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平成22年9月15日判決言渡
平成22年(ネ)第10003号特許侵害予防等請求控訴事件(原審・大阪地裁平成2
0年(ワ)第9742号)
口頭弁論終結日平成22年7月7日
判決
控訴人(一審原告)日本電産株式会社
訴訟代理人弁護士松本司
同井上裕史
同田上洋平
補佐人弁理士北村秀明
被控訴人(一審被告)三星電機株式会社
訴訟代理人弁護士城山康文
同岩瀬吉和
同諏訪公一
同弁理士龍華明裕
補佐人弁理士飯山和俊
同森川剛一
主文
1原判決を取り消す。
2本件を大阪地方裁判所に差し戻す。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
主文同旨
第2事案の概要
【以下,略称は原判決の例による。】
1本件は,日本法人で肩書地に本店を有する控訴人(一審原告)が,大韓民国法
人で肩書地に本店を有する被控訴人(一審被告)に対し,控訴人の有する日本特
許第3502266号(発明の名称「記録媒体の駆動用モータ」,出願日平成1
0年6月18日,登録日平成15年12月12日)に基づき,①特許法100
条1項に基づく被告物件の譲渡の申出の差止め(以下「本件差止請求」という。)
と,②不法行為に基づく損害賠償金300万円及びこれに対する平成20年1
0月14日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払(以下「本件
損害賠償請求」という。)を,各求めた事案である。
2原審の大阪地裁は,平成21年11月26日,被控訴人が我が国において被
告物件の譲渡の申出を行った又はそのおそれがあるとは認められないから,上
記①及び②の請求のいずれについても我が国の国際裁判管轄を肯定できない等
として,本件訴えを却下する旨の判決をした。
そこで,これに不服の控訴人が本件控訴を提起した。
3当審における争点も,原審と同じく,本件訴えにつき我が国が国際裁判管轄
を有するかである。
第3当事者の主張
当事者双方の主張は,次のとおり付加・訂正するほか,原判決「事実及び理由」
中の「第2請求原因」,「第3本案前の争点及び同争点に係る当事者の主張」記
載のとおりであるから,これを引用する。
1訂正
原判決6頁7行目「なお,被告は,…」ないし11行目を削除する。
2控訴人の当審における主張
(1)民訴法の裁判籍
ア民訴法4条5項(普通裁判籍)
(ア)被控訴人は,「経営顧問A」の名刺(甲3)に記載されている住所は
被控訴人の事務所又は営業所ではない旨主張する。
しかし,被控訴人の商号「三星電機株式会社」の下に「東京都港区」が被
控訴人の住所として記載されていることから,これが被控訴人の「事務
所又は営業所」の所在地を意味することは明らかである。同所は,被控
訴人が属するサムスングループの日本法人である日本サムスン株式会
社(以下「日本サムスン社」という。)の本店所在地でもあるが,そこに被
控訴人の「事務所又は営業所」が設けられているのである。
被控訴人を被告とする本件訴状が,原審裁判所により上記場所に送達
され一度は受領されたことより,被控訴人自身,同所を被控訴人の事務
所又は営業所としていることは明らかである。
(イ)仮にそうでないとしても,「経営顧問A」は,被控訴人の「日本にお
ける代表者その他の主たる業務担当者」に該当し,同人は東京都内に在
住している。
また,Aが,上記の名刺を配布し,被控訴人の日本国内におけるトッ
プとして,既存の技術,知識,人的ネットワークを土台にして,将来の
事業の発掘のための技術情報の調査を行うのであれば,日本における被
控訴人の事業展開に係る業務をなしているのであるから,少なくとも
「主たる業務担当者」に該当する。
イ民訴法5条1号(義務履行地)
(ア)本件は,日本特許権に基づく侵害差止請求(譲渡等の申出)及び損害
賠償請求が訴訟物であり,その性質は財産権上の訴えである。
(イ)損害賠償請求(不法行為)の準拠法は,「加害行為の結果が発生した地
の法による。」(法の適用に関する通則法17条)から,日本法が準拠法
となるところ,民法484条によれば,債権者たる控訴人の住所地たる
日本国(京都市)が義務履行地となる。
(ウ)なお,損害賠償請求等の金銭請求をした場合はすべて原告(控訴人)
の住所地が義務履行地とされることから,国際裁判管轄の決定について
の義務履行地は,民訴法上の裁判籍とすべきではないとの反論について
は,特段の事情の中で判断すれば足りるのであって,民訴法上の裁判籍
の段階から否定することで,日本法人である場合と比較して,外国法人
を特に有利に取り扱う理由はない。
ウ民訴法5条9号(不法行為地)
(ア)特許権に基づく差止請求は,民訴法5条9号の訴えに関するもので
あり,被告が我が国においてした行為により原告の法益について損害が
