弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人佐藤欣哉、同吉村和彦の上告理由第一について
 民訴法四二〇条一項六号に該当する事由を再審事由とする再審の訴えが同条一項
但書により許されないのは、再審原告が、再審の訴えの対象となった判決に対する
上訴により、右再審事由のほか、同条二項の要件を主張したか又は右要件の存在を
知りながらこれを主張しなかった場合に限られるものである(最高裁昭和四四年(
オ)第二一〇号同四七年五月三〇日第三小法廷判決・民集二六巻四号八二六頁)。
また、同条二項の「証拠欠缺外ノ理由ニ因リ有罪ノ確定判決…ヲ得ルコト能ハサル
トキ」とは、再審の訴えの対象となった判決の証拠とされた文書の偽造等につき、
本来ならばその実体において有罪の確定判決を得ることが可能であったのに、被疑
者の死亡、公訴権の時効消滅、不起訴処分等実体に関係のない事由のためこれを得
られなくなったことをいうものであるから、文書の偽造等につき有罪の確定判決が
ない場合に同条一項六号に基づいて再審を申し立てる当事者は、被疑者の死亡等同
項所掲の事実だけではなく、それらの事実がなければ有罪の確定判決を得ることが
可能であったことについてもこれを立証しなければならないものというべきである
(最高裁昭和三九年(オ)第一三七四号同四二年六月二〇日第三小法廷判決・裁判
集民事八七号一〇七一頁、最高裁昭和四八年(オ)第一一八九号同五二年五月二七
日第二小法廷判決・民集三一巻三号四〇四頁)。
 そして、右のように、民訴法四二〇条一項六号に該当する事由を再審事由とし、
かつ、同条二項の適法要件を主張する再審の訴えにおいては、被疑者の死亡等の事
実が再審の訴えの対象となった判決の確定前に生じた場合であっても、文書の偽造
等につき有罪の確定判決を得ることを可能とする証拠が再審の訴えの対象となった
判決の確定後に収集されたものであるときは、同条一項但書には該当せず、再審の
訴えが排斥されることはないというべきである。
 これを本件についてみると、原審の適法に確定したところによれば、再審甲五号
証の売上帳及びDの証言が得られたのは、昭和六二年一一月一〇日に再審の訴えの
対象となった判決が確定した後であり、被上告人らは、これらの証拠により、右確
定判決の証拠となった甲一一号証の株券は、E機械工業株式会社の代表取締役の地
位を失った亡Fが昭和五二年一一月ころ右会社の変更前の商号であるG製作所の代
表取締役名義で作成日付をさかのぼらせて作成した偽造の文書である、ということ
を主張、立証しており、また、これらの証拠は、右文書偽造について有罪の確定判
決を得ることを可能にするものであるが、それが得られた時点で既に行為の時から
七年が経過し、公訴時効の期間が満了していたというのである。そうすると、本件
再審の訴えは、民訴法四二〇条二項の前記の要件を具備しており、同条一項但書に
よって不適法となるものではない。これと同旨の原審の認定判断は、原判決挙示の
証拠関係に照らし、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。
論旨は採用することができない。
 同第二について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当とし
て是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨はすべて採用することが
できない。
 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意
見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    可   部   恒   雄
            裁判官    大   野   正   男
            裁判官    千   種   秀   夫
            裁判官    尾   崎   行   信

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