弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各請求を棄却する。
         理    由
 本件請求の理由は、弁護人永野柳造提出の、別紙刑事補償請求申立書記載のとお
りであるが、これに対する当裁判所の判断は次のとおりである。
 一件記録を検討するに、請求人等両名が他の五名と共謀の上婦女を強姦したとの
所論被疑事実につき、告訴の取消があつた後右強姦の手段としての共同暴行の事実
のみが暴力行為等処罰に関する法律違反として起訴されたこと、右事件につき請求
人等が所論の期間勾留せられたこと、第一審福島地方裁判所平支部は右起訴事実は
強姦罪の構成要件の一部であるから、強姦の点につき告訴の取消があつた以上、右
起訴事実についても公訴権は消滅したものとして公訴棄却の判決をしたこと、検事
控訴の結果、第二審仙台高等裁判所は、これに反し有罪の判決をしたこと、請求人
等上告の結果、当裁判所は、右判決を破棄し、右両名に対し公訴棄却の判決をした
ことは総て所論のとおりである。
 ところで、刑事補償法二五条によれば、公訴棄却の裁判を受けた者が、国に対し
て、抑留若しくは拘禁による補償を請求することができるのは、もし公訴棄却の裁
判をすべき事由がなかつたならば無罪の裁判を受けるべきものと認められる充分な
事由がある場合に限られることは明瞭である。
 然るに前記当裁判所の判決において、公訴棄却の理由として判示するところは、
要するに、請求人等の前記の如き婦女強姦の事実は、証拠上これを明認し得るけれ
ども、起訴にかゝる暴力行為等処罰に関する法律違反の事実は、右強姦行為の手段
としてなされた共同暴行の事実であるから、強姦の事実につき、既に告訴の取消が
あつた以上、強姦罪として公訴を提起し得ないことは勿論右暴行行為のみを抽出し
てこれが公訴を提起することも許されないというにあることは明白である。即ち前
記当裁判所の判決は、請求人等の前記強姦の事実につき、告訴の取消があつたこと
を理由として、その強姦の手段としての共同暴行に対する公訴を棄却しているので
あつて、右の如き告訴の取消がなかつたとすれば、たとい起訴にかゝる事実が強姦
の手段としての暴行々為のみについてのものであつても、裁判所は当然強姦罪とし
てこれを審判し、有罪の判決を言渡すべきものであつたことは、右判決の全趣旨に
徴し疑を容れないところである。
 してみれば、本件補償の請求は、前記刑事補償法二五条の許容する場合に当らな
いから、同法一六条によりこれを棄却すべきものである。
   よつて裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
    昭和二八年九月七日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