生じたとの客観的事実関係が証明されれば,民訴法上の裁判籍が肯定さ
れることになる。
そして,被告が我が国においてした行為により原告の法益について損
害が生じたとの客観的事実関係とは,特許権に基づく差止請求の場合
は,原告に特許権が存在し,被告が我が国で同意を得ない実施をした結
果,原告に損害が発生したことを証明することであるが,同意を得ない
被告の実施は原告に損害が発生することであるから,結局,被告が日本
国内で該特許権の実施をしていることを証明すれば足りることになる。
(イ)被控訴人は,日本語表記のウエブサイトを開設し,被告物件と同一
分野の製品及び購買に関する問い合わせを可能としており(甲7∼1
0),日本国内に事務所又は営業所を置き,仮にそうではないとしても
日本語の名刺(甲3)を使用する主たる業務担当者(A)が日本国内に在住
し,日本国内での事業展開に係る業務をなしている。このことは,被
告物件の「譲渡等の申出」に該当する。日本語で表記された被控訴人の
「経営顧問」の肩書を付した名刺が必要になるのは,日本企業と面談し,
被告物件を含む被控訴人の製品の商談等に使用するためであることは
明白である。
なお,原判決は,日本語表記のウエブサイトについて,「プルダウン
の選択次第で様々な製品に変更ができるものであり(乙7の1),品番や
具体的な仕様についても何ら示されていない。」(原判決13頁17行∼
19行)ことを譲渡の申出を否定する根拠にする。
しかし,譲渡の申出をしている製品が,他品種であるとしても,ウエ
ブサイトに被告物件が掲載されていた以上,被告物件について,「譲渡
の申出」がなされていることは,何ら減殺されるものではない。「譲渡の
申出」が,公然と行わなければならないとか,他の製品と同時に申出ら
れていてはならないなどの制限はないからである。また,「品番や具体
的な仕様が示されていない」としても,ウエブサイトの掲載が端緒とな
り,顧客が日本企業の場合は日本国内で会合(協議・打合せ)がもたれ,
その過程で被告物件の譲渡の申出がなされることは,通常予想されるこ
とである。
(ウ)以上の事情に加えて,被告物件は,我が国の国内企業である●●●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●(以下「●●●●●●●」とい
う。)のDVDマルチドライブに採用されており,当該事実は,被控訴人
が,日本国内にある●●●●●●●の担当部署に対し,被告物件の譲
渡の申出行為を行ったことを示す明確な証拠である。
すなわち,被告物件は,国内企業である●●●●●●●が製造販売す
るDVDマルチドライブ(以下「●●●●●●●製マルチドライブ」とい
う。)に搭載されている。そして,被告物件は,「モータ」単体ではなく,
●●●●●●●製マルチドライブに搭載するための基板,モータを制御
するための電子回路,他の部品と接続するためのコネクタなどが一体と
なった,●●●●●●●製マルチドライブ専用製品である。また,●●
●●●●●と同様に我が国の国内企業で同じく最終製品メーカである
●●●●●●●●●(以下「●●●●●●」という。)製マルチドライブや
●●●●●●●●●(以下「●●●●●●」という。)製マルチドライブに
も,被告物件とは基板形状等が異なるスピンドルモータが採用されてい
る。
したがって,被告物件は,単に受発注のみで売買される汎用製品では
なく,●●●●●●●マルチドライブに搭載するため,その要求する仕
様に適合させる必要から,●●●●●●●との間で,長期間の協議・打
合せが必要となる製品である。言い換えれば,●●●●●●●(顧客)に
対し,被告物件の購入を決断させるための協議・打合せ(「譲渡の申出」)
を,日本国内にある●●●●●●●の購入担当部署で直接行う必要があ
る製品である。
(エ)以下,●●●●●●●と同じ最終製品メーカである●●●●●●が部
品を導入するプロセスを具体的に説明するが,●●●●●●●において
も当該プロセスは同様である。
①●●●●●●(顧客)が,部品メーカ(控訴人及び被控訴人)に対して最
終製品の概略仕様を示し,部品を提供できるかを打診する段階
②部品メーカが,●●●●●●に対しサンプルを提出等し,要求され
る仕様に適合させるべく協議・打合せをし,●●●●●●の検証を受
ける段階
③詳細な仕様が決まり,●●●●●●が部品としての採用を決定する
段階
④部品メーカが部品を製造し,納入する段階
前記②の段階は,いわゆる合い見積もりの段階であり,●●●●●●
が当該部品メーカから部品を購入するかどうかは決定されていない。す
なわち,前記②の段階では,部品メーカは,●●●●●●に対して,自
社が供給できる具体的な製品仕様を提示し,販売を申し出ているのであ
る。よって,前記②の段階は,「譲渡の申出」に該当する。
