弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

令和2年9月15日宣告大阪高等裁判所第1刑事部
令和2396号傷害致死,傷害被告事件
主文
本件控訴を棄却する。
当審における未決勾留日数中150日を原判決の刑に算入する。
理由
第1本件控訴の趣意
原判示第1から第3のいずれについても,被告人と共犯
者らとの共謀を認め,被告人がその刑責を負うとした原判決には,判決に影響を及
ぼすことが明らかな事実誤認がある原判示第1に係る傷害罪と同第2に係る傷
害致死罪とは包括一罪と評価すべきであるのに,これらが併合罪の関係にあるとし
て法定の加重をした原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤
りがある,被告人を懲役9年に処した原判決の量刑は重すぎて不当である,とい
うものである。
第2控訴趣意に対する判断(以下,略称は原判決の表記に従い,年の記載を省略
した日付けは平成29年のものである。)
1事実誤認の主張について
本件公訴事実の要旨は,被告人が,A及びB12月中旬頃から
同月24日頃までの間,当時の被告人方において,被告人の長男であるCに対し,
その顔面,胸部,腹部,側腰部,背部,臀部及び両上下肢を拳骨,平手等で多数回
殴打するなどの暴行を加え,全治不明の顔面,胸部,腹部,側腰部,背部,臀部及
び両上下肢打撲等の傷害を負わせた(平成30年11月28日付け起訴状記載の公
訴事実・訴因変更後のもの),12月24日午後5時23分頃から翌25日午前2
時11分頃までの間に,当時の被告人方において,Cに対し,その腹部に強い衝撃
を与える何らかの暴行を加え,腸間膜破裂の傷害を負わせ,同日午前3時25分頃,
この傷害に基づく腹腔内出血により死亡させた(平成30年1月15日付け起訴状
記載の公訴事実),12月中旬頃から同月25日までの間,当時の被告人方又はそ
の周辺等において,被告人の二男であるDに対し,その顔面,腹部等を拳骨,平手
等で多数回殴打するなどの暴行を加え,少なくとも全治約1週間を要する多発打撲
等の傷害を負わせた(平成30年8月15日付け起訴状記載の公訴事実),というも
のである。
被告人とA,Bは,いずれについても同じ起訴状で起訴され,原審の公判前整理
手続は,途中まで3名が併合された状態で進行していたが,AやBは各公訴事実を
争わない姿勢を示したのに対し,被告人がいずれの実行行為も共謀も否認する旨の
主張をしたため,両名とは分離して審理する旨の決定がなされ,AやBの関係では
平成31年3月までに審理・公判を終えて判決が確定した。被告人については,そ
の後も公判前整理手続が続き,事実認定に関する争点は,共謀とCに対する傷害致
死の実行行為の時期,の2点であるとされた。
原判決は,原審公判に証人として出廷したAやBの供述等に基づき11月
にAらと同居して以降,被告人が,しばしば,CやDに対し,傷害を生じさせたと
は認められない程度の暴行を加えてい被告人が「しばいて」等と求めた
ことが,Aらの暴行のきっかけとなり,暴行がエスカレートしてからも,Aらに「し
ばいて」等と言っていたこと,12月中旬以降,Aらの暴行がエスカレートし,
Cらの身体に皮下出血等も生じていたが,被告人は,Aらの暴行を目の当たりにし
ながらもこれを制止していないこと,などを認定した。これらの事情から,被告人
の言動こそが,Aらが子供たちに暴行を加える発端となったもので,被告人は,1
2月中旬以降のAらの激しい暴行を目の当たりにしながらも,そのような状態を容
認していたばかりか,自らも暴行を加え,Aらに「しばいて」等と求めるなど,暴
行を助長する態度を示していたもので,被告人と,C及びD,Aらとの関係性や立
場も併せれば,被告人の言動や存在が不可欠の要素となって本件一連の犯行が実現
したというべきであるとして,12月中旬頃には,被告人は,C及びDに暴行を加
えることについてAらとの共謀関係を形成していたと認めた。そして,原判示の各
