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平成26年12月18日判決言渡
平成26年(行ケ)第10059号審決取消請求事件
口頭弁論終結日平成26年12月4日
判決
原告ユーロ-セルティックエス.ア.
訴訟代理人弁理士恩田誠
同恩田博宣
同中嶋恭久
同小林徳夫
同本田淳
同中村美樹
被告特許庁長官
指定代理人渕野留香
同内田淳子
同板谷一弘
同内山進
主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
3この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定め
る。
事実及び理由
第1請求
特許庁が不服2011-14812号事件について平成25年10月18日
にした審決を取り消す。
第2事案の概要
1特許庁における手続の経緯等(当事者間に争いがない。)
原告は,発明の名称を「ヨードホールを含有する乾燥リポソーム製薬組成物
を含むパッケージ及び同組成物を適用する方法」とする発明について,平成1
6年4月26日に特許出願(特願2004-129590号(パリ条約による
優先権主張2003年5月19日)。以下「本願」という。平成22年11
月15日付け手続補正後の請求項の数は17である。)をしたが,平成23年
3月3日付け(同月8日発送)で拒絶査定を受けたので,同年7月8日,これ
に対する不服の審判を請求した。
特許庁は,この審判請求を,不服2011-14812号事件として審理し
た結果,平成25年10月18日,「本件審判の請求は,成り立たない。」と
の審決をし,同審決の謄本を,同年11月5日,原告に送達した。
原告は,平成26年3月4日,上記審決の取消しを求めて本件訴えを提起し
た。
2特許請求の範囲
前記手続補正後の本願の特許請求の範囲における請求項1の記載は次のとお
りである(甲4。この請求項に係る発明を,以下「本願発明」という。また,
同手続補正後の本願の明細書を,以下「本願明細書」という。)。
【請求項1】
プラスチック材料,紙又は厚紙製のパッケージ中に,ヨードホールを含有する
乾燥リポソーム製薬組成物を含む,保存安定性を備えたパッケージ。
3審決の理由
別紙審決書写しのとおりである。要するに,本願発明は,特表2002-
516265号公報(以下「引用例1」という。)及び特開平10-109
938号公報(以下「引用例2」という。)に記載の発明に基づいて当業者
が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定
により特許を受けることができず,したがって,本願は,その余の請求項に
係る発明について論及するまでもなく拒絶すべきであるというものである。
審決が,上記結論を導くに当たり認定した,引用例1に記載の発明(以下
「引用例1発明」という。)の内容,本願発明と引用例1発明との間の一致
点及び相違点は,次のとおりである。
ア引用例1発明の内容
「使用時に水を添加することで,上気道及び/又は耳に適用するための医
薬製剤として再構築される,粒状担体であるリポソームとポビドンヨード
を含有する凍結乾燥させたリポソーム固体。」
イ一致点
「(使用時に水(媒体)を添加することで医薬製剤として再構築され
る,)ヨードホールを含有する乾燥リポソーム製薬組成物」である点。
ウ相違点
本願発明では,乾燥リポソーム製薬組成物を,(A)「プラスチック材
料製のパッケージ中に」,かつ,(B)「保存安定性を備えたパッケー
ジ」に含む(保存する)ことが特定されているのに対し,引用例1発明で
はこのような特定はされていない点。
第3原告の主張
審決には,相違点の認定の誤り(取消事由1),相違点(A)に係る容易想
到性の判断の誤り(取消事由2)及び相違点(B)に係る判断の誤り(取消事
由3)があり,これらはいずれも審決の結論に影響するものであるから,審決
は取り消されるべきである。
1取消事由1(相違点の認定の誤り)
本願発明は,「プラスチック材料,紙又は厚紙製のパッケージ」という発明
特定事項を有している。そして,本願発明と引用発明との一致点及び相違点を
認定する際には,全ての発明特定事項を考慮する必要があるから,本願発明と
引用例1発明との相違点は,次のとおりに認定すべきであり,これと異なる審
決の認定は誤りである。
「本願発明では,乾燥リポソーム製薬組成物を,(A)「プラスチック材料,
