弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人本人の上告趣意は、量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。
 弁護人鍛治良道の上告趣意第一について。
 所論は、原審において主張、判断のない第一審裁判所の単なる訴訟法違反を主張
するものであつて適法な上告理由に当らない。
 のみならず、論旨は、原判決の是認する第一審判決は、昭和三四年五月二一目附
起訴状による、被告人は、C(二〇才位)と同棲中同女を働かせてその周旋料を取
得しようと企て、昭和三四年二月下句頃、肩書住居において同女に対し短刀を示し
ながら、「逃げたら只ではおかんぞ。」と申し向けて同女を脅迫し、同月二八日頃
岡山市ab番地旅館DことE方において、岡山県和気郡c町大字d料理店AことB
に対し、同女を同人方女給として雇入方幹旋し、もつて脅迫による職業紹介を行つ
たものであるとの、職業安定法六三条一項該当の公訴事実に対する判断を遺脱して
いると主張するものであるところ、第一審判決の判文によると、第一審裁判所は判
示第三の有料の職業紹介事業を行つたとの犯罪事実のうちの三として、被告人は第
一審弁論分離前の相被告人F、同Gと共謀の上、法定の除外事由がないのに営利の
目的で、昭和三四年二月二八日頃右E方において、右Bに対し右Cを仲居として雇
用するよう幹旋し、もつて有料の職業紹介事業を行つたとの事実を認定、判示し、
右事実を含めた判示第三の事実に対する適用法令として職業安定法六四条一号三二
条一項本文刑法六〇条を摘示していることが明らかである。
 而して、右公訴事実と第一審判決認定事実とを比較対照するに、基本的事実関係
においては同一であると認められるので、いわゆる公訴事実の同一性には何ら欠く
るところはない。次に、前者は単独犯であり、後者は共同正犯であるという差異が
あるほか、構成要件としても、後者は前者に比し「営利目的」という新たなものが
加わつていることは、当該規定上明認できるところであるが、前者は、もともと職
業紹介等を行つた者のうち、脅迫その他の精神または身体の自由を不当に拘束する
手段によつた特殊な違反行為者を厳罰に処する趣意に出でたものであり、本件にお
ける事実関係並びに訴訟の経過にもかんがみると、前者の罪として起訴された訴因
を右脅迫という要件を欠如する後者の罪、しかも起訴にかかる同種の職業犯の一部
として認定することは、被告人の防禦に実質的な不利益を与える虞れはなく、いわ
ゆる訴因、罰条の変更手続を要しない場合であると解すべく、第一審裁判所の訴訟
手続には所論の如き違法は勿論何ら違法の点は存しないものというべきである。
 同第二は、量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一致
の意見で主文のとおり決定する。
  昭和三七年六月五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己

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