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平成15年2月24日判決言渡 同日原本受領 裁判所書記官
平成14年(ハ)第13768号 譲受債権請求事件
口頭弁論終結日 平成15年1月27日
          判決
          主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
          事実及び理由
第1 請   求
被告は,原告に対し,359万9809円及び内金44万2654円に対する平成
14年10月24日から支払済みまで年36パーセントの割合による金員を支払
え。
第2 事案の概要
 1 請求の原因 
   別紙の請求の原因欄記載のとおり
 2 争点
(1)債権譲渡の対抗要件(債権譲渡人の被告に対する通知)の存否
(2)債権消滅時効の成否
第3 争点に対する判断
1 証拠(乙1,2の1乃至3の2,4,5。証人A,同B)及び弁論の全趣旨に
よれば,次に事実が認められる。
(1)原告会社の従業員であるBは,請求債権額が記載された訪問請求書(乙2の
1,3の1)及び債務の承認を内容とする確約書(乙4,5)を用意して被告宅を
訪れたが,被告は不在だったため,被告の妻であるAに債務の一部弁済と前記確約
書への署名を求めたが,Aは,自分には分からないとこれを拒否した。
(2)Bは,Aに対し,C株式会社関係の債権については25万円,D株式会社関
係の債権については33万円を弁済額とする和解案(乙2の2,3の2)を提示し
たが,自分には分からないと言われ,同意を得られなかった。
(2)Aは,Bから,「2人で来て,交通費もかかっている。交通費だけでも払っ
てもらわないと,ここに来た証拠もなく,会社に帰って上司に言い訳できない。」
と言われたため,やむを得ず3000円を支払った。
(3)Bは,Aに対し,受け取った3000円の領収書(乙1)を渡したが,その
際,「あなたは債務者でないから本人(被告)の署名をしてほしい。」と言って,
Aに「E」と署名をさせた。
(4)この領収書には,本件債務の存在に触れるような記載は全くない。
2 証人B尋問の結果中,上記認定に反する部分は,各証拠及び弁論の全趣旨に照
らしてにわかに信用しない。
上記認定事実によれば,AのBへの3000円の支払は本件債務についての支払と
は認められない。
したがって,原告の「Aの弁済は被告の代理人又は表見代理人としての弁済である
から債務の承認であり,被告の時効援用権は喪失した。」との主張は,その前提た
る事実を欠き失当である。
3 被告は,C関係の債権については昭和58年1月31日の,D関係の債権につ
いては同年同月28日の各支払を怠り,いずれも期限の利益を喪失したところ,C
関係の債権は期限の利益を喪失した日の翌日である同年2月1日から起算して昭和
63年1月31日の経過により,D関係の債権は期限の利益を喪失した日の翌日で
ある昭和58年1月29日から起算して昭和63年1月28日の経過により,いず
れも5年経過したことは明らかである。
  したがって,いずれの債権についても消滅時効が完成したことが認められる。
4 以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求は理由が
ない。
    東京簡易裁判所民事第3室
           裁 判 官  永  田  一  元

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