紙又は厚紙製のパッケージ中に」,かつ,(B)「保存安定性を備えたパッケ
ージ」に含む(保存する)ことが特定されているのに対し,引用例1発明では
このような特定はされていない点。」
2取消事由2(相違点(A)に係る容易想到性の判断の誤り)
審決は,引用例1発明に引用例2の知見を勘案して,相違点(A)に係る本
願発明の構成とすることは,当業者にとって容易想到である旨判断したが,こ
の審決の判断は,事後的な分析によるものであり,誤りである。
以下の点によれば,本願発明に係るヨードホール含有乾燥リポソーム製薬組
成物を「プラスチック材料,紙又は厚紙製のパッケージ中に」保存するものと
することに想到することは,当業者であっても困難である。
引用例1には,ヨードホール含有乾燥リポソーム製薬組成物を長期間にわ
たり保存することに関しては示唆すらされておらず,ましてや,「プラスチ
ック材料,紙又は厚紙製のパッケージ」に入れて保存することに関する示唆
もない。すなわち,引用例1には,本願発明の解決課題及び解決手段につい
て,開示も示唆もされていない。
引用例2によれば,ポビドンヨード粉末を,例えば遮光・色付きではない
合成樹脂容器に保存し得るといった技術事項については把握し得たとしても,
本願発明の「プラスチック材料,紙又は厚紙製のパッケージ」に対する反応
性については開示も示唆もされていないし,特に,「紙又は厚紙製のパッケ
ージ」は,引用例2に記載された合成樹脂に含まれず,引用例2において開
示も示唆も全くされていないから,引用例2に基づいて,ガラス製ではない
「プラスチック材料,紙又は厚紙製のパッケージ」に想到するように動機付
けられることはない。
引用例2に開示されている製剤はポビドンヨード粉末であり,ヨードホー
ル含有乾燥リポソーム製薬組成物とは全く異なる性質を有する。すなわち,
引用例2に記載のポビドンヨード粉末を含有する製剤は,賦形剤(基材)と
して高粘度の高分子化合物を使用しており,このような粘性を有する製剤と
なる引用例2に記載の製剤と乾燥リポソーム製剤とは,その性質が異なり,
その保存条件等も相違する。
ポビドンヨード粉末とヨードホール含有乾燥リポソーム製薬組成物が同様
の性質を有すること,また,乾燥状態にあるリポソームの保存安定性とヨー
ドホール含有乾燥リポソーム製薬組成物の保存安定性が同様であることに,
いずれも技術的根拠がない以上,たとえ,当業者が,引用例2に基づき,ポ
ビドンヨード粉末が合成樹脂容器に保存可能であることを理解できたとして
も,ヨードホール含有乾燥リポソーム製薬組成物についても合成樹脂容器に
保存可能であるとは認識できず,ましては,その場合に,長期の保存が可能
であるとは認識できない。
加えて,引用例1の実施態様例における「容器」の原語は「vial」す
なわち「ガラス瓶」であるから,引用例1に接した当業者は,引用例1の乾
燥リポソーム組成物が最終的にガラス瓶に保存され得ると認識でき,このよ
うな最終製剤の保存形態を変更するように,引用例2に接した当業者が動機
付けられることはない。
したがって,当業者には,引用例1発明のヨードホール含有乾燥リポソー
ム製薬組成物の保存容器として,プラスチック材料を使用する動機付けはな
い。
本願の優先権主張日(以下「本願優先日」という。)当時の当業者の技術
常識を示す先行技術文献である欧州特許出願公開第0371283号明細書
(以下「甲5文献」という。)及びこれに対応する特開平2―213348
号公報(以下「甲6文献」という。)は,ヨードホールの安定性を有する製
剤を得るべく,乾燥リポソームの形態に変更するという技術事項を何ら教示
しておらず,むしろ,ヨードホールの安定性を得るべく余剰なヨウ素を使用
するという,本願発明の解決手段から遠ざける示唆をしている。
3取消事由3(相違点(B)に係る判断の誤り)
審決は,本願明細書の記載に基づき,「本願発明では,ヨードホール含有調
製物が,乾燥粒状の形態にて提供されることにより,保存安定性の問題が解決
されている。」と認定し,この認定に基づき,本願明細書に記載された「乾燥
粒状ヨードホール含有組成物,特に凍結乾燥組成物」に相当する引用例1発明
の「粒状担体であるリポソームとポビドンヨードを含有する凍結乾燥されたリ
ポソーム固体」は,本願発明の「保存安定性を備えた」なる発明特定事項を満
足するといえ,これは,保存するためのパッケージの素材によらないとして,
相違点(B)は実質的な相違点ではないと判断した。
しかるに,本願発明の認定は,特許請求の範囲の記載に基づいて行われるべ