そして,●●●●●●では,前記②の段階のサンプル提供や協議・打
合せは,海外ではなく,日本国内の資材購入担当部門が一手に行ってい
る。すなわち,前記譲渡の申出は,日本国内で行われているのである。
さらに,上記●●●●●●の購入プロセスは,被告物件においても同
様であり,また,DVDマルチドライブの製造をしている他の日本企業(例
えば,●●●●●●等)でも同様である。
(オ)以上のとおり,●●●●●●等において,被告物件の「譲渡等の申出」
がなされ,また,原判決別紙物件目録4記載のモータを組み込む被告物
件の「譲渡等の申出」が,将来もなされる可能性が極めて大きいことも明
らかである。
よって,●●●●●●(本店所在地●●●),●●●●●●(同●
●●),●●●●●●●(同●●●)が不法行為地である。
(2)特段の事情
我が国の国際裁判管轄を否定すべき特段の事情はない。むしろ,我が国の
裁判管轄を肯定する方が条理に適合する。
すなわち,訴訟物たる本件特許権に基づく本件差止請求及び本件損害賠償
請求の準拠法は日本法であり,被控訴人のモータを組み込んだDVDは日本
国内に流通していること,また,被控訴人は日本語のホームページを開設し,
被告物件と同一分野の製品及び購買に関する問い合わせを可能としており,
日本国内に事務所又は営業所を置き,仮にそうではないとしても日本語の名
刺を使用する主たる業務担当者が日本国内に在住し,日本国内での事業展開
に係る業務をなしていること,その製品は世界中に流通していることからす
れば,自社製品に対する特許侵害訴訟が日本の裁判所に提起されることは,
被控訴人の予測の範囲内の事項といわざるを得ないし,「譲渡等の申出」に係
る証拠方法は日本国内に集中している。
さらに,被控訴人(2008年当時,売上高4兆2845億ウォン・従業員
数24000名)は,世界企業たるサムスングループに所属する大企業であっ
て,日本における応訴能力は十分にある。
これらの事情からすれば,我が国の裁判所において本件訴訟に応訴するこ
とを被控訴人に求めることは,当事者間の公平,裁判の適正・迅速を期する
という理念に反するとは到底いえないものであり,我が国の国際裁判管轄を
否定すべき特段の事情があるとはいえない。
3被控訴人の当審における主張
(1)民訴法の裁判籍
ア民訴法4条5項(普通裁判籍)
(ア)営業所がないこと
被控訴人は,日本国内に,「営業所」を有していない。甲3の名刺に記
載の住所・電話番号等は,被控訴人の経営顧問であるAの連絡先として
記載されたものにすぎない。控訴人は,上記住所(東京都港区)に本件訴
状が一度送達されたと主張するが,それは,同所に住所を有する日本サ
ムスン社が無権限で誤って受領したものにすぎず,正式な送達として効
力を有するものではない。
なお,裁判権の及ぶ範囲は原則として主権の及ぶ範囲と同一であるか
ら,被告が我が国に住所を有しない外国法人である場合は,その法人が
進んで服するときを除き,我が国の裁判権は及ばないのが原則であるこ
とからすると,営業所の所在を管轄原因として我が国の裁判権に服させ
ることが正当化されるのは,相応の営業所としての実態を有している場
合に限られると解すべきである。そして,経営顧問の連絡先がそのよう
な実態を有するとは解されない。
(イ)代表者その他の主たる業務担当者がいないこと
被控訴人は,日本に「代表者その他の主たる業務担当者」を置いていな
い。被控訴人の経営顧問であるAは,経営諮問をする役割のために顧問
として契約をした者であり,被控訴人の社員又は役員ではない。当然の
ことながら,被告物件を含むモータの営業活動に関与したこともない。
控訴人は,経営顧問は,「被控訴人の日本国内におけるトップ」と主張す
るが,根拠がない。
「業務担当者」とは,「代表者その他の主たる業務担当者」と規定される
以上,各団体の業務執行機関として各団体を代表する権限を有する者を
意味すると解すべきであって,経営諮問を行う顧問はそのような権限を
有する者ではない。
イ民訴法5条1号(義務履行地)
不法行為を理由とする損害賠償請求権の義務履行地として,債権者の住
所地の管轄を認めることはできない。裁判権の及ぶ範囲は,原則として主
権の及ぶ範囲と同一であるから,被告が我が国に住所を有しない外国法人
である場合は,その法人が進んで服するときを除き,我が国の裁判権は及
ばないのが原則であること,不法行為を理由とする損害賠償請求の義務履
行地は,契約によって定められたものではなく被告の予測が不可能である
こと等に照らせば,本件訴えにつき義務履行地としての裁判籍(民訴法5
条1号)を認める余地がないことは明らかというべきである。
また,先の国会(第174回)で審議されていた民事訴訟法改正案におい
ては,「契約において定められた当該債務の履行地が日本国内にあるとき,
又は契約において選択された地の法によれば当該債務の履行地が日本国
