弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人小原栄次の上告趣意第一点について。
 本件記録の中に被告人「A辺B藤」なる者の供述記録が存在しないことは所論の
通りである。しかし本件記録には、「A部B蔵」に対する司法警察官の訊問調書並
に検事の聴取書があり、公判請求書にも被告人として「A部B蔵」と表示されてお
り、第一審公判調書にも同人の供述記載がある。故に原判決が証拠説明の部分で「
原審(第一審)公判調書中被告人A辺B藤の供述として……旨の記載」と表示して
いる「A辺B藤」というのは「A部B蔵」の誤記であること明かである。
 又第一審では、被告人A部B蔵は他の相被告人と分離して審理判決されているこ
と所論の通りであるが、本件記録には一審裁判所たる東京地方裁判所における第三
回公判調書として被告人A部B蔵に関する公判調書が存在する(同第九九丁)から、
原判決が「原審公判調書中の被告人A辺B藤の供述として云々」という「原審公判
調書」とは、右第一審裁判所の被告人A部B蔵に対する右公判調書を指すものであ
ること明白である。そうして右第一審裁判所の第三回公判調書には、被告人A部B
蔵の供述として原判決が摘録したと同旨の記載があるから、これを証拠として採用
した原判決には、所論のように証拠に依らずして罪となるべき事実を認定した違法
は存しない。論旨は理由がない。
 同第二点について。
 裁判長が証拠調をした証拠書類、証拠物を公判調書に記載するには、如何なる証
拠書類、証拠物について証拠調がなされたかを明確にすれば足り、必ずしも証拠書
類、証拠物の一々について個別的具体的に掲記する必要はないこと、既にしばしば
当裁判所の判例に示されている通りである。原審公判調書のこの点に関する記載は、
記録と相俟つて、如何なる証拠書類、証拠物について証拠調がなされたかを明かに
しているから、その記載方には所論のような違法はない。殊に少くとも原判決が証
拠として採用した書類については、証拠調がなされたこと極めて明白であるから、
これを証拠とした原判決には所論のような違法は存しない。
 なお論旨は、この点に関して原判決を憲法第三一条に違反するものであると主張
するけれども、仮りに採証の違反があつたとしても、それは単に刑事訴訟法上の手
続違反の問題であつて、憲法第三一条違反の問題でないこと、既に当裁判所の判例
(昭和二二年(れ)第一八八号同二三年七月七日大法廷判決参照)の示す通りであ
る。況して本件に於ては、刑事訴訟法上の違反もないのであるから、憲法違反の問
題を生する筈がない。論旨はいずれも理由がない。
 以上の理由により最高裁判所裁判事務処理規則第九条第四項旧刑訴法第四四六条
に従い主文の通り判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。
 検察官 安平政吉関与
  昭和二四年九月二〇日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    穂   積   重   遠

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