きである。本願発明における保存安定性に関する審決の上記認定は,特許請求
の範囲の記載に基づいておらず,事後的な分析によるものであり,失当である。
また,審決は,引用例2の記載に接した当業者は,引用例1発明について,
「製剤中のポビドンヨードが乾燥された状態で存在することから,溶液状で存
在する場合のような不活性化の問題がなく,長期の保存が可能であることを認
識できる」と指摘したが,引用例2に記載の製剤と乾燥リポソーム製剤とでは
その性質が異なり,保存条件等も相違するから,審決の上記指摘は失当である。
以上によれば,引用例1及び2に基づき,相違点(B)は実質的な相違点で
はないと判断することはできず,審決のかかる判断は誤りである。
第4被告の主張
1取消事由1について
本願発明は,請求項1に記載のとおり,パッケージがプラスチック材料製で
ある場合の発明,紙製である場合の発明,厚紙製である場合の発明のいずれで
あってもよく,審決は,パッケージがプラスチック材料製である場合の本願発
明と引用例1発明とを対比したから,審決の相違点の認定に誤りはない。
2取消事由2について
以下の点によれば,相違点(A)に係る本願発明の構成が引用例1及び2に
記載の発明から容易想到である旨の審決の判断に誤りはない。
医薬分野において,長期保存安定性に優れた薬剤を得ることは当業者が当
然考慮する事項にすぎないこと,その際に,医薬品の保存容器について検討
することも当業者が当然に行うことであることは,技術常識である。
そして,引用例1発明のポビドンヨード含有乾燥リポソーム製薬組成物に
ついても,より長期保存安定性に優れた薬剤とすること,その際に,保存容
器について検討することも,当業者が当然行うことである。
引用例2の記載からは,乾燥した固形形態のポビドンヨード粉末の場合に
は,合成樹脂容器に保存できること,パッケージ中で長期に保存できること
を認識できる。
そして,引用例2の記載に接した当業者は,引用例1発明のポビドンヨー
ド含有乾燥リポソーム製薬組成物は,ポビドンヨードが乾燥された固体状態
で含有されるものであることから,引用例2のポビドンヨード粉末の場合と
同様に,合成樹脂容器が適用できることを理解できるし,その場合には,溶
液状ではないことから,ポビドンヨードの溶液状態での保存中に生じる不活
性化等の問題もなく,引用例2のポビドンヨード粉末の場合と同様に,長期
保存が可能であることを認識できるといえる。
実際,リポソームは本願優先日当時によく知られた薬剤担体であり,乾燥
された固体状態のリポソームが保存安定性に問題がないことも医薬分野にお
いて周知の事項であった。
よって,引用例2の記載に接した当業者は,引用例1発明のポビドンヨー
ド含有乾燥リポソーム製薬組成物についても合成樹脂製の容器が使用可能で
あり,その場合に長期の保存が可能であると認識できるといえる。
引用例2に記載の製剤は,賦形剤(基材)として高粘度の高分子化合物を
使用するものであるが,本願発明の乾燥リポソーム製薬組成物は,本願明細
書によれば,使用時にポビドンヨード粉末とゲル形成物質等の媒体を混合し
て,ハイドロゲル製剤のような粘性を有する製剤として調製できるものであ
るから,引用例2の製剤と同様の性質を有するものといえる。
よって,粘性を有する製剤となる点で引用例2のポビドンヨード粉末と本
願発明の乾燥リポソーム製薬組成物とでは性質が異なることを理由に,その
保存条件等が相違するということはできない。
引用例1のポビドンヨード含有乾燥リポソーム製薬組成物には,本願発明
の解決課題とされる,ヨードホール含有調製物が乾燥状態でない場合の保存
安定性等の問題点は存在しない。よって,甲5文献や甲6文献に示される,
ヨードホール溶液の保存安定性を高めるために追加ヨウ化物を使用する手段
が,本願優先日当時の当業者の技術常識であったとしても,そのことが,溶
液形態ではなく乾燥形態である引用例1発明のリポソーム製薬組成物の保存
を,合成樹脂製のパッケージで行う点についての審決の容易想到性の判断に
影響を与えるものではない。
3取消事由3について
審決は,相違点(B)に係る「保存安定性を備えた」なる発明特定事項につ
いて,本願明細書の記載を踏まえて,その技術的意義を理解したものである。
本願発明の特許性の判断に当たり,その正確な理解のため,本願発明の発明特
定事項に関する本願明細書の記載を参酌することが許されるのは当然であり,
このような理解は,いわゆる後知恵(事後的な分析)には当たらない。