犯行の場面で,被告人とC,D,Aらとが生活空間を異にしていたこともないから,
いずれの犯行との関係でも共同正犯としての責めを負うと結論づけた。
このような原判決の共謀の認定過程に,論理則,経験則等に反する不合理な点
はなく,被告人がいずれの事実についても共同正犯としての刑責を負うとしたのは
正当として是認できる。以下,若干補足する。
原審関係証拠によれば,本件の発覚の端緒は,12月25日午前2時11分頃,
被告人が,Cの心臓が止まっているとして救急車を要請し,搬送先の病院において
死亡が確認されたことにあり,その時点でCの身体には致命傷となった腹部打撲の
みならず,全身に多数の打撲が存し,同じ日に保護されたDの身体にも原判示第3
事実記載の多発打撲等が認められたのであるが,これら打撲には発生時期が様々に
異なるものが混在していたことが認められる。また,CとDは,いずれも単独親権
者である被告人に養育されてきたのであるが,平成28年6月にはネグレクトの疑
いで一時保護されたことがあるなど,かねてから被告人の養育の適切さには懸念が
もたれていたこと,11月11日に被告人が交際相手のAとその知人Bを自宅に引
き入れて共同生活が始まると,同月下旬から,被告人は,D,Cを相次いで保育所
に行かせなくなり,心配した職員が保育所に来させるよう促したのに,これに応じ
なかったこと,その過程で被告人方を訪問した保育所職員がDの顔面にあざができ
ているのを確認したことなどの事実も認められる。これらの事実関係からは,被告
人がAやBとの共同生活をするようになって以降,同居していたCやDが家庭内で
継続的な身体的虐待にさらされるようになり,それによってCの死亡結果が生じた
ことが強く推認される。
原審公判に出廷したA及びBは,いずれも,被告人が共同生活を主導していたこ
と,被告人は,同居当初から気に入らないことがあるときなどに日常的にCやDに
暴力を振るっていたこと,やがて,AやBにも暴力を振るうよう求めてきて,これ
に応じて同人らも子らをたたくなどしていたこと,やがて不平不満や身勝手な言動
の多い被告人との共同生活にストレスがたまっていき,12月中旬頃からこれを発
散させるために子らへの暴力がエスカレートし,性器を引っ張る,無理な姿勢を取
らせ,できないと殴る,おむつへの排泄の有無を申告させ,事実に反するときには
殴るなどするようになったこと,被告人は,これを見ながら制止せず,相変わらず
自分でも子らに暴力を振るったり,AやBにも暴力を求めたりしていたことなどを
一致して供述している。このような供述は,CやDの身体に確認された打撲等の原
因や保育所に行かせていなかった経緯について,合理的に説明するものといえる。
AとBが,Cの死を悟った数時間後に自ら警察に出頭して責任を認め,起訴後も公
訴事実を争っていないこと,相互の説明内容が概ね一致している上,原判決が摘示
するような他の客観証拠との整合性も認められることなどからすると,子らへの暴
行が始まり,エスカレートしていった経過に関する両名の供述は信用できるとみて
よい。
これに対して,被告人は,原審公判において,しつけの範囲内として平手で頭を
軽くたたく程度の暴行は,自分でもしていたし,Aらにも依頼したことがあるが,
あざが残るような暴行はしてほしくないと思っていたこと,AやBは,依頼を超え
てCやDに強い暴行や虐待をするようになり,やめるように求めたが,聞いてくれ
なかったことなどを供述するが,この供述が信用できないことは,原判決が正当に
説示するとおりである。
このような証拠関係によれば,被告人は,AやBとの共同生活の中で,自ら主導
して,ストレス発散などのために,CやDに暴力を振るい,虐待するという関係を
形成し,その中で被告人,A及びBの3名がCやDに継続的な暴行に及び,それに
よって傷害を負わせたことを認めることができる。
他方,12月24日午後5時23分頃に被告人とCらが外出から帰宅して以降の
