弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人嶋村富士美、同佐々木茂、同鈴江辰男の上告理由第一について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当とし
て是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用することがで
きない。
 同第二について
 法人税法(以下「法」という。)八一条所定のいわゆる欠損金の繰戻しによる還
付所得事業年度(以下「前年度」という。)の法人税の還付の制度においては、欠
損金の繰戻しにより前年度の法人税の還付を請求するかどうか、また、請求すると
してもいかなる金額の範囲で欠損金の繰戻しを行うかが納税者である当該法人の選
択に委ねられている一方、その選択の時期は、欠損事業年度の確定申告書の提出期
限内における当該申告書の提出と同時でなければならないものと定められている(
法八一条一項、五項、六項)。また、繰戻しによる還付金額の計算の基礎とされた
欠損金額は、法五七条所定の繰越控除の対象から除外されることとなるのである(
同条一項本文かつこ書)。そこで、納税者が、欠損事業年度の法人税について欠損
の確定申告をすると同時に、欠損金の繰戻しによる前年度の法人税の還付請求をし
たのに対し、右申告に係る欠損金額の一部が否認され、欠損金額を減額する更正処
分を受けるとともに、その還付請求の一部に理由がない旨の通知処分を受けた場合
において、当該納税者が欠損金の繰戻しによる還付金の請求を維持しようとすると
きは、右更正処分に対する不服申立とは別に、右通知処分に対しても不服申立をし
なければならないものであることは当然というべきである。けだし、両者はそれぞ
れその目的及び効果を異にする別個の処分であり、右更正処分の取消請求は、欠損
事業年度の欠損金額の確定を争うものにすぎず、単に右更正処分のみを争うときは、
その取消しの効果として次年度以降の繰越欠損金額に影響を及ぼすにとどまるもの
であつて、欠損事業年度の欠損金額を前年度に繰り戻す効果を生ずるものではない
からである。
 したがつて、右の更正処分と通知処分とは、その基礎となつた事実関係が共通で
あるとしても、後者は前者の処分に付随する処分であると解することのできないも
のであり、右両者に対する納税者の不服の事由が同一であつて前者の処分について
適法に不服申立手続が採られているからといつて、後者の処分に対する不服申立の
前置を不要と解することはできず、また、同処分に対する不服申立を経ないことに
つき国税通則法一一五条一項三号にいう正当な理由があると解することも相当でな
い。これと同旨の見解に立つて、原審における追加的変更申立に係る本件通知処分
取消しの訴えを不適法として却下した原審の判断は、結論において正当であつて、
原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官
全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    藤   崎   萬   里
            裁判官    谷   口   正   孝
            裁判官    和   田   誠   一
            裁判官    角   田   禮 次 郎
            裁判官    矢   口   洪   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