そして,審決は,本願発明における「保存安定性を備えた」とは,本願明細
書に,ヨードホール含有調製物が,乾燥粒状の形態にて提供される場合には,
乾燥状態でない場合には該組成物のパッケージ化に適していない素材のパッケ
ージであってもよいとされていることからみて,パッケージの素材にかかわら
ず,ヨードホール含有調製物が乾燥粒状の形態であれば備えている性質である
ことが理解できると判断した。その上で,審決は,乾燥粒状の形態である引用
例1発明のポビドンヨード含有乾燥リポソーム製薬組成物は,本願発明の「保
存安定性を備えた」なる性質を備えているといえ,これは,保存するためのパ
ッケージの素材によらないと判断したものである。
このような「保存安定性を備えた」なる発明特定事項についての審決の理解
に誤りはなく,引用例1発明の「粒状担体であるリポソームとポビドンヨード
を含有する凍結乾燥されたリポソーム固体」がプラスチック製のパッケージに
保存される場合であっても,かかるパッケージは「保存安定性を備えた」もの
といえるから,審決に判断の誤りはない。
また,引用例2に記載の製剤と乾燥リポソーム製剤の保存条件等に相違があ
ることを理由に,審決の指摘を非難する原告の主張が失当であるのは,前記2
第5当裁判所の判断
当裁判所は,原告の主張は理由がないと判断する。その理由は次のとおりで
ある。
1取消事由1について
原告は,本願発明と引用発明との一致点及び相違点を認定する際には,全て
の発明特定事項を考慮する必要があるとして,本願発明と引用例1発明との相
違点(A)は,「プラスチック材料,紙又は厚紙製のパッケージ中に」と認定
すべきであると主張する(前記第3の1)。
この点,特許法49条及び51条の各規定の文言や特許出願分割制度の存在
に照らせば,特許法は,一つの「特許出願について」,その全体につき拒絶査
定か特許査定かのいずれかの行政処分を行うべきことを規定しているものと解
すべきであるから,一つの特許出願に包含された複数の発明のうちの一つにつ
いて特許法29条等の規定により特許を受けることができないときは,これに
よって,当該特許出願に包含された他の発明の特許要件の有無にかかわらず,
当該特許出願全体が特許法49条2号に該当し,拒絶すべきものとなる。かか
る結論は,当該特許出願に包含された複数の請求項のうちの一つの請求項に係
る発明について,特許できないものが存する場合であると,単一の請求項に択
一的な形式によって記載された複数の発明(特許法施行規則25条の8第3項
参照)のうちの一つについて,特許できないものが存する場合であるとを問わ
ない。
本願発明は,パッケージの材質について,「プラスチック材料,紙又は厚紙
製」と択一的に記載しているから,パッケージがプラスチック材料製である場
合,紙製である場合及び厚紙製である場合,という,各々独立した三つの発明
が包含されていると解される。そうすると,そのうち一つの発明について特許
要件を欠く場合は,その余の二つの発明について検討するまでもなく,本願は
全体として拒絶されることとなる。
そして,審決は,本願発明に包含される三つの発明のうち,パッケージがプ
ラスチック材料製である場合の発明について,引用例1発明と対比して相違点
(A)及び(B)を認定し,これらの相違点について検討した結果,当業者が
容易に発明をすることができたとして,本願全体が特許要件を欠くと判断した
ものであり,審決が,本願発明と引用例1発明との相違点の認定に当たって,
パッケージが紙製である場合及び厚紙製である場合の発明をも含めて引用例1
発明と対比しなかったからといって,審決に相違点の認定の誤りがあったとい
うことはできない。
原告は,本願発明と引用発明との一致点及び相違点の認定に当たっては,全
ての発明特定事項を考慮する必要があると主張する。しかしながら,本願発明
のように発明特定事項が択一的な形式によって記載され,それぞれの選択肢毎
に独立した発明が認定できる場合において,そのうちの一つについて特許要件
を欠くことを理由に特許出願全体を拒絶するときには,全ての選択肢を含めて
相違点を認定しなければならないものではないから,原告の上記主張は採用す
ることができない。
2取消事由2について
原告は,引用例1発明に引用例2の知見を勘案して,相違点(A)に係る本
願発明の構成とすることは当業者にとって容易想到である旨の審決の判断は,
事後的な分析によるものであり,誤りであると主張する(前記第3の2)。