事実経過に関するAとBの供述には暴行に及んだ契機やその態様に相違する部分も
みられ,他に信用性の高い証拠もないため,Cに致命傷を負わせた人物や時期,そ
の暴行の態様等を確実に認定することはできない。しかし,帰宅してから断続的に
Cへの暴行が続いており,夕食を与えた後にもあったこと,その中にはAやBがC
の腹部を殴打する行為も含まれていたことについては,A及びBのそれぞれが自認
しており,このような両名の供述内容は,Cの遺体の解剖医の推定する致命傷の原
因となった暴行の時期(夕食の1ないし2時間後辺り)や態様と整合していて信用
できる。これらによれば,12月24日の帰宅後に,被告人とA,Bの3名による
子らへの暴行が始まり,その一部が,Cへの致命傷を生じさせたと認めることがで
きる。
このように,本件は,被告人とA,Bの3名が,被告人の主導あるいは容認の下,
日頃から子らへの暴行を繰り返してきた中で生じたものであるから,3名が共謀の
上で行われたものと評価できる。被告人が,原判示の各事実のいずれについても,
共同正犯としての責任を負うのは当然である。
これに対し,所論は,被告人が各事実について共同正犯としての責任を負うと
いうためには,傷害結果を生じさせるほどの暴行(あざができるようなレベルの暴
行),あるいは,Cが死に至る強い暴行を加えることについて共謀があったといえな
ければならないとの前提の下,被告人は,子らが言うことを聞かない際に軽くたた
く程度のことをAらにも認めただけで,傷害結果を生じさせるような暴行について
は制止しており,そのような暴行を容認する動機がなく,被告人自身が激しい暴行
を振るった事実もないから,共謀は認定できないと主張する。
しかし,所論主張の被告人による暴行の制止は,被告人の原審公判供述に一部表
れているものの,同供述が信用できず,かえって,被告人が子らへの暴行を容認し,
助長していた旨のAやBの供述の信用性が高いことは,前記のとおりである。また,
被告人自身もAらとの共同生活にストレスを高じさせていた事情がうかがえるから,
それを子らへの虐待という形で発散させていたとみて何ら不思議ではないし,本件
のような家庭内の児童虐待の事案では,格別の動機もないのに暴行がなされること
が珍しくないから,動機に関する所論の指摘は的外れといえる。本件では,被告人
自身の個別の暴行とCやDの身体に確認された傷害との間に因果関係を認めるだけ
の資料がないとはいえ,被告人,A及びBが暴行を反復継続していたために個別の
暴行と傷害との関係が不明であるにすぎず,被告人の暴行によって傷害が生じたと
言い切れないとの点が,共謀の認定を妨げるものではないことも明らかである。よ
って,この点に関する所論の指摘は,採用できない。
なお,所論は,原判決が,被告人が交際相手(Aとは別人)に送った「Cの顔見
てびっくりせんといてね笑」等のメッセージを,皮下出血の生じたCを嘲笑してい
ると捉え,傷害を生じさせる暴行を容認していたと判断している点について,「笑」
の記号は親しい相手に使う常套句的なものであるから,嘲笑の意図を読み取るのは
誤りであると指摘する。しかし,メッセージの末尾の「笑」の文字が所論の指摘の
ような趣旨であるとしても,被告人のメッセージの全体を通して,Cを負傷させた
Aらの行為への非難や,それを防止できなかったことへの悔悟,Cへの心配などが
読み取れず,その語調に深刻さがないことは確かであるから,原判決が,このメッ
セージを根拠の一つとして,被告人が,Aらによる12月中旬以降のエスカレート
した暴行を容認していたと判断したことが誤りであるとはいえない。
所論は,Cの致命傷をもたらした暴行は,12月23日あるいは同月24日に被
告人が自宅を離れていた間,Aらによってなされた可能性があるとも主張するが,
Cの遺体の解剖医の原審証言等によると,死因となった腸間膜破裂は12月24日
の夕食後1ないし2時間辺りで生じたと認められるから,同日午後5時23分頃に
