弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人河和金作、同河和松雄の上告理由第一点について。
 強制疎開は、戦時防空上の必要から、一定の土地に建物の存在を許さないために
なされたものであるから、強制疎開命令を受けいまだ建物が除却されない間に、空
襲により焼失した建物の敷地を、その建物の居住者であつた者に再び使用を許すこ
とは、強制疎開の意義を失うものである。従つて、強制疎開の命令を受けた建物が
その除却前に罹災したとしても、これをもつて戦時罹災土地物件令四条にいう滅失
といえないことは、原判決の説示するとおりである。それ故、原判決は、所論のよ
うに同条の解釈を誤つたものではないから、論旨は理由がない。
 同第二点及び第三点について。
 原判決は、本件調停手続においては必ずしも当初から当事者間に調停条項の一致
を見ず、被上告人側代理人Dと上告人Aの代理人弁護士Eとの間に多少の論争がな
され、E代理人並びに上告人等から種々意見ないし希望の申出がなされたのであつ
たが、結局関係人等がすべて納得の上本件調停が成立をみるにいたつたと認定した
上、上告人等がたとえ当時前記物件令の公布施行の事実を知らなかつたとしても、
右事実は調停の実質に何ら影響なく、錯誤の主張は許されないと述べているのであ
るから、上告人等は土地使用権の有無にかかわらず調停条項のとおり本件建物を収
去してその敷地を明け渡すことを任意承諾したものであつて、何ら錯誤のなかつた
ことを判示した趣旨と解するのを相当とする。そして、当事者が任意にかかる調停
条項を約定することは、もとより強行法規に反するものではない。それ故、本件調
停において上告人等が土地明渡を約定した以上、上告人等が前記物件令四条により
本件土地について使用権を有したか否かは問題とならないのであるから、かかる権
利を有したことを主張する論旨は、すべて理由がない。なお、論旨に援用する判例
は、本件と事案を異にするので適切でなく、原判決は、もとより右判例と相反する
判断をしたものではない。
 同第五点について。
 所論は、違憲をいうも、その主張は、上告人等が本件調停によつて敷地使用権を
奪われたことを前提とするものであるところ、上告人等は本件調停に応じ任意にそ
の条項を承諾したものであること、前説示のとおりであるから、論旨は前提を欠き
理由がない。
 その他の論旨は、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」
(昭和二五年五月四日法律一三八号) 一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同
法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎
            裁判官    垂   水   克   己

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