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平成15年3月13日判決言渡平成13年(ワ)第15816号損害賠償請求事件
主文
1 被告は,原告Aに対し金220万円,原告B及び原告Cに対し各金110万円
を支払え。
2 原告らのその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを6分し,その5を原告らの負担とし,その余を被告の負担と
する。
4 この判決は,1項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
1 被告は,原告Aに対し金1395万2183円,原告B及び原告Cに対し各金
697万6092円を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 仮執行宣言
第2 事案の概要
1 本件は,被告の経営するF病院において人間ドックによる健康診断を受診した
G(以下「亡G」という。)が受診後約3月後に死亡したことに関し,F病院の医
師が亡Gががんに罹患していること及び気管支鏡検査等の検査をする必要があるこ
と等を同人に説明しなかったことが債務不履行に当たると主張して,亡Gの相続人
である原告らが,被告に対し,債務不履行に基づく損害賠償を請求している事案で
ある。
2 争いのない事実等(証拠により認定したものは括弧内に当該証拠を記載した。
その他の事実は当事者間に争いがない。)
(1) 当事者
ア 亡G(大正13年3月5日生まれ)は,平成11年1月17日死亡した。原告
Aは亡Gの妻であり,原告B及び同Cは亡G及び原告Aの子である。
イ 被告は,F病院を開設し経営している。
(2) F病院における亡Gの診療等
 亡Gは,平成10年9月21日,F病院において人間ドックによる健康診断(以
下「本件人間ドック」という。)を受診した。本件人間ドック及びその後のF病院
における検査等の経過は,別紙診療経過一覧表<F病院分>の「年月日」「診療経
過(入通院状況・主訴・所見・診断)」「検査・処置」欄に記載したとおりであ
る。
 なお,平成10年10月12日及び11月28日に亡GがF病院に通院したこと
は当事者間に争いがないが,当該日におけるやりとり等については争いがあるの
で,必要に応じて別途認定を行うこととする。
(3) 亡Gの死亡(甲A1,2。亡Gの死亡の事実,死亡原因及び死亡日は当事者間
に争いがない。)
亡Gは,平成11年1月5日,体調の不調を訴えて訴外H病院を受診し,同月6日
に入院し,同月17日に肺癌により死亡した。
3 争点
(1) F病院は本件人間ドックに関する契約上の義務を果たしたか。
(2) 亡Gの死亡とF病院の行為との間に因果関係があるか。
(3) 損害額
4 争点に関する当事者の主張
(1) 争点(1)(F病院は本件人間ドックに関する契約上の義務を果たしたか。)に
ついて
(原告らの主張)
ア 亡Gは,平成10年10月7日,F病院において,肺のCT等による検査を行
った(以下「本件検査」という。)。検査を担当した訴外Iは,本件検査の結果に
ついて,検査記録(以下「本件検査記録」という。)に「肉芽腫が考えられる。多
発性肺のう胞については胸レントゲンではないので,精査必要・肺癌除外→癌細胞
診,気管支鏡 生検」と記載した。
イ 平成10年10月12日,検査結果の説明を担当するF病院の訴外Jは,亡G
に対して本件検査の結果を説明したが,その際には,癌の可能性等についての説明
を全く行わず,気管支鏡検査や生検等の精密検査を勧めなかった。
  なお,被告の主張のイのJによる本件検査記録への記載は後日記載されたもの
であり,そのとおりの説明がなされた証拠とはならない。
ウ Jは,本件検査の結果からして,亡Gに対し,癌の可能性を説明し,気管支鏡
検査や生検等の精密検査を勧め,癌の疑いを晴らす義務がありながら,この義務を
怠った。これは,F病院と亡Gとの間の人間ドックによる健康診断に関する契約上