内にあるとき」(3条の3第1号)には国際裁判管轄を認めるものの,不法
行為を理由とする損害賠償請求権について,義務履行地(すなわち債権者
所在地)が日本国内にあるとの事実は国際裁判管轄を認める原因とはなら
ないものとされた。これも,現時点で従うべき「条理」を体現するものと評
価すべきである。
ウ民訴法5条9号(不法行為地)
(ア)控訴人は,日本国内で該特許権の実施をしていることを証明すれば
足りると結論付けるが,これは,「我が国において損害が発生したこと
が証明されるのみでは足りず,不法行為の基礎となる客観的事実として
原告が主張する事実,すなわち,本件においては日本国特許権である本
件特許権の侵害事実としての,我が国における被告物件の譲渡の申出の
事実が証明される必要がある」とする限りで妥当な解釈である。
そして,控訴人は,その立証方法として,①ホームページの記載,②
名刺を持った経営顧問の存在,③DVDの仕様に適合させるための調
整・修正等を行っていることが明らかであるとする。
しかし,①につき,甲4の1(被告ホームページ)にはDMBSFC05B/M
及びDMBSFC59Aの記載がないこと,被告物件のうちDMBSFC06M
の品番が掲載されているページは,当該品番のモータの一般的な紹介に
とどまること,「購買に関する問合わせ」(甲8,甲9)は,プルダウンの
選択次第で様々な製品・国に変更ができるものであるから(乙7の1),
特定の品番や具体的な仕様に関する問い合わせではなく,一般的な問い
合わせフォームである。
また,②につき,経営顧問は,我が国において具体的な営業活動を行
う者ではなく,我が国で経営顧問が被告物件の譲渡の申出をしたことも
ない。なお,控訴人が提出した営業本部長の陳述書(甲5,6)について
は,すべて伝聞である上,仮に,被告物件が●●●●●●や●●●●●
●●において,製品(ODD)に搭載すべきか否かの評価の対象になって
いるとしても,それにより我が国において被告物件の譲渡の申出が行わ
れていることが立証されるわけではない。
さらに,③に関しては,以下のとおり,被控訴人は,控訴人主張に係
る行為を日本国内で一切行っていない。
(イ)控訴人は,「日本国内企業である●●●●●●●が製造販売する
DVDマルチドライブ」,すなわち,「●●●●●●●製マルチドライブ」
にDMBSFC05B/M及びDMBSFC06Mが搭載されていると主張する。
しかし,被控訴人は,DMBSFC05B/M及びDMBSFC06M又はそ
の他のモータ製品を●●●●●●●に販売・納入しておらず,●●●●
●●●との間でそのための協議等を行ったこともない。そもそも,「日
本国内企業である●●●●●●●が製造販売するDVDマルチドライ
ブ」など存在しない。DVDマルチドライブの開発・生産・購買等は,●
●●●●●●ではなく,●●●●●●●の完全子会社たる韓国法人(以
下「●●●●●●●●●●●」という。)が行っている。
被控訴人は,●●●●●●●●●●●との間で,韓国において,DMB
SFC05B/M及びDMBSFC06M及びその他のモータ製品についての取
引及び関連する行為を行い,韓国又は第三国において,同製品を引き
渡したが,日本ではいかなる行為も行っていない(乙9の1∼3)。すな
わち,●●●●●●●ではなく,●●●●●●●●●●●が開発・生
産・購買等を担っている以上,控訴人主張の事実はあり得ない。なお,
甲12の陳述書にも,●●●●●●●に関する記述は一切ない。
また,DMBSFC05B/M及びDMBSFC06M及びその他●●●●●
●●●●●●に納入されたモータ製品は,●●●●●●●●●●●がス
ペックを決定した製品を製造しただけであり,格別,日本市場向けに(よ
り具体的には,特に日本市場に向けたDVDマルチドライブに組み込む
部品として),開発・設計・生産されたものではない。●●●●●●●
●●●●製(控訴人の主張によれば「●●●●●●●製」)のDVDマルチ
ドライブが,世界の市場で販売されていることは控訴人が主張するとこ
ろである。被控訴人は,DMBSFC05B/M及びDMBSFC06Mを搭載
したDVDマルチドライブが日本市場に流入することを●●●●●●
●●●●●又は●●●●●●●に対して格別禁じたわけではないが,実
際に日本国内に輸入されたか否かは不知であり,控訴人もその事実を立
証していない。
(ウ)控訴人は,●●●●●●製のDVDマルチドライブにはDMBSFC
59Aが搭載されていると主張する。
確かに,被控訴人は,●●●●●●ブランドで販売されるDVDマル
チドライブに搭載する部品として,第三国において,●●●●●●の指
定する第三者に対して,DMBSFC59Aを納入したことがある。しかし,
●●●●●●が,その企画するマルチドライブに関し,自ら仕様・調達
