弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人提出の上告趣意について。
 しかし、日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律第十三条
第二項により刑事訴訟法第四百十二条及び第四百十四条は廃止せられたから、原審
の事実認定及び量刑に対しては、上告を以つて不服を申し立てることはできないの
である。被告人の主張は、自分は本件に付いては殺意がなく、且その実行行為にも
手を借したことがないのだから、この点原判決の事実の認定に誤りがある。また、
自分が犯罪後改心している点や家庭の事情等を汲んで、寛大な処置を願うと云うの
であつて、結局原審の事実誤認及び量刑不当を理由とするものであつて、上告適法
の理由とならない。
 弁護人宮崎速任提出の上告趣意第一点について。
 原審は、所論殺意の点については、被告人等の原審公廷に於ける供述を措信でき
ないものとして排斥し、被告人及び原審相被告人Bに対する検事の各訊問調書の記
載を採用して、これを認定したのである。論旨は原審の採用しなかつた証拠に基い
て原審の事実認定を非難するものであるから、上告適法の理由とはならない。
 同第二点に付いて
 刑法第四十三条にいわゆる「犯罪の実行に着手し之を遂げざるもの」とは、その
行為を以て犯人の予見する結果を惹起することができる実行行為に着手し、その犯
罪を遂げなかつた場合を意味し、その実行行為を以ては絶対に犯人の予見する結果
を惹起することができない場合には、同条の未遂罪を以て論ずることができないこ
とは所論の通りであるが、原判決の認定するところによれば、被告人等は共謀して
自動車運転手を殺害して自動車を強奪しようと企て、所携のバンドを自動車運転手
Aの頸部に掛けて絞め付けたが、偶々該バンドが切れた為めに殺害の目的を遂げな
かつたと云うのであり、しかして右バンドが紙製擬革品であつても、右の方法を以
つてすれば絶対に人を殺害することができないものではなく、殺害の結果を惹起す
る危険は十分あつたのであるが、偶々、右バンドが切れたために殺害の目的を遂げ
ることができなかつたと云うに過ぎない。また犯罪の時刻及び場所が殺人を行うに
不適当であつたからと云つて、殺害の結果が発生しないと云うことができないこと
も自明のことである。したがつて本件殺人未遂の点は、所論のようにいわゆる不能
犯にはあたらない。論旨は理由がない。
 同第三点について。
 憲法第三十七条第一項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」とは偏頗や不公平のお
それのない組織と構成とをもつた裁判所による裁判を意味するのであつて、原審の
事実の認定又は刑の量定を被告人から見て不当であるとしても、右憲法の条項に違
反しないものであることは、既に当裁判所の判例(昭和二十二年(れ)第四八号窃
盗被告事件同年五月二十六日大法廷判決、昭和二十三年(れ)第一七一号公文書偽
造収賄被告事件同年五月五日大法廷判決)とするところである。論旨は原審が被告
人についてAに対する殺意のあつたことを認定し、懲役十五年の刑に処したのは右
憲法の条項に違反すると主張するに外ならないものであるから、上告適法の理由と
ならない。
 同第四点について。
 しかし、刑事訴訟法第四百十条各号に規定する場合を除くのほか、法令に違反す
る点があつても、判決に影響を及ぼさないときは、これを上告理由とすることがで
きないことは、同法第四百十一条の規定するところである。所論の実況見分書は原
判決の証拠として採用しないものであつて、従つて仮にその作成手続上に違反があ
つたとしても、この違法は原判決に影響がないこと明白であるから論旨は理由がな
い。
 よつて、刑事訴訟法第四百四十六条に則り主文の通り判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 十蔵寺宗雄関与
  昭和二三年九月一八日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重

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