の債務不履行に当たる。
(被告の主張)
ア 本件検査の結果について,Iは原告の主張ア記載のとおり本件検査記録に記載
した。
イ この検査結果を受けて,Jは,平成10年10月12日,亡Gに対し,本件検
査の結果を説明した。その際,Jは,Iの記載した本件検査記録に基づき検査結果
を亡Gに告げ,肺癌の疑いがあること,気管支鏡検査や生検の必要性があることを
説明した。しかし,亡Gが,気管支鏡検査がつらいとの理由で同検査の実施を断っ
たことから,それ以上同検査の受検を勧めなかった。そこで,Jは,本件検査記録
に,「経過により気管支鏡による精査但し呼吸機能の低下があり,要注意」と記載
した。
ウ 健康診断では,診断で把握した客観的な健康の状態を指摘することが医療側の
義務であり,胸部CTに現れた陰影が異常なものであって,それが何であるかを判
定するには気管支鏡,生検,喀痰検査の方法があることを説明すれば十分である。
上記検査等を実施する義務はない。したがって,被告には債務不履行はない。
(2) 争点(2)(亡Gの死亡とF病院の行為との間に因果関係があるか。)について
(原告らの主張)
ア 亡Gは,肺癌により死亡した。しかも,平成11年1月5日,胃が痛いといっ
てH病院を受診し,血液検査,超音波検査,胸部レントゲン,腹部レントゲンを行
い,すぐさま腹水や癌が確認されたが,すでに末期癌の症状で手の施しようがな
く,同月17日に死亡したものである。
イ F病院において,平成10年10月12日に,亡Gが気管支鏡検査及び生検等
の精密検査を勧められ,これらの検査を受けていれば,当時進行していた癌が早期
に発見され,抗癌剤やレーザー光照射治療を受けることができ,延命した可能性が
強い。
(被告の主張)
ア 本件検査が実施された平成10年10月7日の時点では,肺癌であるとの臨床
診断をすることは不可能であった。肺癌は,亡GがH病院に入院した平成11年1
月6日にはすでに末期癌の状態となっており,同月17日には亡Gが死亡したもの
である。肺癌は,進行が急速な小細胞癌,しかも極めて悪性で希なものであり,肝
臓に転移し,本件検査当時には予測できないほどのあまりにも急激な進行をたどっ
た。転移を含む進展型の小細胞癌の治療成績は,3年生存率が5%程度である。
イ 仮に,亡Gが,本件検査の後に気管支鏡検査等の精密検査を受けていたとして
も,検査を受けてその結果が判明し,治療が開始されるまでに最短でも5週間程度
は過ぎてしまうことになる。亡Gの肺癌がアのような進行をたどり,しかもそのよ
うな急速な進行が予測されなかったのであるから,亡Gが気管支鏡検査等の検査を
受けて治療が開始されたとしても,その治療効果は疑わしく,亡Gの延命ができた
とはいえない。したがって,原告らの主張する被告の債務不履行と亡Gの死亡の結
果との間には因果関係がない。
(3) 争点(3)(損害額)について
(原告らの主張)
ア 死亡慰謝料  金1000万円
イ 逸失利益   金1432万9366円
    亡Gの年金額551万6302円
    死亡時74歳(平均余命10.89年)であり,少なくとも5年の余命は
あったとして,ライプニッツ係数で計算(生活費控除40%)。
ウ 弁護士費用  金357万5000円
エ 相続分は,原告Aが2分の1,その他の原告らが各4分の1
(被告の主張)
否認ないし争う。
第3 争点に対する判断
1 争点(1)について
(1) 証拠(甲A2,4ないし6,乙A1ないし3,乙A4の1ないし5,乙A5,
6,13,乙A14の1ないし3,証人J,証人K,原告A)及び弁論の全趣旨に
よれば次の事実が認められる。
ア 亡Gは,平成10年9月21日に本件人間ドックを受診し,同年10月3日こ
ろ,その結果が記載された「人間ドック健康診断報告書」が亡G宛に送付された。
同報告書には,呼吸器系検査の結果として,「円形陰影像については,CT検査等
で詳細を確認して下さい。」と,上部消化管検査の結果として,「内視鏡検査にて
詳細の確認をして下さい。」と記載されていた。
