弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 弁護人森安敏暢の控訴の趣意は記録編綴の控訴趣意書記載のとおりであるから、
ここにこれを引用する。
 これに対する当裁判所の判断は次のとおりである。
 弁護人の控訴の趣意の要旨は、本件は、当初検察官において不起訴処分に付せら
れたものであつたが、本件事故のため、店舗その他の物件を破壊されて被害を被つ
たAから、今市検察審査会に対し審査の申立をなし、同審査会は右申立に基き、審
議の結果、昭和二九年一二月一五日検察官の不起訴処分は相当でなく、起訴を相当
と認める趣旨の議決を為し、該議決に基因して起訴されたものである。ところで道
路交通取締法において保護される法益は「道路交通の安全」と解すべきものにし
て、同法違反の行為により被害を受けた個人を目して、同法違反の行為により法益
を侵害されたものと為すことはできない。従つて前記検察審査会に対する審査申立
人Aは、同法違反の行為によつて、「犯罪によつて害を被つた者」ではなく、検察
審査会法第二条第二項の審査申立権者に該当しないものであるから、前記審査申立
は、違法にして、申立権のない者の申立に基き審査を開始し、ついで議決した、そ
の議決は当然無効である。しかして検察審査会における検察官の公訴を提起しない
処分の当否に関する議決は、あたかも親告罪における告訴と同一性質のもので、右
議決に基因する公訴の提起についての訴訟条件と解すべきであるから、本件起訴
は、適法な議決を経ずして為されたもので、その訴訟条件を欠ぎ、結局公訴提起の
手続が、その規定に反し、無効であるから、刑事訴訟法第三三八条第四号に則り公
訴棄却の判決をなすべきであるのに、原判決が有罪の宣告をしたのは、法令の適用
を誤つたものである、というのである。
 <要旨>しかし、検察審査会法第二条第二項又は同法第三〇条所定の「犯罪によつ
て害を被つた者」とは、犯罪行為によつて自己の生命、身体、自由、財産等
に被害を受けた者を指称するものにして、ある種の取締法規によつて保護せられる
法益が、一般的には公益に関するものと目せられる場合でも、その個々の法規に違
反した行為によつて、直接自己の身体、財産等に被害を受けた者も、ここにいわゆ
る「犯罪によつて害を被つた者」と解すべきものにして、道路交通取締法の被害法
益は、一般的には道路交通の安全という公益ではあるが、同法に違反して無謀な運
転をし、他人の器物を損壊する行為があつたときは、該行為によつて損壊された物
の所有者は現に道路通行中のものでなくても同法違反の「犯罪によつて害を被つた
者」に該当するものと解するを相当とする。すると、本件被告人の行為によつて、
店舗その他の器物を破壊された前記Aは、被告人の犯罪行為によつて害を被つた者
に該当しその事件についての検察官の不起訴処分に対し、適法に検察審査の申立を
為し得るものであるから、その適格を欠ぐことを前提とする論旨は理由がない。の
みならず又刑事訴訟法の立前は、公訴権の行使を検察官に専属させその行使につい
てはいわゆる起訴便宜主義を採用するものであるから一定の事項を、公訴権の行使
についての訴訟条件とするには、特に規定の存する場合に限るものなるところ、検
察審査会における審査の結果、検察官の不起訴処分を不相当とし、起訴を相当とす
る議決があつた場合、その議決の効果について、検察審査会法第四一条によれば、
「検事正は、……その議決を参考にし、公訴を提起すべきものと思料するときは、
起訴の手続をしなければならない」と規定している。これによれば即ち右議決は、
当然に検察官を拘束するものではなく、検察官は、右議決を参考にし、更に取調を
為し、又はこれを為さずして自らの裁量により、不起訴処分を維持し、又は公訴提
起を相当とするときは、起訴手続をするものにして、右起訴手続をするについて、
審査会の議決を訴訟条件と解すべき法的根拠は一つも存在しない。故に、仮に論旨
主張の如く、前記審査会の議決が、審査申立権のないものの申立に基き為された違
法のものであるとしても、本件起訴の効力に何等消長を来すものではない。論旨は
理由がない。
 よつて刑事訴訟法第三九六条に則り本件控訴を棄却するものとし、主文のとおり
判決する。
 (裁判長裁判官 岡田建治 裁判官 組原政男 裁判官 竹島義郎)

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