の決定を日本で行っているとしても,それは控訴人と●●●●●●の行
為が日本で行われているにすぎない。控訴人のような日本のサプライヤ
ーが●●●●●●との商談を日本で行うのは当然であろうが,韓国企業
であって日本に営業所を有しない被控訴人には該当せず,被控訴人は,
●●●●●●に対して,日本国内で譲渡等の申出行為を行っていない
(乙8)。
なお,DMBSFC59A及びその他●●●●●●のDVDマルチドライ
ブ用のモータ製品は,●●●●●●がスペックを決定した製品を製造し
ただけであり,格別,日本市場向けに(より具体的には,日本市場向け
のDVDマルチドライブに組み込む部品として),開発・設計・生産さ
れたものでもない。●●●●●●のDVDマルチドライブが,世界の市
場で販売されていることは控訴人が主張するところである。被控訴人
は,DMBSFC59Aを搭載したDVDマルチドライブ(又は更に当該DVD
ドライブを搭載したパソコン)が日本市場に流入することを●●●●●
●に対して格別禁じたわけではないが,実際に日本国内に輸入されたか
否かは不知であり,控訴人もその事実を立証していない。また,甲11
及び甲13によれば,それらが撮影対象とした●●●●●●製マルチド
ライブは日本語の説明資料が添付された製品であるようだが,当該事実
は,「DXM1347A」(甲11)及び「DXM1313A」(甲13)に搭載されたモー
タが日本向けに開発・設計・生産されたものではないことと矛盾しない。
換言すれば,これらのモータ製品は,甲11及び甲13で撮影対象とし
たDVDマルチドライブのみではなく,他市場向けに●●●●●●が企
画したDVDマルチドライブにも搭載されているはずである。
(エ)控訴人の主張によれば,原判決別紙物件目録4記載のモータは,電
子回路やコネクタ等と一体化される前の同別紙被告物件説明書記載の
構成を有するモータを意味しているとのことであるが,被控訴人は,
そのようなモータについても日本国内で販売の申出行為を行ったこと
はない。
(オ)控訴人は,訴状添付物件目録では,DMBSFC05B/M,DMBSFC
06Mのみを対象の品番として挙げており,被控訴人が答弁書で国際裁
判管轄の欠如を理由に訴え却下を求めたのを見て,一審の途中で訴えの
変更をなし,DMBSFC59Aを対象の品番として追加した。そして,控
訴審における控訴人第1準備書面(平成22年5月31日付け)で初め
て,DMBSFC05B/M,DMBSFC06Mが●●●●●●●のDVDに組
み込まれ,DMBSFC59Aが●●●●●●のDVDに組み込まれている
との主張を明らかにした。この経緯を見ると,訴え提起時に対象の品番
として挙げたDMBSFC05B/M,DMBSFC06Mは,●●●●●●●
ではなく●●●●●●●●●●●が開発・生産・調達をすべて行ってい
ることが判明したため,国際裁判管轄がないと判断されるおそれが高い
ものと危惧し,●●●●●●に関する主張をすることが可能と思われた
DMBSFC59Aを追加してきたものと推測される。しかし,そもそも,
管轄は,訴え提起の時を標準として定める(民訴法15条)から,訴状が
裁判所に提出された時が基準時となる。本来管轄のない訴えについて管
轄(客観的併合を理由とする管轄)を生じさせるための目的で,本来訴訟
を追行する意思のない訴え(より客観的に表現すれば,本案の請求原因
の立証を全く伴わない訴え)を追加的に併合することは,訴権の濫用,
又は訴訟上の信義則に反する行為として許されるべきではないし,当該
追加請求を根拠に管轄を認めるべきではない。
(2)特段の事情
控訴人は,日本国に国際裁判管轄を肯定することが「条理」に適合すると述
べ,その理由として,①被控訴人のモータを組み込んだDVDは日本国内に
流通していること,②ホームページの記載,③名刺の記載,④サムスングル
ープが世界企業であること,を理由とする。
しかし,②③については,上述したとおり,国際裁判管轄を肯定するだけ
の理由とはならない。
また,④についても,世界的な大企業であれば,どの国でも応訴が可能で
あるという「条理」が妥当ではないのは明らかである。
なお,①について,控訴人は,被控訴人のモータを組み込んだDVDが日
本国内で流通していることを掲げるが,この主張は,明らかに妥当でない。
そもそも,控訴人は,あたかも被告物件が,専ら我が国向けに製造され,納
入されている製品であるように述べるが,事実に反する。控訴人は,日本向
けに製品を製造しているものではない。被控訴人が製品を納入する先のメー
カーによって完成された製品が全世界に流通する一環として,我が国にも輸
入されている可能性を一切否定することが困難なだけである。このような被
告物件につき,「条理」に基づいて国際裁判管轄があると認められるべきでは
ない。
第4当裁判所の判断