イ 亡Gは,上記報告書の記載に従って,平成10年10月7日に胸部CT検査等
を,同月9日に胃の内視鏡検査等を受けた。CT検査の結果について,Iは,本件
検査記録に,「肉芽腫が考えられる。多発性肺のう胞については胸レントゲンでは
ないので,精査必要・肺癌除外→癌細胞診,気管支鏡 生検」と記載した。
ウ 平成10年10月12日,Jは,約15分くらいの時間をかけて,亡Gに対し
て,本件検査の結果について,Iにかかる本件検査記録に基づき,おおむね,①主
に肉芽腫について,昔結核があり,その手術した後の所見である,②結核性の主病
巣は切除できていると思われる,③CT画像から言えることは,手術の後の胸膜の
癒着像である,④胸膜の癒着が嚢胞状になって写っている,⑤リンパ腺は,大きい
けれども昔の結核の治った後の痕跡ではないかと思われる,⑥以上の点から,現時
点で結核の再発があるとは言い切れないと思われる,⑦ただ,これだけ肺機能が落
ちているので,風邪やインフルエンザにかからないように注意しなければならない
といった趣旨の説明を行った。その上で,⑧これらの説明は,CTの画像から推定
しているだけなので
,きちんとした診断をするには,癒着している部分の組織を気管支鏡で切除してく
るか,あるいは開胸してその物を切除して所見をとらないと最終的なことは言えな
い旨説明し,併せて,⑨気管支鏡検査がどのような検査であるかの説明及び相当な
苦痛を伴う上に生命の危険もあるといった説明を加えた。
エ その際,亡Gから,気管支鏡検査を今すぐにやらなくて良いかという趣旨の質
問があった。これに対し,Jは,胸部レントゲン上増悪していく病像が認められ
ず,病状が安定していることから,気管支鏡検査による身体に対する負担を考慮
し,当該時点で気管支鏡検査の必要性が乏しいと考え,おおむね,①肺機能が落ち
ているから気管支鏡検査は負担がかかる,②万一出血があった場合には止血できな
いこともあり,最悪の場合は失血死のおそれもある,③画像等から判断する限り,
このような生命の危険を冒してまで,肺に関しては急いで特別な検査をする必要は
ないと思うので,経過を見ながら考えればよいといった趣旨の説明をした。そし
て,現時点で明らかな増悪がないので,経過を見て気管支鏡検査を実施することを
亡Gに伝え,経過を見るこ
とにした。
オ 以上の経過については,同日,Jにおいて,本件検査記録に「経過により気管
支鏡による精査但し呼吸機能の低下があり,要注意」と書き加えた。診療録には,
同医師が「術後ゆ着像 多発性嚢胞状(両下肺野に認める)陳旧性肺結核 術後像
であり,要経過観察及び左肺機能低下による障害」と記入した。
カ 亡Gは,死亡前日の平成11年1月16日,入院中のH病院において看護師に
対し,「もう少し早く 10月頃来れば良かった 9月にCTとって大丈夫といわ
れたから」という趣旨の発言をした。
(2) 当裁判所は,上記認定事実及び争いのない事実等を前提とし,本件証拠を検討
した上で,争点(1)について次のとおり判断する。
ア 被告は,Jが亡Gに対し癌の可能性及び気管支鏡検査等の必要性や検査による
危険性等を説明した旨主張する。
  しかし,本件全証拠によるも,Jが上記(1)に記載した以上に癌の可能性につい
て説明したという事実を認定することは困難である。J作成の陳述書には,癌の可
能性に関する説明をしたという部分はなく,その説明の中心は明らかに結核の再発
にあてられている。また,Jは,その証人尋問の中でも,説明の主要点が肺結核の
再発にあったことは肯定し,原告ら代理人の質問に答えて癌の可能性の説明はして
いないと述べている。これについては,被告代理人の再度の質問に対し,説明の流
れの中で癌ということも述べてはいるという趣旨の曖昧な供述を行ったにすぎな
い。さらに,上記(1)のカで認定したとおり,亡Gは,その死ぬ間際まで,Jから大
丈夫という説明を受けたと信じていたものであり,このことは,亡GがJの説明以
後何回かF病院を訪れ
ているのに,気管支鏡検査や癌の可能性を排除するための検査の受診を申し出た
