弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人杉山忠三の上告理由について
 論旨は、要するに、土地に対して課する特別土地保有税に関し共有物である土地
の共有者について地方税法五九五条の規定を適用する場合においては、共有者の各
人が当該共有土地のうちそれぞれの持分の割合に応ずる面積の部分を所有するもの
として、各人ごとに、同条所定の区域内において一月一日に所有する土地の合計面
積が同条所定の基準面積に満たないかどうかの判定(以下「免税点の判定」という。)
をすべきであるから、共有者の全員を集合的に同条所定の「同一の者」ととらえた
うえ、それが当該共有土地の全体を所有するものとして免税点の判定をすべきもの
とした原判決は、同条の規定の解釈を誤り、自ら課税要件を定めるに等しいものと
して憲法八四条所定の租税法律主義にも違反するものである、というのである。な
お、論旨は、原判決の名古屋市市税条例七八条の七の規定の解釈の誤りも指摘する
が、同条は、地方税法五九五条の内容を重複的に規定したものにすぎない。
 地方税法五九五条は、土地に対して課する特別土地保有税の免税点に関し、市町
村は、同一の者について、同条所定の区域内において、その者が一月一日に所有す
る土地の合計面積が、同条所定の基準面積に満たない場合には、同税を課すること
ができない、と規定しているが、土地の共有は、共有者が共同で当該土地の全体を
所有するという土地所有の一形態であつて、右のように、同一の者が所有する土地
の合計面積という場合には、特別の断りのない限り、所有の形態が単独所有である
か共同所有であるかを問わず、同一の所有権帰属主体が所有する各土地のそれぞれ
の全体の面積を合計したものを指すことが、字義的に明らかである。そして、共有
物である土地の共有者に係る地方税法五九五条の規定の適用に関し、共有者の各人
が当該土地のそれぞれの持分の割合に応ずるものを単独で所有するものとして、持
分割合の面積により各人ごとに免税点の判定を行う旨の特別の定めは、同法には存
しない。また、地方税法五八五条四項及び五八六条三項並びに地方税法施行令五四
条の三六第一項の各規定は、共有物である土地の共有者は、共同で当該土地の全体
について特別土地保有税の納付義務を負うものであり、全員が一つの集合体として
当該土地の全体の面積により同税に係る免税点の判定を受けるものであることを、
当然の前提としているのである。さらに、特別土地保有税は、土地の保有に伴う管
理費用の増大を通じて、土地の投機的取得を抑制し、地価の安定を図るとともに、
保有土地の供給の促進に資することを目的として、一定規模以上の土地を課税の対
象とするものであるが、この目的からしても、当該土地が単独所有物であるか共有
物であるかによつて課税上の取扱いを異にする理由はない。以上によれば、地方税
法五九五条は、共有物である土地の共有者については、その全員を集合的に同一の
者としてとらえ、その共有に係る各土地の全体の面積を合計したものが同条所定の
基準面積に満たないかどうかによつて、土地に対して課する特別土地保有税の免税
点の判定を行うことを規定するものと解するのが相当であり、これと同旨の原審の
判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。地方税法五
九五条が右の内容を規定するものでないことを前提とする所論違憲の主張は、失当
である。論旨は、採用することができない。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官
全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    伊   藤   正   己
            裁判官    木 戸 口   久   治
            裁判官    安   岡   滿   彦
            裁判官    長   島       敦

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