弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 弁護人石丸公が陳述した控訴趣意は記録に編綴の弁護人今長高雄提出の控訴趣意
書記載のとおりであるからこれを引用し、次のように判断する。
 同控訴趣意第一点について。
 所論は、本件もろみは豚の飼料に供するために製造したものであるから、酒税法
第八条所定のもろみには当らないと謂うにある。しかし、原判決挙示の証拠によれ
ば、被告人が本件もろみを製造したのは、豚の飼料に供するためであつたものとは
認められない。のみならず、酒税法の各種規定が酒類に対する徴税を確保するため
酒類の製造、販売等につき免許制を採用する等種々の制限を設け、併せて酒類の原
料である酒母、もろみ、こうじの製造につき免許制を採用した所以のものは、右原
料は直ちにこれを酒類製造の用に供し得るものであるから、かかる原料の製造をも
制限しなければ酒類の製造を制限した趣旨の完壁を期し得ないためなることが窺わ
れる。又酒税法第八条はその本文において、酒類製造の用に供し得るもろみを製造
するにはすべて所定の免許を受けなければならない旨規定し、僅かにその但書を以
て一号以下六号まで除外例を設けており、殊にその五号にこうじについては自己又
は同居の親族の食用に供するための製造を制限しない旨の規定を置いているに<要
旨>拘らず、もろみについてはこの種の主観的意図に関する除外例を認めていない。
従つてこれ等の律意に鑑みれば、酒税法第八条所定のもろみとは、客観的に
観て酒類製造の用に供し得るものなることを要し且つこれを以て足りるものにし
て、その製造の目的が酒類製造の原料に供するためなると、はた家畜の飼料に供す
るためなると、その主観的意図の如何はもろみたるの本質に消長を来すものでな
く、苟くも酒類製造の用に供し得るもろみであれば、その製造の目的如何に拘りな
く、すべてこれが製造には所定の免許を受けることを要するものと解するを相当と
する。今本件について観るに、原判示事実は、被告人は原判示のとおりメリケン粉
二俵、米ぬか五升にうどん汁と水を加えて原料とし、これを桶や金だらいに仕込ん
でもろみ一石四斗八升を製造したものであるというのであつて、右もろみが酒類製
造の用に供し得るものなることは原審証人Aの証言により明らかであるから、被告
人が仮りに所論の如くこれを豚の飼料に供する目的を以て製造したものとしても、
酒税法第八条所定のもろみを免許を受けずに製造したことにかわりはなく、原審が
被告人の右所為を酒税法第五四条第一項に該当するものとして処断したのは相当で
あり、原判決に所論の如き事実誤認、法令適用の誤は存しない。論旨は理由がな
い。
 同控訴趣意第二点について。
 しかし、原判決挙示の証拠によれば本件もろみは被告人自ら製造した事実を優に
認め得べく、而して本件記録及び原裁判所において取調べた証拠に現われている被
告人の年齢、境遇、犯罪の情状その他諸般の事情に鑑みるときは、なお所論の事情
を篤と参酌しても原審の被告人に対する刑の量定はまことに相当にして、これを不
当とする事由を発見することができないので、論旨は理由がない。
 そこで刑事訴訟法第三九六条に則り本件控訴を棄却し、当審における訴訟費用は
刑事訴訟法第一八一条第一項但書に従い被告人をして負担させないこととする。
 よつて主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 藤井亮 裁判官 岡林次郎 裁判官 中村荘十郎)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