り,質問したりした形跡が伺われないことからも明らかである。このような事情を
総合的に考慮すれば,本件証拠上,Jが亡Gに対して癌の可能性について説明した
という事実を認定することはできない。なお,付言するに,原告らは,本件検査記
録の中のJによる「経過により気管支鏡による精査但し呼吸機能の低下があり,要
注意」との書き込みは後日なされたものであると主張するが,本件証拠による限
り,被告主張のとおりJが10月12日の説明の後に書き加えたとすることで特段
不審な点もない。この点についての原告らの主張は採用しない。
  他方,気管支鏡検査の必要性,検査による苦痛や生命に対する危険性等につい
ては,上記(1)のウ,エ記載のとおり一応の説明がなされている。しかし,特に,必
要性の説明については,いわば必要性が乏しいという面を強調したものであって,
結果として気管支鏡検査を直ちに受ける必要はないと説明したものと同視できる内
容となっている。
イ 以上のとおり,Jの説明は,癌の可能性を説明せず,直ちに気管支鏡検査を実
施する必要性はないとするものであって,亡Gがこの説明を聞いて,呼吸器に関す
る検査において特に健康上の新たな問題点がないと信じたことは容易に推測のつく
ところである。
  ところで,人間ドックに基づく健康診断は,医療機関と人間ドック受診者との
間で締結される診療契約であって,当該医療機関は,検査の結果に基づいて受診者
の健康状態を把握し,その状況を説明するとともに,適切な健康管理上の助言を行
うべき債務を負うものである。これを,本件についてみるに,F病院は,上記のと
おり,癌の可能性についての説明をせず,自らの健康状況に関して癌の可能性があ
るという正確な情報を認識していない亡Gに対し,気管支鏡検査の危険性と必要性
に乏しい面を強調する説明を行い,結果として,亡Gが癌の危険性と気管支鏡検査
の危険性等を正確に認識した上で受検の当否を決定することができる機会を失わし
めたということができる。
  このようなF病院の行為は,人間ドックにおける診療契約上の債務を十分に履
行したとは言えないものであり,F病院は,亡Gに対し,債務不履行の責任を負う
べきである。
2 争点(2)について
(1) 証拠(甲A1ないし3,甲A6,乙A6,乙A7の1・2,乙A8の1ないし
3,乙A9の1ないし6,乙A10の1ないし5,乙A11,乙A12の1ないし
7,乙B5の1・2,証人J,原告A,鑑定人Lの鑑定結果)及び弁論の全趣旨に
よれば次の事実が認められる。
ア 亡Gは,平成11年1月5日,腹部痛等を訴えてH病院で受診し,即日入院を
勧められたが,入院の準備をしていなかったため翌日に入院することとし,同月6
日に入院した。この時点で,すでに多発性の肝細胞癌(HCC)又は多発性の肝転
移性腫瘍が指摘され,その後,同月7日骨盤部CT,同月8日腹部CT,同月11
日胃内視鏡検査及び腹部超音波検査,同月12日全身ガリウムシンチ検査,同月1
4日胸部CTが行われた。その間,肝細胞癌と診断され,腹痛,呼吸苦,背部痛等
が拡大,同月13日には,家族に対し「肝転移がかなりひどく,手がつけられな
い。今の所,原発不明。急変もありうる」と癌であることの告知がなされた。そし
て,同月14日に撮影された胸部CTによって,「右下葉に原発する肺癌およびそ
の肺門リンパ節と縦隔
リンパ節への広範な転移」と診断された。そして,亡Gは,肺癌に関する治療を行
ういとまもなく,同月17日午後11時51分に死亡した。
イ 亡Gの死因は肺に原発した肺癌であり,より詳しくは肺癌による広範囲な肝転
移が密接に関係して起こった末期の代謝性アシドーシスが直接の死因である。代謝
性アシドーシスの原因は,肺癌の広範な全身性の転移,特にひどい肝転移にあっ
た。肺癌の進行があまりにも急速であり,H病院における平成11年1月5日の初
診時点では既に末期状態となっており,その状態は極めて悪く,容態も急激に悪化
し,同病院入院後は,肺癌に対する治療を行う時間的余裕がなかった。肺癌は小細
胞癌であり,原発部位で急速に増大するとともに,肺門リンパ節や縦横リンパ節に
