事前に支部と協議をしなかつたことは、いずれも当事者間に争いがない。
 申請人両名は、本件解雇は、事前協議協定違反により手続的に無効である旨主張
するので、以下解雇理由の当否の判断は暫く留保し、本件解雇が、本件協定にいう
「解雇」に含まれるか否か、検討を加える。
1 被申請人は、本件協定は、その締結された経緯から明らかなように会社合理化
に伴なう一般的、基本的な基準に関するものであるから、個別的、具体的な本件解
雇はその対象外である旨主張する。
いずれも、成立に争いのない疎甲第一八ないし第二〇号証、疎乙第四三ないし第五
三号証、第五五ないし第五七号証、同第六一号証、申請人B本人尋問の結果により
真正に成立したものと認められる疎甲第一五号証、被申請人代表者本人尋問の結果
により真正に成立したものと認められる疎乙第五八ないし第六〇号証、申請人B及
び被申請人代表者各本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨を総合すると、被申請人
は、昭和四八年暮頃からいわゆる石油シヨツクに伴つて経営状態が悪化し、その後
も主力製品であるクローラードリルの販売が減少して在庫量が適正な範囲を超え、
やがては毎月の資金繰りにも事欠ぐほど深刻な経営危機に陥つたこと、そこで、昭
和五〇年一月中旬被申請人は、その建て直しのため、生産の一時中止に伴なう従業
員の一時帰休や管理職の賃金カットなどを中心とする合理化案の推進を決め、支部
にもその協力を求めたこと、一方、支部は、かねてより被申請人の経営状況の悪化
から、組合員の地位、身分について不安を抱いていたので、右のような一時帰休等
の合理化案が提示されたことに対し、かような、労働条件に重大な変更を招来する
場合には事前に支部の意見をも反映させなければならないとして、同月二一日被申
請人に対し「会社が、会社の責任においてなす従業員の解雇・希望退職・配転・出
向・帰休・工場閉鎖・会社解散(更生法・商法・整理・破産法を含む)等、労働条
件をともなう行為をなす場合は、事前に組合と協議し、組合の同意を得なければな
らない。」との内容の協定書案(疎乙第四五号証)を提示し、これが締結方を要求
したこと、かくして、右協定書案をめぐつて同年一月下旬から二月中旬に亘り数回
の団体交渉が開かれたが、被申請人は協議条項ならば格別、同意を要件とすること
は到底認め難いとし、また、その対象は「従業員」ではなく「組合員」に変更され
るべきであるとして、この点における支部の主張と対立し、交渉は難航したこと、
しかし、同年二月下旬に至つて、被申請人の経営危機およびこれに伴なう社内情勢
が従業員の就労を一時停止せざるを得ないほど緊迫した様相を呈してきたことか
ら、支部としても、とりあえず、被申請人の言い分に妥協して、協議約款であつて
も、その協定を締結することが先決であるとの態度を固め、同月二八日被申請人に
その意向を通知し、その結果、被申請人の意向に沿った本件協定が成立するに至っ
たこと、しかして、右成立過程においては、協議の対象事項が会社合理化案にとも
なう一般的、基本的なものに限定するとか、もしくは「解雇」には懲戒解雇は含ま
れないとかいう明示の合意は存在しなかったこと、さらに、本件協定成立直後であ
る同年三月中旬頃、被申請人は支部の一組合員であるCを工員から守衛へ職種換し
ようと考え、本人にその意向を打診したことがあつたがその際、支部は被申請人に
対し、木人の意向を聴取する前に支部と協議すべきである旨抗議したところ、被申
請人は、木件協定の趣旨は辞令発令前に支部と協議すれば足り、その時期は当該本
人に対する意向打診の前後を問わないとのみ回答して、これが協議の対象外である
との主張の如きは何らなさなかつたこと、以上の事実が一応認められ、これを覆え
すに足りる疎明はない。
 右認定事実によれば、なるほど、本件協定は一時帰休などの合理化案の実施を目
前に控えて、組合員の地位に危惧を感じていた支部の要請に応じて締結されたもの
であり、支部、被申請人両者とも、その適用対象としては、多数の従業員を包摂す
る、いわゆる合理化案に則つたものを想定していたのであろうことは推認するに難
くないが、しかしそうであるからといつて、その余の人事的措置はすべてその対象
から除外されるべきであるとの認識を有していたものとも認め難く、かえつて、組
合員Cの事例に鑑みても、支部は勿論のこと被申請人としても、その余の措置を含
むものと観念していたのではなかつたかと推量される。
 かかる双方の認識状況に、合理化案の場合にのみ限定すべき合理的理由は見い出
し難いことなどを併せ勘案しながら、本件協定を文理に即して素直に読み取れば、
その対象事項は合理化案に伴なうものだけに限定せず、その余をも含むものと解す
るのが相当である。
 してみると、この点における被申請人の主張は採用できない。
2 次に被申請人は、解雇と懲戒解雇はその本質を異にするから、本件協定にいう
「解雇」には懲戒解雇は含まれず、したがつて本件解雇はその対象外である旨主張
する。
 よつて検討するに、解雇とは、雇用契約関係を将来に向つて消滅せしめる使用者
