弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人小島利雄、同妹尾修一朗の上告趣意第一点について。
 かりに裁判が迅速を欠いた違法があるとしても、そのこと自体は判決に影響を及
ぼさないことが明らかであるから、これをもつて上告の理由とすることはできない
ことは、当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第一〇七一号同年一二月二二日大法廷
判決刑集二巻一四号一八五三頁、昭和二四年(れ)第二三八号同年一一月三〇日大
法廷判決刑集三巻一一号一八五七頁各参照)とするところである。それ故所論憲法
三七条一項違反の主張は、その主張の細部を論ずるまでもなく理由がない。その余
は事実誤認、量刑不当の主張を出ないから、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 同第二点について。
 しかし憲法三六条にいわゆる「残虐な刑罰」とは、刑罰そのものが不必要な精神
的肉体的苦痛を内容とする人道上残酷と認められる刑罰を意味し、法定刑の種類の
選択または範囲の量定の不当を指すものでないことは、当裁判所の判例(昭和二二
年(れ)第三二三号同二三年六月二三日大法廷判決刑集二巻七号七七七頁参照)と
するところ、原判決が是認した第一審判決によれば、第一審は各犯罪事実に対して
相当法条を適用し、その処断刑の範囲内で被告人Aをその主文の如く処断している
ことが明らかであるから、所論憲法三六条違反の主張は、理由がない。また、憲法
三七条一項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」とは、不公平でない組織、構成の裁
判所による裁判を意味するのであつて、原審の刑の量定が被告人から見て不当であ
ると思料しても、右憲法の条項に違反しないものであることは、当裁判所の判例(
昭和二二年(れ)第四八号同二三年五月二六日大法廷判決刑集二巻五号五一一頁参
照)とするところであるから、単に相被告人らとの刑の均衡を欠く旨を非難するに
すぎない所論憲法三七条一項違反の主張は、理由がない。その余は量刑不当の主張
であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 同第三点について。
 所論は違憲をいうが、実質は単なる訴訟法違反の主張にすぎず、刑訴四〇五条の
上告理由に当らない(所論の点につき昭和二四年(れ)第二四四五号同二五年二月
二八日第三小法廷判決刑集四巻二号二八三頁参照)。
 被告人Bの弁護人太田常雄、同海老原信治の上告趣意第一点について。
 しかしながら昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法七五条三項は、同条
一、二項の犯罪にかかる貨物に対する関税の一〇倍の額が五〇万円を超えた場合は、
情状により、裁判所の裁量をもつて、同条一項所定の罰金刑に対する加重として、
同条三項を適用して処断刑の最高限を、その関税の一〇倍相当額とすることができ
る旨を定めたものであつて、右条項による処断をもつて、法律の定める手続によら
ない処断と解するには当らない。所論は、肯認することができない右条項に対する
独自の見解を前提とする違憲の主張であるから、その前提において不適法たるをま
ぬがれず、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 同第二点について。
 所論は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 同第三点について。
 所論は、違憲をいうが、実質は単なる法令違反の主張にすぎないから、刑訴四〇
五条の上告理由に当らない。
 同第四点について。
 所論は、採証法則違反、事実誤認の主張を出ないから、刑訴四〇五条の上告理由
に当らない。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和三八年九月一七日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐

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