弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人鈴木義広の上告理由第一点について。
 所論の点に関する原審の事実認定は、原判決の挙示する証拠によつて首肯するに
足り、その判断の過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審が適法にし
た証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用できない。
 同第二点について。
 貸金債権の担保のため不動産に抵当権を設定するとともに、右不動産につき停止
条件付代物弁済契約または代物弁済予約がなされている場合において、契約時にお
けるその不動産の価額と弁済期までの元利金額とが合理的均衡を失するようなとき
は、特段の事情のないかぎり、右契約は、債務者が弁済期に債務の弁済をしないと
き、債権者において、目的不動産を換価処分してこれによつて得た金員から債権の
優先弁済を受け、またはこれを評価して物件の所有権を取得し、自己の債権額との
差額はこれを債務者に返還すべきであり、その実質は担保権と同視すべきものと解
すべきである(最高裁判所昭和四二年一一月一六日第一小法廷判決、民集二一巻九
号二四三〇頁参照)。本件において、原審の確定したところによれば、訴外Dは自
己の経営していたE株式会社が訴外Fから金五〇〇万円を借り受けるにさいし、F
との間に本件土地を含む宅地二〇〇坪について根抵当権を設定し、同時に右金員が
期間内に弁済されないときは右宅地を代物弁済としてFに移転する旨の契約を締結
し、昭和三二年一二月一三日その旨の根抵当権設定登記および所有権移転請求権保
全の仮登記を経由した、というのであつて、右代物弁済予約の趣旨は、他に特段の
事情のないかぎり、前記の内容の担保契約と推認すべきものであるが、さらに原審
の確定したところによれば、右二〇〇坪の宅地については、右契約締結の当時すで
に、訴外G株式会社のために元本極度額四〇〇万円の根抵当権設定登記および売買
予約による所有権移転請求権保全の仮登記が経由されていたほか、本件土地は上告
人らがこれを占有していて、Fが右二〇〇坪の土地を取得しても、これを完全に利
用しまたは処分するためには相当の時間と費用を要する事情がある、というのであ
り、このような事実関係のもとにおいては、上告人が原審において主張するその他
の事情を斟酌してもいまだ右契約をもつて暴利行為として公序良俗に反する無効の
契約と解するに足りないから、これと同旨に出た原審の判断は正当である。
 したがつて、原判決に所論の違法はない。諭旨は、独自の見解に立つて原判決を
非難することに帰するものであつて、採用することはできない。
 同第三点について。
 記録によれば、上告人の訴状記載の請求原因第三項(二)には所論のような趣旨の
主張が記載され、右訴状は第一審口頭弁論期日に陳述されたが、原審第一回口頭弁
論期日において第一審における口頭弁論の結果を陳述するに当たつては、当事者双
方において、第一審判決の事実摘示のとおりこれを陳述したことが明らかであり、
右同旨の主張があらためて原審においてなされた形跡は認められない。
 してみれば、所論主張は原審において訴訟資料とならなかつたものというべきで
あるから、所論は、上告理由としてその前提を欠くものであつて、採用することが
できない。
 同第四点について。
 所論の点に関し、被上告人Bを代理して本件土地を含む二〇〇坪の宅地を目的と
する代物弁済予約上の地位の譲渡を受けた訴外Hには背信的悪意があつたものとは
いえず、また同被上告人についても背信的悪意があつたとは認められない旨の原審
の事実認定は原判決挙示の証拠その他原審の取調べにかかる証拠関係に照らして是
認するに足り、所論丙第一六号証の一の記載を斟酌しても原審の事実認定に違法が
あるとは認めがたい。してみれば、上告人はその所有権の取得をもつて同被上告人
に対抗できず、したがつて、その余の被上告人らにも対抗できない旨の原審の判断
は正当である。原判決にはなんら所論の違法はなく、論旨は採用できない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   田       誠
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    大   隅   健 一 郎

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