弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人弁護士水田猛男の上告理由について。
 論旨一は、原判決の結果によれば、上告人の昭和二三年度所得は一九七、九〇〇
円(訴外Dの給与所得を除く)であるのに対し同二四年度所得は七二〇、〇〇〇円
となり、その不合理であることは明らかであるというのである。しかし、原判決が
昭和二三年度の所得を一九七、九〇〇円としたのは、被上告人がした更正を根拠が
なく違法とした結果、上告人の申告通りに帰したというに止まり、右の金額以上の
所得がないことまで確定した趣旨ではない。二三年度と二四年度とで所得金額に大
差がある結果になつたからといつて不合理とはいえない。
 論旨はまた、他の商店の所得金額と比較して昭和二四年度所得金額の更正を違法
と主張するのであるが、他の商店の所得金額は上告人の所得金額と関係がない。論
旨はさらに、本件更正は係官の感情によつて行われた旨を主張するのであるが、か
かる事実は原判決の認めない事実であるのみならず、更正がその金額において正当
である以上かかる事実の存否は原判決の結果に関係がない。論旨は理由がない。
 論旨二は、原判決が昭和二五年二月九日の在庫品現在高と認定した金額中には、
同年二月八日現在の在庫品と同年九月一六日の在庫品を包含している旨を主張する
のであるが、原判決の認定するところによれば、乙第一四号証の一、二は同年五、
六月頃作成されたいうのであり、そしてこの認定は原判決挙示の証拠によれば必ず
しも不当とはいえないのである。しからぱ同年九月一六日の差押物件が二月九日の
在庫品中に加算されることはあり得ないことであつて、論旨は原判決の認定と違つ
た事実を主張するか右認定と違つた事実を前提とすることに帰し、到底これを採用
することができない。
 論旨三は、昭和二四年度所得金額を決定するについては昭和二四年一月一日現在
の在庫を明らかにすべき旨を主張するのであるが、上告人の帳簿が完備せず他に資
料がない以上、昭和二五年二月の在庫品によつて二四年中の平均在庫高を推定する
こともやむを得ないことであり、原判示のような事情のもとにおいては右推認を違
法ということはできない。論旨はまた、乙一四号証の一、二は上告人が成立を否認
しているのにかかわらず原判決がこれを採用したのは違法であるというのであるが、
右書証は公務員の作成したものであつて真正なものと推定すべきのみならず、原判
決は、証人の証言によつてその成立の経過を詳細に認定しているのであるから、右
書証の一部を採用して上告人の在庫品を認定したことを違法とすべき理由はない。
論旨は理由がない。
 論旨四は、原判決は立証責任の分配に関する法則を誤つた違法があるというので
あるが、本件の場合、原判決は被上告人の主張立証に基いて上告人の所得金額に対
する被上告人の更正を違法でないとしているのであるから、立証責任の分配に関す
る法則のいかんにかかわらず、原判決に所論のような違法はない。論旨は理由がな
い。
 論旨五は、取引高税の更正に関しては被上告人の主張立証がないにかかわらず、
原判決が上告人敗訴の判決を言い渡したのは違法であるというのである。しかし、
被上告人の原審における主張立証が所得金額、取引高の両者に関するものであるこ
とは記録に徴して明らかである。論旨は理由がない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    高   木   常   七
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

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