弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2板橋区長が平成19年1月22日付け第▲▲号により通知した公文書公開請
求却下決定(適用除外通知処分)を取り消す。
3訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
第2事案の概要
1本件は,控訴人が,板橋区長に対し,東京都板橋区情報公開条例(以下「本
件条例」という。)に基づき,平成18年12月1日から同月15日までの間
に建築確認がされた建築計画概要書の第2面及び第3面(以下「本件文書」と
いう。)の写しの交付を請求したところ,板橋区長が平成19年1月22日付
けで本件文書には本件条例が適用されないとの理由で請求却下決定(以下「本
件処分」という。)をしたことから,これを不服として,本件処分の取消しを
求めている事案である。
原審は,本件文書には本件条例の適用はないから,これを理由として本件文
書の公開をしなかった本件処分は適法であるとして,控訴人の請求を棄却した
ので,控訴人はこれを不服として控訴した。
2関係法令の定め,前提事実,争点及びこれについての当事者の主張は,次の
とおり付加するほか,原判決の「事実及び理由」第2の1ないし3に記載のとお
りであるから,これを引用する。
⑴原判決4頁8行目末尾の次に改行して次のとおり加える。
「(4)東京都板橋区建築基準法施行細則(昭和40年東京都板橋区規則第2
1号)
特定行政庁である板橋区は,上記(2)及び(3)の定めに基づき,上記施
行細則を制定し,第41条ないし第44条において,建築計画概要書等
の閲覧日,閲覧時間,閲覧の手続,閲覧の場所,閲覧の停止又は禁止等
について定めている。」
(2)当事者の当審における追加主張
(控訴人)
本件条例17条1項は,本件条例による情報公開の制度と他の制度との調
整について定めた規定で,本件条例の対象となる文書であっても,その閲覧
若しくは縦覧又は謄本,抄本その他の写しの交付の手続が他の法令等に定め
られているものについては,情報公開の対象とする必要がないことから,当
該法令の定めるところに従い,本件条例の対象としないとする規定である。
このような同項の趣旨,本件条例1条,5条及び6条に規定された本件条例
の趣旨目的又は基本構造からすれば,他の制度との調整の結果,情報公開を
請求する者にとって不利になるような解釈は誤りであり,同項は,他の法令
に閲覧若しくは縦覧又は謄本,抄本その他の写しの交付の手続が本件条例と
同一又はより緩い要件で定められている限りで本件条例を適用しない規定と
解すべきである。
これを本件についてみると,本件文書について建築基準法93条の2には
閲覧の定めはあるものの写しの交付の定めはないのであるから,写しの交付
を求める本件請求については,本件条例17条1項は適用されず,原則どお
り,本件条例に基づく公開が実施されるべきである。
(被控訴人)
控訴人の上記主張は,本件条例17条1項の文理に反するものである。ま
た,同項の趣旨は,他の法令の趣旨を尊重し,本件条例との矛盾抵触を回避
することにある。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,本件文書には本件条例の適用はなく,これを理由として本件文
書の公開をしなかった本件処分は適法であると判断する。その理由は,次のとお
り付加訂正するほか,原判決の理由説示(「第3争点に対する判断」)のとお
りであるから,これを引用する。
(1)原判決5頁3行目の「及び」を「,」と改め,4行目の「11条の4」の
次に「及び東京都板橋区建築基準法施行細則」を加え,7行目の「本件条例
17条1項」を「控訴人は,本件条例17条1項は他の法令に閲覧若しくは
縦覧又は謄本,抄本その他の写しの交付の手続が本件条例と同一又はより緩
い要件で定められている限りで本件条例を適用しない規定と解すべきである
と主張する。しかし,同項」と,16行目の「相当である」を「相当であり,
控訴人の上記主張は,同項の文理に明らかに反するものといわざるを得ない
」とそれぞれ改め,17行目の「原告は」の次に「,本件条例17条1項は,
本件条例による情報公開の制度と他の制度との調整について定めた規定で,
本件条例の対象となる公文書であっても,その閲覧若しくは縦覧又は謄本,
抄本その他の写しの交付の手続が他の法令等に定められているものについて
は,情報公開の対象とする必要がないことから,当該法令の定めるところに
従い,本件条例の対象としないとする規定であるとした上」を,24行目の
「しかし」の次に「,本件条例17条1項の文言からすると,同項が,他の
法令等の規定により公開されることにより本件条例による公開の対象とする
必要のない公文書のみをその適用の対象としない趣旨の規定であると解する
ことはできない。また」をそれぞれ加える。
(2)原判決6頁2行目の「41条」を「26条」と改め,3行目の「ものの」
の次に「,同条は地方公共団体に同法と同一の内容の条例を制定するよう義
務付けるものではなく」と,12行目の「被告においても」の次に「,前記
第2,1(4)のとおり」をそれぞれ加える。
(3)原判決7頁10行目の「甲6の1」から12行目の「94」までを「甲6
の1ないし95」と改め,15行目の「しかしながら」の次に「,上記証拠
によると」を加え,16行目の「(甲6の8)」及び18行目の「(甲6の
35・38・53)」をいずれも削る。
2よって,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄却することとし,
主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第10民事部
裁判長裁判官吉戒修一
裁判官藤山雅行
裁判官野口忠彦

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