被告人とCらが帰宅して以降に,被告人の目の届く範囲内で,その原因となる暴行
が行われたことは明らかである。また,このような暴行は,被告人とA,Bの3名
が共同生活を営む中で日常的に行われていたもので,被告人は常日頃,これを主導
あるいは容認していたのであるから,仮に,被告人が目を離した隙に当該暴行がな
されたとしても,そのことで共謀の認定が左右されるとは考えられない。
その他の所論を踏まえて記録を調査しても,原判示第1から第3のいずれについ
ても,被告人とAらとの共謀の成立を肯定した原判決の認定に,判決に影響を及ぼ
すことが明らかな誤認があるとはいえない。
論旨は理由がない。
2法令適用の誤りについて
Cに対する傷害致死及び傷害被告事件の原審での公訴提起や訴因変更請求等の
経過は,次のとおりである。
平成30年1月15日付け起訴状により傷害致死被告事件が起訴され,その公訴
事実は,検察官は,平成30年10月23日
付け訴因変更請求書により,この公訴事実の犯行の始期を「平成29年12月中旬
頃」とし,暴行の態様を「その腹部を拳骨で多数回殴打するなどの暴行」とする訴
因変更請求をしたが,平成30年11月28日付け起訴状により,「被告人ら3名は,
共謀の上,平成29年12月中旬頃から同月24日頃までの間,Cに対し,その側
腰部等を拳骨,平手等で多数回殴打するなどの暴行を加え,同人に全治不明の側腰
部打撲等の傷害を負わせた」との公訴事実の傷害被告事件を起訴した上で(その後
に,暴行の部位や傷害の内容を拡張する訴因変更請求をして許可されている),平成
30年12月6日付け書面により,同年10月23日付け訴因変更請求を撤回した。
検察官は,平成30年12月6日付け証明予定事実記載書及び令和元年12月19
日付け意見書において,両被告事件の関係について,併合罪を積極的に主張するも
のではなく,包括一罪と考えるものである旨釈明している。
原判決は,傷害の犯行日時の終期を12月24日午後3時56分頃までと特定し,
傷害の内容と加療期間を限定したほかは,公訴事実に沿ってCに対する傷害(原判
示第1)及び傷害致死(同第2)の罪となるべき事実を認定した。その上で,法令
の適用欄において,原判示第1の傷害やDに対する傷害(原判示第3)を,共通す
るといえる動機から共通ないし類似する態様の暴行を反復継続して被害者の身体に
傷害を負わせたというものであるから,包括一罪になるとする一方,同第1の傷害
と同第2の傷害致死は,別の機会にされた犯行であると区別でき,侵害された法益
も同一でないことなどからすれば,併合罪の関係にある,と説示した。
所論は,原判示第1の傷害罪と同第2の傷害致死罪について,被害者が同一人
であり,暴行が加えられた時期は連続的なもので,その態様にも大きな差異はなく,
このような被害者,時期,行為態様の共通・連続性からは,別罪とするのは無理が
あり,包括一罪と解すべきである,と主張する。
所論の指摘は,正当である。
被告人,A及びBは,自分たちのストレスのはけ口とするなどのためにCやDに
暴行を加えるようになっていて,Cの死亡結果をもたらした暴行も,同様の目的等
によるもので,それ以前の暴行と時間的な隔たりも大きいものではなく,態様も質
的には異ならないから,これのみを分断して評価することは一貫性を欠く。同一人
に対する傷害と傷害致死では,後者では生命が害されたとはいえ,身体を害する意
図での行為により生じた加重的結果であるから,別罪との判断をもたらすような被
侵害法益の違いがあるとするのは無理がある。検察官が原判示第1の傷害をあえて
公訴提起したのは,訴因変更請求より慎重な手続を選択したというだけの趣旨で,
これらを別罪として責任追求する意思の表明でないことは,原審の経過からも明ら
かである。
法益侵害の一体性が強く,行為としても一体性の認められる場合には,違法性や
責任非難の評価を一体的に行うのが実体に即する場合がある。原判決が,2週間ほ
どにわたる犯行の原判示第1及び同第3の各傷害罪をいずれも包括一罪としたのも,