の労働者に対する一方的意思表示をいうものであるところ、懲戒解雇もその法的性
格を如何に解するにせよ、労働者が就業規則の懲戎解雇事由に該当する所為をなし
たとき使用者によつて発動される雇用契約関係を消滅せしめる一方的意思表示であ
り、講学上、一般的には解雇の一態様として取り扱われている。もつとも、解雇の
分類上、懲戒解雇か否かという観点から、懲戒解雇以外の解雇は一般的には普通解
雇と称されているが、ときには右普通解雇を単に解雇と呼んでいる場合もあり、し
たがつて、解雇という表現方法のなかには、懲戒解雇をも含めているときとこれを
除外したときとの両様があることとなる。
 しかして、被申請人は、本件協定文の「解雇」については後者の使用方法に立脚
して解釈されるべきである旨主張するが、懲戒解雇をも含めて使用される場合がか
なりある以上、これを限定的に解すべき合理的根拠は見出し難く、かえつて、法概
念的には懲戒解雇も解雇の一態様であること、上述1に認定のとおり、本件におい
ては懲戒解雇を除外する旨の合意など限定的解釈を肯認し得るに足る特段の事情の
存在は認められないことなどを配慮すれば、本件協定にいう「解雇」には懲戒解雇
をも含むと解するのが相当であるといわざるをえない。
 のみならず、労働協約の意味について、労使双方に見解の相違があるときは、現
今の労使関係の実情に照らし、如何なる解釈をなすのが、当談条項を適正に機能さ
せ、合理的であるかという合目的的見地からも吟味する要があるところ、かかる視
座からみても、懲戒解雇を含む解釈はそれなりの根拠を有し、支持されるところと
いうべきである。けだし、懲戒解雇は、当該労働者に対し、その職を失わせるばか
りでなく、そのほとんどの場合に退職金債権の喪失をも伴なう最も荷酷な処分であ
るし、社会現象としても所謂解雇事件のなかにおいて数量的に懲戒解雇が占めてい
る比重はかなりのものであると窺われるから、これが協議の対象とすべき必要性、
合理性はそれなりに肯認せられるのに対し、これを消極に解すれば、その必要性が
如何に大であろうとも懲戒という二文字を冠することにより、直ちにその対象性を
喪失することとなり、場合によっては不合理な結果を招来するおそれも生ずるから
である。
 なお、成立に争いのない疎乙第一号証によれば、被申請人の就業規則において
は、いわゆる普通解雇の意味で解雇という条項(第七六条)が規定されているが、
上来説示したところに、就業規則と労働協約との相違、さらには、被申請人代表者
本人尋問の結果から看取されるように右代表者自身も解雇の種類等につき明確な認
識を有していないことなどの諸事情を考え合わせると、右規定の存在は、「解雇」
に関する叙上の解釈に消長を及ぼすものとは認め難い。
 以上の次第で、本件協定にいう「解雇」には、懲戒解雇を含めて解するのが相当
であると認められ、この点における被申請人の主張もまた、採用できない。
3 その他、本件解雇が「解雇」に含まれないとする主張、立証は見あたらないと
ころ、翻えつて、被申請人の挙示する本件解雇理由についてみるに、それは、申請
入両名が支部の幹部として指揮したストラィキが違法であるとし、これが懲戒解雇
事由に該当するとしてなされたものであること前記のとおりであるから、右ストラ
イキが違法であるか否かは別として、少なくもかような解雇こそ支部にとつては事
前協議の必要性が極めて大きい事案であることは明らかであり、これが対象外とさ
れては、本件協定の存在意義自体も疑問視されるところである。
4 右1ないし3に基づけば、本件解雇は本件協定中の「解雇」の中に含まれ、事
前協議の対象になるものと解するのが相当である。
(二) そうすると、本件解雇は支部に対し事前協議の機会を与えることなく断行
されたもので、労働協約たる本件協定に違反するから、解雇理由の当否については
これを判断するまでもなく、無効のものと解すべきであり、したがつて、被申請人
の解雇の意思表示にもかかわらず被申請人と申請人らの雇用契約関係はまだ継続し
ているものというぺきである。
三 賃金債権と保全の必要性
 申請人両名主張の四項の事実及び被申請人が申請人両名に対し、本件解雇の意思
表示以後、従業員として取扱わず、賃金も支払つていないことは、いずれも当事者
間に争いがない。そして、前出疎甲第一五号証、いずれも成立に争いのない疎甲第
五、第六号証の各一、二及び申請人B本人尋問の結果により真正に成立したものと
認められる疎甲第七、第八号証に弁論の全趣旨を併せると、申請人両名は、これま
で被申請人から支払を受ける賃金でその生計を維持してきたので、これが支払を受
けられなければ回復し難い損害を受けるおそれがあることが一応認められる。
四 よつて、申請人両名の申請すべき理由があるので、これを認容することとし、
申請費用の負担については民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

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