そこで,以下に検討する。
引用例の記載内容
ア引用例1(甲1)には,次の記載がある。
「【請求項1】抗炎症剤,特に消毒剤及び/又は創傷治癒促進剤を上気道
及び/又は耳に適用するための医薬製剤の製造方法であって,該製剤が粒
状担体と組み合わせた少なくとも1種の前記薬剤を含有することを特徴と
する前記製造方法。」
「【発明の詳細な説明】

【0007】
本発明の目的は,下気道における活性薬剤の遅延性放出及び遅延性局所
的効果を提供する,十分に耐容性を示し,容易に適用できる抗炎症剤,特
に消毒剤及び/又は創傷治癒促進剤を提供することである。…」
「【0022】
実施態様例からさらに特定の組成物が注目される。
本発明の特徴及び利点は,好ましい態様の後に続く記載から,より詳細
に注目される。最良の形態を含むこれらの態様において,消毒剤としてポ
ビドンヨードが例示され,リポソームが担体として選ばれる。…
本発明のリポソームを製造するための一つの好ましい方法は,一般的に
以下に記載したとおりであり得る。…」
「【0024】
所望の粒度分布を有するリポソームが得られ,それを洗浄すると,しば
しば,サッカロース等の糖又は適当な糖代替物を含有する既述の電解質溶
液中で再分散する。分散物は,凍結乾燥(freeze-dry)することができ,
凍結乾燥(lyophilyse)することができる。使用する前,水を添加し,脂
質成分の転移温度(水素添加大豆レシチンについては,例えば55℃であ
る)で適当な機械的攪拌を加えることにより再構築することもできる。
…」
イ引用例2(甲2)には,次の記載がある。
「【請求項1】ポビドンヨードを主剤として,高粘度の高分子化合物溶液
を基剤とすることを特徴とするHIV,クラミジア,淋菌,トリポネマパ
リヅム及び単純性ヘルペス等のSTD感染予防剤。」
「【請求項14】予め基剤を入れてある柔軟な容器本体と,予め主剤を入
れてある主剤容器とを設けて,該主剤容器を容器本体内に収めてあり,使
用時に該主剤容器を開放して,主剤と基剤とを混合させ,この混合液を該
容器本体に設けたノズルから出せるようにしてある請求項1乃至13のい
ずれかに記載のHIV,クラミジア,淋菌,トリポネマパリヅム及び単純
性ヘルペス等のSTD感染予防剤における主剤と基剤との保存混合装
置。」
「【発明の詳細な説明】

【0007】…ポビドンヨードそのものは紫外線等の光線に触れなければ,
長期間有効に保存できるが,ポビドンヨードはそのまま使用するのは刺激
感が強いので,水溶液等にして使用されている。しかし,一般的に用いら
れている1%ポビドンヨード水溶液は50℃で保存しても,一ヶ月程度で
変質及び不活性化し,現在の販売ルートでは,ポビドンヨード溶液が消費
者に届いたときには,ポビドンヨードの有効性が失われているという問題
点がある。
【0008】本発明は,上記の問題点や課題を解決するために,HIV,
クラミジア,淋菌トリポネマパリヅム及び単純性ヘルペス等の感染を予防
することを目的とするとともに,それらにおいて使用する主剤と基剤とを
一体的な容器内に各別に保存し,使用時にこれら主剤と基剤とを簡便に混
合することができる新規な保存混合装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために,HIV,ク
ラミジア,淋菌,トリポネマパリヅム及び単純性ヘルペス等のSTD感染
予防剤においては,ポビドンヨード溶液又は粉末を主剤とし,高粘度の高
分子化合物溶液を基剤とすることを特徴とする。」
「【0012】さらに,主剤をポビドンヨード溶液とした場合,上記主剤容
器をガラス製であるとともに,遮光・色付にするとよいが,主剤をポビド
ンヨード粉末にした場合には主剤容器をガラス製にする必要はなく,合成
樹脂容器であってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】主剤であるポビドンヨード溶液は,溶質であるポビ
ドンヨードを1~10%としたものとし,ポビドンヨードは水及びエチル
アルコールに対して可溶性であることより,溶媒として水又はエチルアル
コールを使用して混合する。主剤で用いられるポビドンヨード溶液は日光
等の光に弱いため,ポビドンヨード溶液は予め遮光,色付のガラス製の主
剤容器に入れて保存しておく必要がある。…
【0014】また,主剤として粉末状ポビドンヨードを使用することも可
能である。かかる場合においては,粉末状のポビドンヨードに,蔗糖,ブ