当裁判所は,原判決と異なり,我が国の裁判所に国際裁判管轄があると判断
する。その理由は,以下のとおりである。
1本件における判断基準
(1)本件訴えは,前記のとおり,日本法人で肩書地(京都市)に本店を有する控
訴人(一審原告)が大韓民国法人で肩書地(大韓民国京畿道水原市)に本店を有
する被控訴人(一審被告)に対し,控訴人の有する日本特許権に基づき,①特
許法100条1項に基づく被告物件の譲渡の申出の差止め,及び②不法行為
に基づく損害賠償金300万円と平成20年10月14日から支払済みまで
年5分の割合による遅延損害金の支払を,各求める請求であり,一審被告た
る被控訴人は,上記訴えにつき,日本の裁判所に国際裁判管轄があることを
争っている。
(2)ところで,日本国裁判所たる当裁判所が審理判断するに当たり,本件のよ
うな渉外的要素を含む事件に我が国の国際裁判管轄を肯定すべきかどうかは,
これに関する我が国の成文の法律や国際的慣習法が認められない現時点(口
頭弁論終結時たる平成22年7月7日)においては,当事者間の公平や裁判の
適正・迅速の理念により,条理に従って決定するのが相当と解される(日本の
裁判所の管轄権に関する民訴法の改正案が先の国会に提出されたことは当裁
判所に顕著であるが,未だ成立に至っていない)。
そして,上記条理の内容としては,我が国の民訴法の規定する国内裁判籍
のいずれかが我が国内にあるときは,原則として,我が国の裁判所に提起さ
れた訴訟事件につき,被告を我が国の裁判権に服させるのが相当であるが,
我が国で裁判を行うことが当事者間の公平,裁判の適正・迅速を期するとい
う理念に反する特段の事情があると認められる場合には,我が国の国際裁判
管轄を否定すべきものと解される(最高裁昭和56年10月16日第二小法
廷判決・民集35巻7号1224頁,同平成9年11月11日第三小法廷判
決・民集51巻10号4055頁等参照)。
(3)一方,本件訴えは,前記のとおり,①特許権に基づく差止請求及び②不法
行為に基づく損害賠償請求であり,これらは特許権又は金銭債権という財産
権上の訴えであるが,これらについて,国内管轄に関する民訴法5条(財産権
上の訴え等についての管轄)との関係を検討すると,次のとおりである。
すなわち,上記②の不法行為に基づく損害賠償請求は,その文言解釈とし
て民訴法5条9号にいう「不法行為に関する訴え」に該当することは明らかで
あり,また,①の特許権に基づく差止請求は,被控訴人(一審被告)の違法な
侵害行為により控訴人(一審原告)の特許権という権利利益が侵害され又はそ
のおそれがあることを理由とするものであって,その紛争の実態は不法行為
に基づく損害賠償請求の場合と実質的に異なるものではないことから,裁判
管轄という観点からみると,民訴法5条9号にいう「不法行為に関する訴え」
に含まれるものと解される(最高裁平成16年4月8日第一小法廷決定・民集
58巻4号825頁参照)。
そして,本件訴えの国際裁判管轄の有無に関して斟酌される民訴法5条9
号の適用において,不法行為に関する訴えについて管轄する地は「不法行為が
あった地」とされているが,この「不法行為があった地」とは,加害行為が行わ
れた地(「加害行為地」)と結果が発生した地(「結果発生地」)の双方が含まれる
と解されるところ,本件訴えにおいて控訴人(一審原告)が侵害されたと主張
する権利は日本特許第3502266号であるから,不法行為に該当すると
して控訴人が主張する,被控訴人(一審被告)による「譲渡の申出行為」につい
て,申出の発信行為又はその受領という結果の発生が客観的事実関係として
日本国内においてなされたか否かにより,日本の国際裁判管轄の有無が決せ
られることになると解するのが相当である。
(4)そこで,以上の見地に立って,以下,本件訴訟について検討する。
2被控訴人による譲渡申出の有無
(1)証拠(甲3∼13,乙3,7及び9。枝番号の書証を含む。)及び弁論の全
趣旨によれば,本件における事実関係は以下のとおりであったことが認められ
る。
アウエブサイトにおける記載
被控訴人(一審被告)は,本件訴え提起時点(平成20年7月30日)で閲覧
可能なウエブサイト(英語表記)を開設し,当該ウエブサイトにおいて「P
roduct」として「SlimODDMotor」(スリムオプティカルディスクドライブ
モータ)を紹介するウエブページ(甲4−1−1)を設け,同ページの「Part
NumberList」の項目を選択すると,被告物件の一つである「DMBSFC0
6M」の品番のモータが掲載されているウエブページ(甲4−1−2)が表示
され,当該品番のモータの定格電流,定格電圧,騒音及び振動が示されてい
る(ただし,被控訴人は,原審における口頭弁論終結時(平成21年9月29
日)までに「PartNumberList」の項目を削除した(乙3))。