広範に転移し,肝臓にも広範な多発性転移を来たした。その経過は急激であり,小
細胞癌としても極めて悪性でまれな症例である。
ウ 本件検査により平成10年10月7日に撮影された胸部CTで見られた小結節
が肺癌の原発病巣であるが,この時点では肺癌の臨床診断は無理である。肺癌の診
断をするためには病理診断などが必要であり,当時,亡Gに生じた肺癌の急速な進
行を予測することは不可能であった。
エ 亡Gは,本件検査当時74歳であったが,27歳のころに肺結核を患い,片肺
を手術により切除していたこともあって,その肺機能が落ちていた。
オ 一般に転移を伴う小細胞癌の生存率は低く,予後は極めて悪いとされている。
(2) 以上の事実を前提とすると,本件証拠上,仮に,亡GがJから適切な説明を受
けていたとしても,自己の身体的な問題を克服して無事に気管支鏡等の検査を受
け,その結果早期に適切な治療を受けて延命できたとまで認定することは困難であ
ると考えられる。
  すなわち,亡Gの身体状況が必ずしも十分なものではなく,気管支鏡検査等の
検査の身体に対する負担が十分に考えられたこと,及び,肺癌の進行が予想できな
いほどあまりにも急速であったことを考慮すると,仮に気管支鏡等の検査が行われ
たとしても,検査がどの時点で実施できたか,検査が無事に終了して肺癌が発見さ
れた場合に,肺癌に対する有効な治療が可能であったのか,治療が実施された場合
に当該治療が奏功して亡Gの延命が図れたかどうかについては,相当程度の疑問が
残るといわざるをえない。
  本件のように,死因となった肺癌が極めて悪性のものであって,その進行があ
まりにも急速であることが認定される事案においては,被告の債務不履行と亡Gの
死亡との因果関係を認定するためには,肺癌の発見がどの時点で可能となったの
か,その時点で具体的にどのような治療方法があったのか,適切な治療法がとられ
ればどの程度の延命が可能であったのかを,原告らにおいて具体的に立証する必要
があるというべきところ,本件においては,提出されている証拠によってそのよう
な立証がなされているとはいい難い。したがって,本件においては,被告の債務不
履行と亡Gの死亡との因果関係を認めることはできない。
 3 争点(3)について
(1) 慰謝料について
ア 争点(1)に関して判示したとおり,F病院は,亡Gの健康状態を説明し,適切な
助言を行うべきところ,癌の可能性についての説明をせず,自らの健康状況に関し
て癌の可能性があるという正確な情報を認識していない亡Gに対し,気管支鏡検査
の危険性と必要性に乏しい面を強調する説明を行い,結果として,亡Gが癌の可能
性と気管支鏡検査の危険性等を正確に認識した上で受検の当否を決定することがで
きる機会を失わしめた。
イ このため,亡Gは,自らの生死に直接関係する気管支鏡検査等の精密検査を受
検するかどうかの自己決定の機会を失った。また,自らの死期が近いことを知るこ
とができず,人生の最後の段階の過ごし方を考える機会をもつことができなかった
といえる。これは,自らの健康状況を把握するために健康診断を受けた亡Gの意図
を全く無にしたものというべく,それに対する慰謝料は金400万円をもって相当
と判断する。
(2) 逸失利益について
すでに判示したところを前提にすると,逸失利益は認められない。
(3) 弁護士費用 金40万円をもって相当とする。
(4) 結論
ア 以上によれば,損害額の総計は金440万円となる。
イ 各原告の取得分は次のとおりとなる。
    (ア) 原告A 220万円
(イ) 原告B及び原告C 各自金110万円
6 結論
以上によれば,原告らの請求は主文の限度で理由がある。よって,主文のとおり判
決する。
東京地方裁判所民事第14部
裁判長裁判官  山   名       学
   裁判官  中   村   さ と み
   裁判官  大   竹   敬   人

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