ドー糖,乳糖,果糖リン酸カルシウム,マルトース,又はポリエチレング
リコール(分子量4000~6000)等の水溶性が高い粉末とを混和さ
せる。ポビドンヨード粉末はポビドンヨード溶液と異なり,日光等により
不活性化がないので,主剤容器においては,遮光,色付のものである必要
はなく,また,ガラスである必要もない。」
「【0047】…ポビドンヨード使用の感染予防剤は混合すると一ヶ月程度
で変質及び不活性化するが,本発明保存混合装置では,主剤容器に主剤で
ある5~10%ポビドンヨード水溶液又はポビドンヨード・エチルアルコ
ール溶液或いはポビドンヨード粉末を,柔軟な容器本体にヒドロキシプロ
ピルセルロースとヒドロキシエチルセルロースを溶質とする水溶液を夫々
別々に入れてあり,ポビドンヨード使用の感染予防剤を使用する際にこれ
らを混合すればよいから,長期の保存ができ,使用時に有効に使用できる
効果を有する。…」
医薬品の保存容器に関する知見について
「固形製剤の製造技術」(2003年1月27日普及版第1刷発行。乙
4)によれば,医薬品については,有効性と安全を保証するに当たり,包装
容器の果たす役割は極めて大きく,代表的な包装容器としてガラス又はプラ
スチック製の「びん包装」があり,ガラスびん包装は,プラスチックびん包
装に比し重量が大きい等のために,自動包装化するのに作業性の面で問題が
多いという欠点があること,医薬品は,包装容器に保存した状態において長
期保存試験を行うこと,が本願優先日当時の技術常識であったことが認めら
れる。
リポソーム製剤に関する知見について
「DDSの進歩1995-96」(1995年9月25日発行。乙5)及
び「新・ドラッグデリバリーシステム」(2000年1月31日発行。乙
6)によれば,リポソームは,リン脂質二分子膜よりなる閉鎖小胞であり,
生体適合性に優れ,水溶性・脂溶性の両物質の封入が可能であることから,
薬物のキャリアーとしての応用が期待され,研究が行われてきたこと,その
安定性や保存性の問題については,リポソームを凍結乾燥するなどの手法に
より既に解決されており,医薬品として用いるに足りる程度の保存安定性を
有することを前提に,有効成分を含有するリポソーム製剤が,医薬品として
製造販売されていることは,本願優先日当時,当業者にとって周知の事項で
あると認められる。
相違点(A)に係る構成の容易想到性について
アの技術常識を考慮すれば,引用例1発明のポビドンヨードを含有
する凍結乾燥させたリポソーム固体は,医薬製剤として(使用時に再構築
して)使用されるものである(【0024】)以上,長期間安定に保存で
きる容器に入れることは自明の課題であり,その容器の材質として,医薬
品の容器として通常用いられているガラス又はプラスチック等の材質の中
から長期間安定に保存できるものを当業者が選択するものということがで
きる。
一方,引用例2には,ポビドンヨード溶液又はポビドンヨード粉末であ
る主剤と,高粘度の高分子化合物溶液である基剤を,一体的な容器内に各
別に保存することにより,長期の保存ができ,かつ,使用時にこれらを混
合することにより有効に使用できる保存混合装置が開示され(【000
8】,【0009】,【0047】),ポビドンヨード溶液は日光等の
光に弱いため,遮光・色付きのガラス製容器に入れて保存する必要がある
が,ポビドンヨード粉末は,日光等による不活性化はないため遮光・色付
きのものである必要はなく,また,ガラス製にする必要はなく合成樹脂容
器であってもよいことが記載されている(【0012】ないし【001
4】)。
さらに,リポソームについ
て,これを凍結乾燥させることによって医薬品として使用するに足りる程
度の保存安定性が得られることは,周知の事項である。
イこの点,引用例1発明の「ポビドンヨードを含有する凍結乾燥させたリ
ポソーム固体」は,リポソーム製剤である点で,引用例2のポビドンヨー
ド粉末とは異なる。また,凍結乾燥させたリポソームの保存安定性につい
ての知見は上記のとおりであるものの,有効成分を含有する凍結乾燥させ
たリポソーム製剤を保存する容器として,どのようなものが使用可能であ
るかについての,本願優先日当時の当業者の知見を裏付ける証拠は見当た
らない。
しかしながら,引用例1発明のリポソーム固体に含まれるポビドンヨー
ド自体は,凍結乾燥されていることから,引用例2のポビドンヨード粉末
と類似した状態であると考えられる。また,凍結乾燥させたリポソームが,
