弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣意は弁護人長崎祐三提出の控訴趣意書記載のとおりであるから、こ
れを引用する。
 同控訴趣意第一(イ)(ロ)について。
 なるほど、原判決は証拠として交通違反現認報告書裏面被告人供述書を挙げてい
るが、これは表面の右報告書を所論の如く刑事訴訟法第三二一条第三項の司法警察
員の検証の結果を記載した書面として証拠に供しているのではなくて、その裏面を
同法第三二二条第一項の被告人作成の供述書として引用していることが記載の文言
自体により窺われるのみならず、原審公判におけるその取調が同条の供述書として
なされていることに徴しても明らかである。次に論旨は、右報告書の裏面には表記
の通りの違反を認むと印刷してあり、被告人が住所を記載し署名押印しているだけ
であるから被告人の供述書にあたらないと主張する。けれども、右書類はその表面
は交通違反現認報告書と題し司法巡査A作成名義のもので、違反の概要欄に「被疑
者は上記日時頃(即、昭和三〇年五月五日午後八時四〇分頃)小倉市a町b丁目c
B巡査派出所前国道上において、自己所有に係る軽自動二輪車福○△×□○号を京
都郡d町より市内e町方面へ向け運転中、免許証許可条件に違反して眼鏡を使用し
て運転しなければならないのに係らず眼鏡を使用せず運転したるもの」と記載され
おり、その裏面には不動文字を以て「表記の通り違反を認む」と記載しありて、末
尾に日付、被告人の住所、氏名の自署及び押印がなされている。従つて右書類の表
と裏は形式上別個の書面ではあるが、裏面記載の文言によれば表の違反の概要欄の
記載部分はそのまま裏面不動文字表示の違反内容をなしておることが一読して極め
て明らかである。而して刑事訴訟法第三二二条第一項の被告人作成の供述書は必ず
しも被告人自ら手記する必要はなく、手記にかえて他人作成名義の文書の一部を引
用しても又不動文字を使用しても、要は書面全体の形式から<要旨>して被告人の意
思に基き被告人自ら作成したものと認めらるれば足るものと解すべきところ、前記
報告書裏面は前記の如く本件違反事実を被告人自ら手記したものでなく手記
にかえA巡査名義の文書中の違反事実を引用し該違反事実を認める旨不動文字を使
用して記載されていて被告人自ら記載したものでないことは勿論であるけれども、
その末尾に日附、住所、氏名を自署し押印しているから、これにより右書面は被告
人の意思に基き自ら作成したものとして被告人作成の供述書に該当するものという
べきである。従つて原審が右書面を被告人作成の供述書として取り調べた上、これ
を証拠に供したのはまことに相当にして論旨は理由がない。
 同控訴趣意第二について。
 しかし、原判決挙示の所論の書類が被告人作成の供述書に該当することは前段説
示のとおりであり、該書面と挙示の原審証人Aの証言殊に「私はその人に免許証に
は眼鏡使用付ということになつているがどうして眼鏡をかけずに運転しているのか
と尋ねますと、眼鏡をかけた方が却つて運転しにくいからということでした」とあ
る部分によれば、被告人が原判示のとおり当時眼鏡を使用しないで軽自動二輪車を
運転した事実は優に認め得べく、記録を精査するも原判決に審理不尽、事実誤認及
び右証人の証言を措信し難い事情は存しない。所論は原審の採用しない証拠に基き
原審が適法になした事実認定を論難するもので採用し難い。
 そこで刑事訴訟法第三九六条に則り本件控訴を棄却すべきものとし、主文りとお
の判決する。
 (裁判長裁判官 西岡稔 裁判官 後藤師郎 裁判官 中村荘十郎)

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