弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人田中俊充、同圓山司の上告理由について
 有限会社の持分を相続により準共有するに至った共同相続人が、準共有社員とし
ての地位に基づいて社員総会の決議不存在確認の訴えを提起するには、有限会社法
二二条、商法二〇三条二項により、社員の権利を行使すべき者(以下「権利行使者」
という)としての指定を受け、その旨を会社に通知することを要するのであり、こ
の権利行使者の指定及び通知を欠くときは、特段の事情がない限り、右の訴えにつ
いて原告適格を有しないものというべきである(最高裁平成元年(オ)第五七三号
同二年一二月四日第三小法廷判決・民集四四巻九号一一六五頁参照)。そして、こ
の場合に、持分の準共有者間において権利行使者を定めるに当たっては、持分の価
格に従いその過半数をもってこれを決することができるものと解するのが相当であ
る。けだし、準共有者の全員が一致しなければ権利行使者を指定することができな
いとすると、準共有者のうちの一人でも反対すれば全員の社員権の行使が不可能と
なるのみならず、会社の運営にも支障を来すおそれがあり、会社の事務処理の便宜
を考慮して設けられた右規定の趣旨にも反する結果となるからである。
 記録によれば、亡Dは、被上告会社らの持分をすべて所有していたものであり、
その法定相続人は、妻である上告人A1(法定相続分二分の一)と子である上告人
A2及び同A3(同各五分の一)の外、亡DとBとの間に生まれたE(同一〇分の
一)の四名であるところ、上告人らは、Eの法定代理人であったBが権利行使者を
指定するための協議に応じないとして、権利行使者の指定及び通知をすることなく、
被上告会社らの準共有社員としての地位に基づき、本件各社員総会決議不存在確認
の訴えを提起するに至ったことが明らかである。
 しかしながら、さきに説示したところからすれば、BないしEが協議に応じない
としても、亡Dの相続人間において権利行使者を指定することが不可能ではないし、
権利行使者を指定して届け出た場合に被上告会社らがその受理を拒絶したとしても、
このことにより会社に対する権利行使は妨げられないものというべきであって、そ
もそも、有限会社法二二条、商法二〇三条二項による権利行使者の指定及び通知の
手続を履践していない以上、上告人らに本件各訴えについて原告適格を認める余地
はない。その他、本件において、右の権利行使者の指定及び通知を不要とすべき特
段の事情を認めることもできない。
 本件各訴えを却下すべきものとした原審の判断は、以上と同旨をいうものとして
是認することができる。原判決に所論の違法は認められず、論旨は、独自の見解に
立って原判決を論難するものであって、採用することができない。
 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意
見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    可   部   恒   雄
            裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    大   野   正   男
            裁判官    千   種   秀   夫
            裁判官    尾   崎   行   信

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