弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人岩村辰次郎、同岩村隆弘の上告趣意(後記)について。
 同第一点について。
 所論は、原判決は最高裁判所及び高等裁判所の判例に違反するというのである。
よつて所論の主張するところに従つて記録を調査してみると第一審第一回公判調書
によれば、Aの検察官に対する第五回供述調書が取り調べられた旨の記載があり、
判決はこれを証拠として採用しているが、記録に綴じてあるのは、昭和二七年一〇
月二一日長野地方検察庁上田支部検察事務官小林龍男の認証ある謄本であることは
所論のとおりである。しかし証拠調を終つた後証拠書類は裁判所の許可を得たとき
は、原本に代えその謄本を提出することができることは刑訴法三一〇条但し書の定
めるところであつて、しかもかかる許可の有無は、公判調書の必要的記載事項とは
認められないから、公判調書にかかる記載がないからといつて、右供述調書謄本の
提出に裁判所の許可がなかつたと即断することはできない。(刑訴法四八条二項、
規則四四条一項三〇号ト参照)。のみならず謄本の提出について被告人側から異議
の申立等があつた事跡も記録上認められない経過から見れば、原判決が、論旨の謄
本提出の許可がなかつたものとする主張を採用しなかつたのは不当であるとはいえ
ない。また論旨は記録に綴じてある副検事島田久の長野地方裁判所岩村田支部宛の
書面を援用して、前記供述調書ははじめから謄本によつて証拠調を請求し、そのよ
うに行われたものであると主張するが、その記載を手続の経過と合せて読んでみる
と、却て証拠調は原本で行われたのであるが、提出は謄本をもつてする趣旨を明ら
かにしたものであると認めるのが相当である。従つて本件供述調書の証拠調は原本
によつて行われ、謄本が提出されたものと認めた原判決の判断になんら違法のかど
はない。以上説明のとおりであるから、所論引用の名古屋高等裁判所金沢支部昭和
二五年二月二四日言渡の判決も、また最高裁判所昭和二五年五月二五日第一小法廷
言渡判決も、判断の基礎となつている事実が本件と全く異なるのであるから、これ
を引用して原判決を非難するのは当らない。また前記Aの供述調書の記載方法に関
する非難について考えてみるに、刑訴規則三九条は裁判所又は裁判官が被告人又は
被疑者に対し被告事件又は被疑事件を告げこれに関する陳述を聴く場合に作成すべ
き調書の方式を定めたものであつて、司法警察員又は検察官の作成する供述調書等
の方式に関する規定ではない(刑訴一九八条参照)。所論は刑訴規則三九条の解釈
につき独自の見解に立つて、前記供述調書が問答体に作成されていないから違法で
あり従つて証拠能力がないと主張するのであつて、採用することはできない。従つ
て前記供述調書が違法の証拠であり証拠能力がないという独自の主張を前提とし、
最高裁判所昭和二三年二月九日言渡第一小法廷判決に違反すると主張しても、すで
にその前提を欠く以上、右判例は本件に適切でない。さらに所論は、前記供述調書
に供述者たる被疑者Aの署名押印がないという理由を前提とし、名古屋高等裁判所
昭和二五年一二月一一日言渡判決に違反すると主張するが、前記供述調書謄本の記
載によつても右被疑者の署名押印があつたことが十分に認められるから、これまた
判例違反の主張は前提を欠き採用の限りでない。
 同第二点について。
 所論憲法三八条三項及び刑訴三一九条二項違反の主張は、前記供述調書の証拠能
力を否定し補強証拠とならないという独自の主張を前提とするのであるから、第一
点について説明したとおり前記供述調書が証拠能力に欠けるところがない以上、所
論は前提を失い違憲の主張として成り立たない。
 同第三点について。
 所論は、事実誤認量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
また記録を調べて見ても量刑について不当のかどは認められない。
 その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。
 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和二八年一一月一七日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