合成樹脂と反応する等の合成樹脂容器では保存できない事情があることを
うかがわせるに足りる証拠は見当たらない。そして,これらのことに照ら
すと,当業者であれば,引用例1発明のポビドンヨードを含有する凍結乾
燥させたリポソーム固体も,引用例2のポビドンヨード粉末と同様に,特
にガラス容器に保存する必要はなく合成樹脂容器に保存することもできる
ことに想到することは容易であり,医薬品の容器として通常用いられてい
るガラス又はプラスチック等の材料の中から,引用例2においてポビドン
ヨード粉末を保存できるとされた合成樹脂容器(「プラスチック材料製の
パッケージ」に相当する。)を保存容器として選択し,相違点(A)の構
成に至ることは,当業者が容易に想到し得たものといえる。
よって,これと同旨の審決の判断に誤りはない。
原告の主張について
ア原告は,引用例1には,本願発明の解決課題及び解決手段について開示
も示唆もなく,引用例2には「紙又は厚紙製のパッケージ」の開示も示唆
しかるに,引用例1発明のリポソーム固体を長期保存の可能な容器に保
存することが当業者にとって自明の課題であること,その解決手段として
引用例2の記載を踏まえて相違点(A)の構成に至ることに当業者が容易
のとおりである。また,「紙又は厚
紙製のパッケージ」に関する本願発明の構成を引用例1発明との相違点と
して認定しないことが誤りではない以上,引用例2にこの点に関する開示
や示唆が存在しない旨の原告の主張は失当である。
イ原告は,ポビドンヨード粉末とヨードホール含有乾燥リポソーム製薬組
成物が同様の性質を有することや,乾燥状態にあるリポソームの保存安定
性とヨードホール含有乾燥リポソーム製薬組成物の保存安定性が同様であ
ることに,いずれも技術的根拠はないから,当業者が,ヨードホール含有
乾燥リポソーム製薬組成物を合成樹脂容器に長期に保存可能であるとは認
しかしながら,引用例1発明の凍結乾燥されたリポソーム固体に含まれ
るポビドンヨードは,引用例2のポビドンヨード粉末と類似した状態であ
ると考えられ,また,薬剤のキャリアーとしてのリポソームが凍結乾燥さ
せることにより長期に保存可能であるとされ,合成樹脂容器では保存でき
ない事情が特にうかがわれない以上,ヨードホール含有乾燥リポソーム製
薬組成物の保存容器として引用例2に記載された合成樹脂容器を選択する
ことが,当業者にとって容易であるのイのとおりである。
なお,原告は,当業者は引用例1発明における「容器」をガラス瓶と認
識するとも指摘する(同上)。しかし,引用例1自体は,「容器」の材質
を特に限定しておらず,引用例1の原文(本願に係る国際公開公報。甲1
1)にガラス瓶を意味する「vial」との記載があるからといって,当
業者が,引用例1の「容器」をガラス瓶に限定して理解するということは
できない。
ウ原告は,先行技術文献には,本願発明の解決すべき課題に関し,ヨード
ホールの安定性を得るべく余剰なヨウ素を使用するという,本願発明の解
決手段から遠ざけ
しかるに,前記先行技術文献(甲5及び6)に本願発明とは異なる手法
でヨードホールの安定性を得る技術が開示されていたとしても,そのこと
が直ちに相違点(A)に係る本願発明の構成に想到するに当たっての阻害
要因となるものではない。
エ以上によれば,原告の上記主張は,いずれも採用することができない。
3取消事由3について
審決は,引用例1発明におけるヨードホール含有乾燥リポソーム製薬組成物
は,これを保存するためのパッケージの素材によることなく,本願発明の「保
存安定性を備えた」なる発明特定事項を満足するとして,相違点(B)は実質
的な相違点ではないと判断した。
これに対し,原告は,かかる判断の誤りを主張する(前記第3の3)。
本願発明における「保存安定性を備えた」の意義について
本願発明における「保存安定性を備えた」という発明特定事項については,
特許請求の範囲の記載からは,その技術的意義は一義的に明確であるとはい
えない。
そこで,本願明細書(甲3)の記載を参酌すると,「本明細書において,
「保存安定性を備える」とは,通常の保存条件にて組成物を乾燥状態に維持
するパッケージ中にて数年間保存した場合,滴定可能な元素の損失もなく,
元素状態のヨウ素と組成物中の他の成分との反応により起こる該組成物の分
解もなく,元素状態のヨウ素とパッケージ材料との反応もなく,かつ元素状
態のヨウ素がパッケージ材料中へ浸出することもない状態を意味する。本明
細書において,通常の保存条件とは,約25℃までの温度で,かつ約60%
