弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人江口繁の上告趣意第一点について。
 被告人が下駄を以て被害者Aに暴行を加えたことは第一審判決挙示の証拠によつ
て認め得られる。仮りにその挙示する証言乃至供述において下駄による暴行か否か
の点につき明確な断定的な証拠を認め得ないとしても、下駄による暴行であること
も推知し得る程度の証言乃至供述がある以上、これを採つて事実認定をなすことは、
経験則又は採証の法則の違背とはならない。また下駄による暴行でない旨の証言が
挙示の証拠中にあつても、これは認定事実に反する証拠は採用しなかつた趣旨と解
すべきである。それ故に原判決が第一審判決挙示の証拠によつて下駄による暴行の
事実を認め得られると判示したことには、所論のような違法はなく、従つて所論憲
法違反の主張はその前提を欠き採用することができない。
 同第二点について。
 第一審判決は、所論被害者の後頭部の腫瘤が被告人B並に第一審相被告人Cの暴
行に因つて生じたものであることを認定している。そうして原判決は右の傷害の程
度等に関する鑑定書によつて明らかな事実と第一病院入口において被害者Aを自動
車から搬出するにあたり手を滑らして頭部を地上に落した際の情況に関する証人D
の供述とを対比考量した上で、被害者の頭部を地上に落したことと前記後頭部の傷
害とは何等の関係なきことを明認できると判示しているのである。してみれば原判
決を以て、不条理な臆測判断、審理不尽、適正を欠く裁判とする所論の非難はすべ
てその理由なく、従つて憲法違反の主張はその前提を欠き採用に値しない。
 同第三点について。
 原判決は被害者Aの死因につき、「同人がヒロポン中毒患者であつたとしてもそ
れが直接又は副合的死因でなかつたこと、鑑定書の記載及び第三回公判における証
人Eの供述に照らして明らかである」と判示しており、これ等の証拠によればヒロ
ポン中毒の点を死因について考慮する必要のないこと明らかであるから、原審に対
する審理不尽の非難はあたらない。従つて所論憲法違反の主張はその前提を欠くの
みならず、その実質は単なる訴訟法違反の主張に外ならないから採用することがで
きない。
 また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見である。
  昭和二八年九月一五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