弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     請求人に対し、金三万八四〇〇円の補償金を交付する。
         理    由
 本件補償請求の要旨は、請求人は、昭和四六年一月二九日窃盗被告事件について
公訴を提起され、昭和五二年三月一七日最高裁判所において無罪の判決の言渡を受
けたものであるが、昭和四六年一月一九日から同年二月四日までの間及び昭和四七
年一一月七日の合計一八日間の未決の拘禁を受けているから、その日数に応じ、一
日当り金三二〇〇円の割合による刑事補償を求める、というのである。
 よつて、請求人に対する前記窃盗被告事件(最高裁判所昭和四八年(あ)第一一
五八号)記録を調査するに、請求人は、昭和四六年一月一九日「他人と共謀のうえ、
昭和四五年五月一五日ころ、東京都八王子市a町b番地A株式会社B研究所C室倉
庫において、同研究所長D管理の動力電線三〇キロ位を窃取した」との事実により
逮捕され、昭和四六年一月二一日右被疑事実により勾留されたが、同月二九日「他
人と共謀のうえ、昭和四四年九月二五日ころ、横浜市c区de丁目f番地E工事現
場内F株式会社現場事務所西側資材置場において、G管理の排水用鉛管約四一本を
窃取した」との事実により勾留のまま公訴を提起され、即日右事実により改めて勾
留され、昭和四六年二月四日保釈許可により釈放されるまで引き続き勾留されてい
たこと、その後同被告事件につき八王子簡易裁判所及び東京高等裁判所は各有罪の
判決を言い渡したが、昭和五二年三月一七日最高裁判所第一小法廷において無罪の
判決が言い渡され、同判決は同月二九日確定したこと、右逮捕及び昭和四六年一月
二一日付勾留の基礎となつた窃盗被疑事実は不起訴となつたが、右勾留期間中の同
月二四日以降請求人は無罪となつた事実の取調べを受けていること、以上の事実が
認められる。ところで、刑事補償法一条にいう「未決の抑留又は拘禁」中には、無
罪となつた公訴事実に基く抑留又は拘禁はもとより、たとえ不起訴となつた事実に
基く抑留又は拘禁であつても、そのうちに実質上は、無罪となつた事実についての
抑留又は拘禁であると認められるものがあるときは、その部分の抑留及び拘禁もま
たこれを包含するものと解するのを相当とする(最高裁判所昭和三〇年(し)第一
五号同三一年一二月二四日大法廷決定・刑集一〇巻一二号一六九二頁)。本件公訴
提起前の逮捕及び勾留は、不起訴となつた事実に基くものであるが、昭和四六年一
月二四日以降請求人は無罪となつた事実の取調べを受けているので、右勾留中同日
以降の部分は、実質上、無罪となつた事実による勾留と認めるのが相当である。し
てみると、請求人に対しては、無罪となつた公訴事実により勾留された公訴提起の
日以後の拘禁についてはもとより、公訴提起前の勾留のうち同月二四日以降の拘禁
についても、補償をすべきことになる。本件請求のうち、同月一九日から二三日ま
での逮捕及び勾留による補償を求める部分は、右逮捕及び勾留は無罪となつた事実
に基くものではなく、また、第一審判決言渡当日である昭和四七年一一月七日の補
償を求める部分は、請求人を拘禁した事実がないので、いずれも失当である。
 よつて、請求人に対しては、昭和四六年一月二四日から同年二月四日までの一二
日間につき、刑事補償法一条による補償をすべき場合に該当するから、当裁判所は、
同法四条二項所定の事情を考慮し、請求人の受けた拘禁の日数に応じ、一日金三二
〇〇円の割合による額の補償金合計三万八四〇〇円を請求人に交付するのを相当と
認め、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
  昭和五二年六月二〇日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岸   上   康   夫
            裁判官    団   藤   重   光
            裁判官    藤   崎   萬   里

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