そのような理解に立つものと解されるのに,原判示第1の傷害罪と同第2の傷害致
死罪を併合罪の関係にあるとした原判決の説示は一貫性に欠けている。
以上からすると,Cに対する傷害と傷害致死は,包括一罪としての傷害致死罪に
なると解すべきで,これら傷害罪と傷害致死罪が併合罪の関係にあるとした原判決
の法令の適用には誤りがあるといわなければならない。
しかしながら,Cに対しては包括一罪としての傷害致死罪のみが成立するとし
ても,これは原判示第3の傷害罪との間では併合罪となるから,その旨の併合罪の
処理をした後に導かれる処断刑の範囲は,原判決の法令の適用によるそれと相違せ
ず,犯情評価でも違いが生じるとはいえないから,この誤りは判決に影響を及ぼさ
ない。
論旨は理由がない。
3量刑不当の主張について
本件は,被告人が,自宅に同居させていた成人男性2名とともに,平成29年1
2月中旬頃から同月25日までの間,当時4歳の長男と当時2歳の二男に対し,繰
り返し暴行を加え,長男を死亡するに至らせ(原判示第1及び第2),二男に傷害を
負わせた(同第3)との事案である。
原判決は,本件を,被害者らの母親である被告人が,交際相手及びその知人と同
居生活を送る中で,意を通じ合って及んだ児童虐待の事案と位置づけ,逃げ場のな
い幼い子供たちに一方的に暴行を繰り返した点は悪質であるとした。そして,被告
人については,母親でありながら,犯行のきっかけを作っただけでなく,共犯者ら
の暴行を助長,容認し続け,死亡結果を招いたもので,厳しい非難に値するとした
が,傷害致死の犯行に物理的に加功しておらず,強度の暴行を指示したとも断定で
きないとの事情を指摘し,その刑事責任が共犯者らと同等であるとまでは評価でき
ないとした。その上で,不合理な弁解をしていること,前科前歴がないことなども
考慮して,被告人を懲役9年に処したものである。
幼い被害者らに加えられた暴行は,余りに酷く,理不尽なもので,経緯等にも同
情の余地はない。被告人は,母親として被害者らを守るべき立場にありながら,共
犯者らとの共同生活から生じるストレスを紛らわせるなどするために,自ら主導し,
あるいは共犯者らの暴行を容認することによって,日常的に被害者らへの暴行を繰
り返す中で本件を生じさせたもので,原判決が,本件が児童虐待類型に当たる傷害
致死の中でも悪質とみるべき点があると評価したことに誤りはない。宣告された刑
期も量刑傾向に沿ったもので,原判決の量刑が重すぎて不当であるとはいえない。
これに対し,所論は,共犯者らとの同居以降,予想もできない暴行が加えられ,
特に,原判示第2の死亡結果を引き起こした暴行は,全く予想できなかったもので,
被告人自身も実子を失った点で被害者としての一面があることを考慮すると,原判
決の量刑は不当に重いという。しかし,このような前提に立てないことは既に繰り
返し述べてきたとおりであって,所論は,全く事実関係を誤るもので,到底採用で
きない。
また,所論は,原判決は,傷害致死の犯行について,被告人は共謀共同正犯にと
どまるとしているのであるから,その量刑傾向を踏まえれば,重くとも懲役5年程
度の刑が相当であるという。しかし,そもそも,そのような量刑傾向の存在自体が
疑問である上,本件における被告人の立場や,果たした役割,共犯者らとの関係等
からみると,致命傷を負わせた者との間で大きな差を設けるべき事情があるとは考
えられない。共犯者2名と同等以上の刑責を負うものではないとして懲役9年に処
した原判決の量刑は,この様な事情を適切に考慮し,同種類型,すなわち被害者が
子である児童虐待事案の量刑傾向を踏まえたものといえる。所論は採用できない。
当審公判で被告人が悔悟の念を示したことも,この結論を左右するものではない。
論旨は理由がない。
令和2年9月15日
大阪高等裁判所第1刑事部
裁判長裁判官和田真
裁判官坪井祐子
裁判官真鍋秀永

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