までの相対湿度を備えた条件である。」(【0049】)と記載されている。
したがって,相違点(B)である「乾燥リポソーム製薬組成物を,(B)
保存安定性を備えたパッケージに含む(保存する)こと」とは,「ヨードホ
ールを含有する乾燥リポソーム製薬組成物を,約25℃までの温度で,かつ
約60%までの相対湿度を備えた通常の保存条件にて,乾燥状態に維持する
パッケージ中で数年間保存した場合,滴定可能な元素の損失もなく,元素状
態のヨウ素と組成物中の他の成分との反応により起こる該組成物の分解もな
く,元素状態のヨウ素とパッケージ材料との反応もなく,かつ元素状態のヨ
ウ素がパッケージ材料中へ浸出することもない状態を維持できるパッケージ
に含む(保存する)こと」を意味すると認められる。
相違点(B)に係る審決の判断の適否
本願明細書(甲3)には,「本発明の一態様は,粒状ヨードホール含有調
製物を,保存時において,該調製物を乾燥粒状の形態にて提供することによ
り,プラスチック,紙及び厚紙製のパッケージ,好ましくはプラスチック製
のビン又は容器であるパッケージ中にて安定化させるための方法を提供する。
乾燥組成物は,引き続き,適用可能な調製物に変換され得る(即ち,再構成
され得る)。」(【0039】),「パッケージ材料は,該組成物を乾燥状
態にて維持することを可能にするために,湿気を実質的に透過しないことが
必要である。該材料は保存条件に基づいて選択される。かなり乾燥した条件
に対しては,材料に対する要求性はそれほど高くないが,高湿度の条件では,
該材料は,水蒸気をほぼ透過しないものから選択する必要がある。水と直接
接触する可能性がある場合は,水分を透過できない材料を選択する必要があ
る。パッケージは,プラスチック製フィルムのような単一の材料から形成さ
れ得るか,又は層状フィルムのような複合材料から形成され得る。」(【0
043】)と記載されており,また,実施例2に関して,ポビドンヨードと
リポソームを含む「凍結乾燥組成物は保存用のポリプロピン容器に置かれ
た。」と記載されている(【0102】)。
これらの記載に照らせば,本願発明においては,ヨードホールを含有する
乾燥リポソーム製薬組成物を,医薬品の容器として通常用いられており乾燥
状態を維持できる材料であるプラスチック材料製のパッケージに保存するこ
と,すなわち,相違点(A)に係る構成を採用することにより,乾燥リポソ
ーム製薬組成物を,「保存安定性を備えたパッケージ」に含む(保存する)
こと,すなわち,相違点(B)に係る本願発明の構成が達成されているとい
える。
そうすると,引用例1発明におけるヨードホール含有乾燥リポソーム製薬
組成物について,保存容器の素材の如何にかかわらず本願発明の「保存安定
性を備えた」を満足するとして,相違点(B)を実質的な相違点ではないと
判断した審決には,この点において誤りがあるといわざるを得ない。
相違点(B)に係る構成の容易想到性について
以上のとおり,相違点(B)についての審決の判断には誤りがある。しか
しながら,前記2において検討したとおり,引用例1発明において,相違点
(A)に係る本願発明の構成とすることに当業者は容易に想到し得たもので
あり,それと同時に相違点(B)に係る本願発明の構成も達成されるもので
あるから,引用例1発明において,相違点(B)に係る本願発明の構成とす
ることも当業者が容易になし得たものといえる。
したがって,本願発明は,引用例1及び引用例2に記載された発明に基づ
いて,当業者が容易に想到し得たものというべきであるから,審決の判断に
結論において誤りがあるということはできない。相違点(B)の判断に関す
る審決の上記誤りは,審決の結論に影響するものではない。
なお,原告は,審決は本願発明の認定を特許請求の範囲の記載に基づかず
に行ったと主張する(前記第3の3)が,「保存安定性を備えた」との発明
特定事項の技術的意義が,特許請求の範囲の記載からは一義的に明確である
とはいえない以上,本願明細書の記載を参酌することが誤りであるというこ
とはできない。原告の上記主張は採用することができない。
4結論
以上のとおりであり,原告の主張は理由がない。よって,原告の請求を棄却
することとし,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官石井忠雄
裁判官田中正哉
裁判官神谷厚毅

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