弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人福永滋の上告理由第一点について。
 およそ、労働組合の規約中に解散決議の採決方法につき直接無記名投票による旨
の定めがある場合において、それ以外の採決方法によつてされた組合解散決議は、
あらかじめ決議に参加する者全員がその採決方法によることを同意していたと認め
られるときのほかは、客観的にみてその採決方法によらざるをえないと認めるに足
りるだけの特段の事情が存しないかぎり、無効であると解するのが相当である。
 ところで、原審の確定するところによると、従前のD労働組合(以下、従前のD
労組という。)の規約三二条には、解散決議は組合大会で組合員の直接無記名投票
により採決することを要する旨規定されていたところ、本件解散決議は、直接無記
名投票の方法によることなく、起立の方法によつて採決されたのであるが、右の方
法によることにつき決議参加者全員の同意をえていなかつた、というのであり、し
かも、原審の確定する事実関係に照らすと、いまだ、起立の方法によらざるをえな
いと認めるに足りるだけの特段の事情があつたといい難いから、本件解散決議は無
効であると解するほかなく、これと同旨の原審の判断は、正当として是認すること
ができる。原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)に所論の違法は
なく、論旨は採用することができない。
 同第二点について。
 論旨は、労働組合において、その内部に相拮抗する異質集団が成立し、その対立
抗争が甚だしく、そのため、組合が統一的組織体として存続し活動することが事実
上困難となり、遂に、ある異質集団に属する組合員が組合(以下、旧組合という。)
から集団的に離脱して新たな組合(以下、新組合という。)を結成し、ここに新組
合と旧組合の残留組合員による組合(以下、残存組合という。)とが対峙するに至
るというような事態が生じた場合には、これを、法律上、単に旧組合からの組合員
の脱退及びそれに続く新組合の設立にすぎないものであると理解し、旧組合の財産
につき、残存組合にその独占を許す結果を認めるのは不公平であり、したがつて、
新組合と残存組合の双方に権利を肯定する組合分裂なる法理を導入すべきである、
との見解を、その立論の前提としている。
 しかし、所論のような事態が生じたとしても、一般的には、このことだけで、旧
組合がいわば自己分解してしまつたと評価することはできず、むしろ、旧組合は、
組織的同一性を損なうことなく残存組合として存続し、新組合は、旧組合とは組織
上全く別個の存在であるとみられるのが通常であつて、ただ、旧組合の内部対立に
よりその統一的な存続・活動が極めて高度かつ永続的に困難となり、その結果旧組
合員の集団的離脱及びそれに続く新組合の結成という事態が生じた場合に、はじめ
て、組合の分裂という特別の法理の導入の可否につき検討する余地を生ずるものと
解されるのである。
 ところで、原審の確定するところによると、従前のD労組は、その内部に、従来
どおり総評の傘下にとどまろうとする少数派と総評の傘下を離れて新たにE協議会
に加盟しようとする多数派との対立が生じ、両派相互に意思の疏通を欠き組合の運
営が多少円滑さを欠いていたことは認められないではないが、右の多数派に属する
組合員が従前のD労組から集団的に離脱して上告組合を結成するに至るまでにおい
て、従前のD労組の存立ないし運営が事実上不可能な状態になつたとは認められな
い、というのであり、右認定判断は、原判決の挙示する証拠関係に照らして正当と
して是認することができるから、従前のD労組は、到底機能喪失により自己分解し
たとは評価しえず、なお被上告組合として組織的同一性を失うことなく存続し、上
告組合は、従前のD労組とは別個の組織であると解するほかはないのである。
 そうすると、本件の場合には、所論のような法理の導入の可否につき検討するま
でもなく、従前のD労組に属した所論財産は、当然被上告組合にそのまま帰属する
のであつて、これと同旨の原審の結論は、結局正当である。それゆえ、論旨は採用
することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    大   隅   健 一 郎
            裁判官    下   田   武   三
            裁判官    岸       盛   一
            裁判官    岸   上   康   夫

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