弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
     当審における未決勾留日数中三〇日を本刑に算入する。
         理    由
 本件控訴の趣意は弁護人諌山博提出の控訴趣意書記載のとおりであるから、これ
を引用する。
 同控訴趣意第一点、第二点について。
 よつて外国為替及び外国貿易管理法並に外国為替管理令の規定を検討するに、同
法第四五条には、政令で定める場合を除いては何も支払手段、貴金属、証券又は債
権を化体する書類を輸出し又は輸入してはならない、と規定して支払手段等の輸出
入禁止の原則を明らかにし、これに対する除外例として同令第一九条を設け、第一
項、法第四五条の規定により制限又は禁止された支払手段、貴金属、証券又は債権
を化体する書類(以下支払手段等という)の輸出又は輸入について大蔵大臣の許可
を受けた者は、その許可を受けたところに従つて当該支払手段等を輸出し又は輸入
することができる。第二項、前項に規定する場合の外、左に掲げる場合には同項の
大蔵大臣の許可を受けないで支払手段等を輸出し又は輸入することができる、第二
号、身辺装飾品、調度品、しゆう集品又は大蔵大臣の指定するその他の用途に供さ
れる貴金属で本人の私用に供されるものを携帯輸出し、又は携帯輸入する場合と規
定して輸出入をなし得る場合を認めている。しかし輸出又は輸入せんとする支払手
段等が果して同条第一項の許可を受けたところに従うものであるかどうか、或は第
二項各号の許可を受けないで輸入できる場合の条件を具備するものであるかどうか
については、相当機関による正規の認定を俟たなければこれを確定するに由なく、
その実効を期し得ないことは勿論である。さればこそ、同令第二〇条において、支
払手段等を輸出し、又は輸入しようとする者は大蔵省令で定める手続により、当該
支払手段等の輸出又は輸入が前条の規定により許可を受け、又は認められたもので
あることについて税関の確認を受けなければ<要旨>ならないと規定を設けた所以で
ある。而して法律が権利と義務を併せ規定した場合に義務を尽さずして権利の 旨>みの享受が許されないことは法律解釈の当然の帰結と謂うべく、かかる法理と前
記立法趣旨に徴すれば支払手段等の輸出又は輸入をなさんとする者にして同令第二
〇条所定の税関の確認を受けるの義務を尽さないときは、如何なる場合においても
同令第一九条第一項又は第二項各号所定の条件を具備し輸出入をすることができる
場合に該当するものとは認められない不利益を受けるものと解するのが相当であ
る。これを本件について観るに、本件ダイヤ入金指輪一個が身辺装飾品にして被告
人においてこれを指に嵌め私用に供するものとして輸入したこと所論のとおりであ
るが、被告人は輸入に際し右事項につき税関の確認を受けていないから、右指輪の
輸入は同令第一九条第二項第二号所定の条件を具備せる輸入を認められたものとは
謂い難く、従つて同法第四五条の禁止規定に違反して輸入されたものと断ぜざるを
得ない。原審が右と同趣旨の見解の下に本件ダイヤ入金指輪一個を同条に違反して
輸入したものと認定し且つこれが没収を云渡したのはまことに相当であつて、原審
の措置に所論の如き法令違反は存しない。論旨は理由がない。
 同控訴趣意第三点について。
 しかし、本件記録に現われた被告人の性格、年齢、境遇、並びに犯罪の情状その
他諸般の情を考究すれば、所論の情状を参酌しても原審の被告人に対する刑の量定
はまことに相当で、これを不当とする事由を発見することができないので、論旨は
採用することができない。
 そこで刑事訴訟法第三九六条に則り本件控訴を棄却し、なお刑法第二一条に則り
当審における未決勾留日数中三〇日をその本刑に算入する。
 よつて主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 西岡稔 裁判官 後藤師郎 裁判官 中村荘十郎)

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