弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士宮崎梧一、同須賀利雄の上告理由第一点について。
 しかし、被上告人が第一審以来所論売渡担保の予備的請求を主張したことは、記
録上明白なところであつて、所論被上告人代理人が本人から語られない事実を創案
工夫して主張したに過ぎないものであることはこれを認むべき資料がないのである
から、所論は採用できない。
 同第二点について。
 しかし、原判決は、所論摘示のごとく「また、その後債権担保のため所有権を取
得した際にあらためて占有を始めたと認めるべき資料はなんら存しない」と判示し
ており、その判示は、原審の証拠関係に照し是認できるから、所論前段は採用でき
ない。
 次に、原判決は、「以上の次第で、被控訴人(上告人)先代も本件建物の所有権
を取得したとはいえ、その所有権は、債権担保の目的にのみこれを行使し得るとの
制限をうけ、債務者たる控訴人(被上告人)が債務を弁済しおわるときは控訴人え
復帰すべきものであるということになる」旨、竝びに、「事実関係にして右のとお
りである以上当該当事者たる被控訴人先代としては当然かような関係を知つている
ものというべき」旨判示しており、その判示も是認することができる。そして、占
有のはじめ自己の所有権がかように債権担保の目的のためにのみ行い得るとの制限
附のものであることを知つている場合には、その占有は、民法一六二条二項の善意
で所有の意思をもつてはじめたものとはいえないと解するを相当とする。されば、
所論後段もとるを得ない。
 同第三点について。
 原判決は、要するに本件建物を本件債務の担保に供したところ、その債務の弁済
供託があつたので、その建物が控訴人の所有であることを確認し、その所有権移転
登記手続をなすべき旨の予備的請求を認容したものであつて、その判断は、原判決
の説示に照しこれを是認することができるのである。されば、所論の督促があつた
か否か、所論担保物の利用関係が異例奇異であるか否か、所論の質問解明をすべき
か否か等を釈明審理すべき旨の所論は、すべて、原判決に影響を及ぼさない法令違
背の主張に帰し採るを得ない。
 同第四点について。
 しかし、所論の証拠をもつてしても、所論原判決にいわゆる「この点を合理的に
説明し得るような特別の事情」とすることはできない。従つて、原判決には所論の
違法は認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    高   木   常   七

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