弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1本件抗告をいずれも棄却する。
2抗告費用は,各抗告人の負担とする。
理由
第1当事者双方の申立の趣旨及び理由
1抗告人ら
別紙抗告状記載のとおりであるから,ここに引用する(ただし,抗告の趣旨
第2項に「1月23日」とあるのは「1月13日」の誤記と認める。。)
2相手方
別紙意見書記載のとおりであるから,ここに引用する。
第2事案の概要等
1本件の事案の概要,原審における当事者の主張及び記録により認めることの
できる抗告人らに対する本件各除去命令の発令から行政代執行法3条1項に基
づく戒告に至るまでの事実関係は,原決定該当欄(1頁25行目から同6頁3
)(。),行目までに記載のとおり原審申立人Dに関する部分を除くであるから
ここに引用する。
2原審は,平成18年1月25日,抗告人らの本件執行停止の申立てをいずれ
も却下した(原決定。)
3本件は,抗告人らが原決定を不服として申し立てた抗告事件である。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,原決定と同じく,本件各除却命令が違法であるとは認め難く,
本件執行停止申立てについては,行訴法25条4項にいう「本案について理由
がないとみえるとき」に当たるものというべきであるから,その余の点につい
て判断を加えるまでもなく,抗告人らの本件執行停止の申立ては,理由がない
ものと判断する。
その理由は,原決定の理由説示と同一(ただし,原審申立人Dに関する部分
を除く)であるから,これを引用する。。
2抗告理由について
()都市公園法27条と行政代執行法1条の解釈の誤りについて1
所論の点については,原審が原決定8頁16行目から同10頁3行目まで
に詳細に説示するとおりであって,当審も同意見である。
すなわち,本件各除却命令は,都市公園法27条1項の規定に基づくもの
であるところ,本件各物件は,同条項の定める「都市公園に存する工作物そ
の他の物件若しくは施設」に該当するものであることは明らかであり,本件
各除却命令は,抗告人らに対してその除却を命じるものに過ぎない。
抗告人らは,本件各除却命令は,抗告人らの占有を解くことを不可避的に
,,,含むものであって都市公園法の予定しないものである旨主張するが仮に
抗告人らが,本件各物件のうちテント等を所有することにより,その敷地部
分を占有していると観念する余地があるとしても(そもそも,都市公園法3
2条によれば,都市公園を構成する土地物件については,原則として私権を
行使することはできないものとされている,原決定の説示するとおり,。)
同敷地部分の明渡しは,テント等の除却の義務が実現されることに伴って事
実上生じる結果に過ぎないのである。そして,このように解したからといっ
て,直ちに憲法13条や25条に違反することになるとは解されない。
抗告人らの主張は,採用できない。
()原決定の市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下「自由権規約」2
という)違反について。
所論は,要するに,抗告人らの居住しているテント等は,自由権規約17
条1項にいう住居にほかならないところ,本件各除去命令は,除去命令及び
行政代執行という工作物等(これには住居は含まれない)を対象とした手。
続によって,抗告人らの住んでいる住居を強制排除しようとするものである
から,同条にいう住居に対する恣意的もしくは不法な干渉にほかならず,同
条項に違反するというものと解される。
しかしながら,同条項は,住居等に対する「恣意的もしくは不法な干渉」
を禁じるものであるから,仮に,抗告人らの主張するとおり,抗告人らのテ
ント等が抗告人らの住居に当たるとみる余地があるとしても,原決定が13
頁23行目から19頁16行目までに詳細に認定説示するように,ホームレ
スの自立の支援等に関する特別措置法等に基づく周到な配慮をしたうえ,都
市公園法27条1項という法律の根拠に基づいてされている本件各除却命令
が自由権規約17条1項に違反するといえないことは明らかというべきであ
る。
抗告人らは,都市公園法は,住居やプライバシーに対する配慮を欠いてお
り,同条項の求める要件を満たした法律とはいえないとも主張するが,そも
そも,都市公図法は,都市公園の用地内において,占用許可を受けないまま
住居が設けられることを予定した法律ではないから,所論は,その主張の前
提を欠くものというべきである。
抗告人らの主張は,採用できない。
3以上の次第で,原決定は正当であり,本件抗告は,いずれも理由がないから
棄却することとし,主文のとおり決定する。
平成18年1月29日
大阪高等裁判所第10民事部
裁判長裁判官田中壯太
裁判官松本久
裁判官村田龍平

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