また,同サイトにおいて「Contact」を選択した後,製品一覧が表示される
ウエブページ(甲4−3)には,「SlimODDMotor」欄の「SalesInquiry」(販売問
合せ)として,「Korea」「China」とともに「Japan」(日本)も掲げられており,同
じく「Contact」を選択した後の「OverseasNetwork」(海外ネットワーク)を示
したページ(甲4−4)には,「SalesHeadquarter」(販売本部)として,「Japan」(日
本)が示され,その住所として「東京都港区」が掲載されるとともに,電話,
Fax番号も示されている。
さらに,被控訴人が開設している日本語表記のウエブサイトにおいても,
「SlimODDMotor」を紹介するウエブページ(甲7)が存在し,同ページの「購
買に関するお問合せ」の項目を選択すると,「Section」欄に「Sales」と表記され
た「SlimODDMotor」の販売に係る問い合わせフォーム(甲8)が表示され,サ
イトの閲覧者が被控訴人の製造する「SlimODDMotor」の販売に係る問合せ
フォームを作成することが可能となる。なお,同ページの「製品に関するお
問合せ」の項目を選択すると,「Section」欄に「Tech」と表記された「SlimODD
Motor」の製品に係る問い合わせフォーム(甲9)が表示される。同サイトの海
外事業場を紹介するウエブページ(甲10)においては,日本における販売法
人として東京と大阪が掲載され,その住所,代表電話及びFax番号が示さ
れている(ただし,これらの記載は,東京と大阪の住所等が反対となってお
り,これらの記載により実際に販売法人が設置されていることが裏付けられ
るものではない。なお,同法人の記載は日本サムスン社のものと認められる。
弁論の全趣旨)。
イ控訴人営業部長の陳述
控訴人営業部長であるBは,その陳述書(甲5)において,被控訴人の営業
担当者が日本サムスン社の営業担当者とともにODDモータについて我が国
で営業活動を行っており,また,被告物件が●●●●●●や●●●●●●●
において,製品(ODD)に搭載すべきか否かの評価の対象になっている旨陳
述する。
ウ被控訴人の経営顧問の名刺
被控訴人の経営顧問であることにつき争いのないAについて,下記のとお
り,被控訴人の「経営顧問」の肩書と被告控訴人の会社名及び「東京都港区」
の住所を日本語で表記し,電話番号及びFax番号を記載した同人の名刺(甲
3)が作成されている。

(表)
名刺省略
(裏)
名刺省略
エ被告物件の流通
被告物件のうちDMBSFC59Aの品番のモータを搭載したDVDマルチド
ライブは,●●●●●●により製造販売され,その一部は我が国において流
通している可能性が高い(弁論の全趣旨)。
また,被告物件のうちDMBSFC05B/M又はDMBSFC06Mの品番のモ
ータを搭載したDVDマルチドライブは,●●●●●●●又はその子会社で
ある●●●●●●●●●●●により製造販売され,その一部は我が国におい
て流通する可能性がある(乙9,弁論の全趣旨)。
(2)ア以上の認定事実,すなわち,被控訴人が英語表記のウエブサイトを開設
し,製品として被告物件の一つを掲載するとともに,「SalesInquiry」(販売問
合せ)として「Japan」(日本)を掲げ,「SalesHeadquarter」(販売本部)として,日
本の拠点(東京都港区)の住所,電話,Fax番号が掲載されていること,日本
語表記のウエブサイトにおいても,「SlimODDMotor」を紹介するウエブペー
ジが存在し,同ページの「購買に関するお問合せ」の項目を選択すると,「Slim
ODDMotor」の販売に係る問い合わせフォームを作成することが可能である
こと,控訴人営業部長が,被控訴人の営業担当者がODDモータについて我
が国で営業活動を行っており,被告物件が●●●●●●や●●●●●●●に
おいて,製品(ODD)に搭載すべきか否かの評価の対象になっている旨陳述
書で述べていること,被控訴人の経営顧問Aが,その肩書と被控訴人の会社
名及び東京都港区の住所を日本語で表記した名刺を作成使用していること,
被告物件の一つを搭載したDVDマルチドライブが国内メーカーにより製造
販売され,国内に流通している可能性が高いことなどを総合的に評価すれば,
控訴人が不法行為と主張する被告物件の譲渡の申出行為について,被控訴人
による申出の発信行為又はその受領という結果が,我が国において生じたも
のと認めるのが相当である。
イ被控訴人は,上記認定に対し,英語表記のウエブサイトにはDMBSFC
05B/M及びDMBSFC59Aの記載がないこと,被告物件のうちDMBSFC
06Mの品番が掲載されているページは,当該品番のモータの一般的な紹介
にとどまること,「購買に関する問合わせ」は,プルダウンの選択次第で様々
