弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人五井節蔵の控訴理由は、末尾に添附する控訴趣意書と題する書面に記載す
るとおりである。 (前略)
 <要旨第一>次に、原判示第一の外国為替及外国貿易管理法違反の事実は、判示空
港外貨申告所において携帯外貨を申告しないで通過したときに成立する
罪であり、原判示第二の関税法違反の事実は、免許を受けないで外貨を輸入しよう
としたが、税関官吏に発見されたため、その目的を遂げなかつたという罪であるか
ら、両者は性質上別個の所為である。従つて、この両者の罪を刑法第五四条第一項
前段の規定を適用して処理するわけにはいかない。それで、原判決が両者の罪につ
き被告人を各別に処断したのは、まさに、正当であつたといわなくてはならない。
してみれば、論旨第四点の所論は採用すべき限りでなく、該論旨は理由がない。
 次に、同一の物件が二つの罪に係るものである場合、法規の定める所に従つて、
各別の言渡をしたとしても、もとより、違法である筈はない。原判決が判示米国軍
票拾ドル紙幣三二五枚及び同五ドル紙幣二二枚につき、判示第一の罪の組成物とし
て刑法第一九条第一項第二号第二項に則り、また判示第二の罪に係る貨物として関
税法第八三条第一項に従い、夫々没収の言渡をしたのは、まさに、その所論の通り
である。従つて、原判決のこの措置を非難する論旨第五点の所論は、とうてい採用
すべくもなく、該論旨は理由がない。
 次に、関税法第一条によれば、輸入貨物には関税定率法に依り関税を課する旨を
定め、関税定率法第一条は、外国より輸入する物品には別表により関税を課する旨
を定めているが、同法別表輸入税表一一四〇は「紙幣、銀行券」を無税としてい
る。紙幣、銀行券は無税ではあるが、関税法上、貨物であることは、これによつて
明らかであるといわなくてはならない。紙幣、銀行券が外国為替及び外国貿易管理
法において支払手段として取扱つているからといつて、右関税法並びに関税定率法
の適用を排除すべき謂われはない。しかも、外国為替管理令第一九条第一項によれ
ば、紙幣、銀行券のごとき支払手段は、大蔵大臣の許可を受けた場合にのみこれを
輸入することができることになつており、また、関税法第三一条の三は、他の法令
に依り、輸入に関して許可を要する旨の規定ある貨物については、税関の検査に際
し、その許可を受けたことを税関に証明しなければならない旨を定めると共に、そ
の証明をしないものに対しては輸入の免許をすることができない旨を定めて<要旨第
二>いるのである。そうして、米国軍票が、紙幣、銀行券と同じ観念をもつて律すべ
きものである所からいつて、被告人がこれら所定の手続を践むことな
く、米国軍票をわが国内に搬入しようとして、その目的を遂げなかつたとする原判
示第二の事実は、まさに、関税法第七六条第二項第一項に該当する罪を構成するも
のといわなくてはならない。それ故に、これと同じ見解の下に、被告人の原判示第
二の事実に対し、右関税法の規定を適用して被告人を処断した原判決には、何等違
法の廉のあることなく、論旨第六点の所論は、ただ独自の見解として排斥するの外
はない。従つて、該論旨は理由がない。
 (その余の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 中野保雄 判事 尾後貫荘太郎 判事 渡辺好人)

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