弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 弁護人村田善一郎の上告趣意第一点について。
 所論証人A、B、Cに対する訊問調書は原判決がこれを証拠としていないのであ
るから、仮りに右訊問手続に瑕疵があつたとしても、原判決を違法ならしむるもの
ではない。
 所論Dに対しては、第一審裁判所は昭和二二年一一月二一日附決定をもつて同人
を証人として訊問する、右訊問については、昭和二二年一一月二三日の検証当日受
命裁判官をしてこれを為さしめる旨の証拠決定をしたことは記録上明白であるから、
同人に対して証拠決定なくして証拠調をした違法があるとの論旨は採るに足りない。
 次に同裁判所が受命裁判官をして検証現場に於て証人を訊問せしめると決定した
のに、受命裁判官判事豊川博雅は、五所川原警察署飯詰駐在所で証人F、Dを訊問
したことは所論のとおりである。しかしながら、右駐在所が、検証現場の附近程遠
からぬところにあることは記録上窺われるところであり、受命裁判官が証拠決定を
施行するに当つては「検証現場」のいずれの地点において証人調を行うかを決する
ことは、もとよりその権限に属するところであつて、さらに現場附近最寄りの駐在
所で証人調を行うがごときことも、該決定の趣旨に反しないかぎり、天候、環境、
その他証拠調べの都合等を考慮して受命裁判官が自由に裁量し得べき権限に包含せ
られるものと云わなければならない。しかして、前記受命裁判官の駐在所における
証人訊問は証拠決定の趣旨に反するものとは認められないばかりでなく、右訊問に
ついてはこれに立会つた検察官も、弁護人も何ら異議を述べず、又右訊問調書が原
審公判において、証拠調を施行せられた際にも、被告人からも、弁護人からも、異
議を述べた形跡のないことは記録上明白である。従つて原審が右調書を証拠とした
ことに所論のような違法はないのである。
 同第二点について。
 所論検証並びに証人訊問については、その施行の日時場所が適法に弁護人に告知
せられ、かつ、その施行にあたつては終始弁護人が立会つたことは記録上明らかで
ある。右期日、場所が直接被告人に通知せられたことは、記録上認められないけれ
ども、被告人は、現に、右検証には、全部立会つたこと、及び右証人訊問は検証に
引き続いて、その検証現場附近程遠からぬ場所で行われたことは、また記録上明白
である。しかして、右証人訊問に際して立会の弁護人から、被告人に対する通知に
関して、異議を述べた事跡もなく又原審が右訊問調書について公判において証拠調
を施行した際にも、弁護人からも、被告人からも何ら異議を述べた事実は認められ
ない。しからば、原判決が右調書を証拠としたことについて、所論のような違法あ
るものとすることはできない。(昭和二三年(れ)第一〇五四号同年九月二二日大
法廷判決参照)
 同第三点及び第四点について。
 所論原審の各公判調書に、被告人の氏名として、「G外五名」と記載されている
ことは所論のとおりである。しかしながら右記載は本件被告人六名を指称するもの
であることは、記録全体を通じて理解し得るところである。所論は畢竟、右記載を
以てしては、何人を指称するか不明であるとの前提に立つて、原審の公判手続の違
法を主張するものであるが、その理由のないことは前述するところによつて明らか
である。
 同第五点について。
 所論公判廷には、裁判長裁判官小山章、裁判官村上武の外裁判官今泉勘七が列席
したことは、同公判調書の記載によつて知ることができる。(同公判調書の記載は
明確を欠く憾はあるけれども、今泉勘七と判読できないことはない)又上欄訂正字
数の三は四の誤記であること明瞭である。論旨は理由がない。
 よつて刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は全裁判官一致の意見である。
 検察官 小幡勇三郎関与
  昭和二五年四月一四日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎

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