な製品・国に変更ができるものであるから,特定の品番や具体的な仕様に関
する問い合わせではなく,一般的な問い合わせフォームであることなどを指
摘し,譲渡の申出を行っていない旨を主張する。
しかし,我が国における当該サイトの閲覧者は,英語表記のウエブサイト
により,少なくとも被告物件の一つについての製品の仕様内容を認識し,日
本所在の販売本部の住所等を知り得るだけでなく,日本語表記のウエブサイ
トにおいても,「SlimODDMotor」の製品紹介を見て,「購買に関するお問合
せ」の項目を選択し,「SlimODDMotor」の販売に係る問合せフォームを作成
することが可能なのであるから,これらのウエブサイトの開設自体が被控訴
人による「譲渡の申出行為」と解する余地がある。当該頁中のプルダウンの選
択次第で製品が変更ができることや製品を表示した英語表記のウエブサイ
トと販売の問い合わせフォームを作成できる日本語表記のウエブサイトと
が直接リンクしていないことは,上記認定を左右するものではないから,被
控訴人の上記主張を採用することはできない。
また,被控訴人は,控訴人の営業本部長の陳述書につき,伝聞である上,
仮に被告物件が●●●●●●や●●●●●●●において,製品(ODD)に搭
載すべきか否かの評価の対象になっているとしても,それにより我が国にお
いて被告物件の譲渡の申出が行われていることが立証できたわけではない
とし,また,被控訴人の経営顧問について,我が国において具体的な営業活
動を行う者ではなく,我が国で経営顧問が被告物件の譲渡の申出をしたこと
もないと主張する。
確かに,営業本部長の陳述書の記載内容や被控訴人の経営顧問について日
本語表記の名刺が存在することは,それにより直ちに我が国において被控訴
人が被告物件の譲渡の申出を行っていたことを立証するものではないが,前
示のとおり,他の客観的事実と併せ総合的に評価すれば,国際裁判管轄を肯
定する前提としての我が国における被告物件について譲渡の申出の発信行
為又はその受領という結果の発生を裏付けるものといえるから,被控訴人の
上記主張は採用することができない。
3特段の事情の有無
進んで,前記1(2)にいう特段の事情の有無について検討する。
本件請求は,我が国に所在し日本法人である控訴人が,日本国特許権である
本件特許権に基づいて,裁判を受ける権利の行使として,我が国において被控
訴人が被告物件の譲渡の申出を行うことの差止めと損害賠償を求めているので
あり,その準拠法も本件特許権の登録国法である日本国特許法になると解され
る(最高裁平成14年9月26日第一小法廷判決・民集56巻7号1551頁参
照)。したがって,我が国の裁判所が,本件請求を審理判断することは,裁判の
適正・迅速を期する理念に沿うものといえるのに対し,控訴人が被控訴人の本
店が存する大韓民国において差止請求等を提起したとしても,上記認定事実に
鑑みれば,同国の裁判所が国際裁判管轄を肯定する可能性は必ずしも高くはな
いものと解される。
他方,被控訴人は,東京都において販売の拠点を設けそのことを自らウエブ
サイトにおいて開示するとともに,英語表記のウエブサイトにおいて被告物件
について製品紹介を行い,当該製品が日本にも流通していることを認識してい
るだけでなく,日本語表記のウエブサイトにおいて被告物件を含むODDモー
タの購入問い合わせを可能としているのであるから,当該物件に関して我が国
において侵害訴訟等が提起されることは予想の範囲内のことということもでき
る。さらに,被控訴人は,全世界に展開する大韓民国屈指の大企業であるサム
スングループに所属する企業であって,自らも海外に多数の支店を設けている
(甲4−4,甲10,弁論の全趣旨)。
これらの事情からすれば,我が国の裁判所において本件請求に応訴すること
を被控訴人に求めることは,当事者間の公平,裁判の適正・迅速を期するとい
う理念に反するとはいえないものであり,国際社会における裁判機能の分配の
観点からみても,我が国の裁判権の行使を正当とするに十分な法的関連性があ
るから,我が国の国際裁判管轄を否定すべき特段の事情があると認めることは
できない。
4結論
以上のとおり,本件訴えについては,本件差止請求及び本件損害賠償請求の
いずれについても,我が国の裁判所に国際裁判管轄を肯定すべきものである。
よって,これと結論を異にして本件訴えを不適法として却下した原判決を取
り消すこととし,第一審裁判所において控訴人の請求の当否を判断させるため,
民訴法307条により本件を大阪地裁に差し戻すこととして,主文のとおり判
決する。
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官中野哲弘
裁判官清水節
裁判官古谷健二郎

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