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平成20年8月28日判決言渡
平成17年行ケ第10376号特許取消決定取消請求事件()
平成20年6月24日口頭弁論終結
判決
原告エイディシーテクノロジー株式会社
同訴訟代理人弁護士水野健司
同訴訟代理人弁理士毛利大介
同衛藤寛啓
被告特許庁長官鈴木隆史
同指定代理人江畠博
同山田洋一
同小林和男
同岩崎伸二
主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
特許庁が異議2003−70154号事件について平成16年12月22日
にした決定を取り消す。
第2事案の概要
1特許庁における手続の経緯
⑴本件特許
原告は,発明の名称を「番組選択装置および番組選択方法」とする特許第
3304335号(昭和63年6月6日原出願,平成13年2月9日分割
出願,平成14年5月10日設定登録。以下「本件特許」という。)の特
許権者である。
⑵本件異議決定
本件特許に対しては,特許異議の申立てがされ(異議2003−701
54号)がされ,原告は平成16年3月17日に訂正請求をしたが(甲
2),特許庁は,同年12月22日,「訂正を認める。特許第33043
35号の請求項1ないし4に係る特許を取り消す。」との決定(以下「本
件異議決定」をした(甲1)。これに対し,原告は,本件異議決定に対す
る取消しを求める訴えを提起した。
⑶本件特許に係る訂正審判
本件特許に対し,原告は平成17年4月20日,訂正審判を請求したと
ころ(訂正2005−39067号事件,以下「本件訂正審判請求」とい
う。),特許庁は,平成18年1月6日,「本件審判の請求は,成り立た
ない。」との審決をした(甲9)。これに対し,原告は,平成18年2月
15日,上記審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に対し訴訟を提起
したところ,同裁判所は,平成19年1月25日,上記審決を取り消す旨
の判決をした。特許庁は,再度の審理をした結果,平成19年12月11
日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をした。これに対
し,原告は,その取消しを求める訴訟を提起した(当庁平成20年(行ケ)
第10021号。以上の事実は当裁判所に顕著である。)。
2本件特許に係る明細書の特許請求の範囲
本件訂正審判請求前における本件特許の明細書(甲2,6)の特許請求の範
囲の記載は,次のとおりである。
【請求項1】
少なくともテレビ放送の各番組内容とその開始時刻とその終了時刻とその放
映チャンネルとを含む情報を,外部から当該番組選択装置のRAMに一旦取り
込む入力手段と,
該入力手段によりRAMに取り込まれた上記情報から,各チャンネルのテレ
ビの番組を取り出して,チャンネルの違い毎に縦もしくは横の内の1方向に並
べて画面に表示するチャンネル表示手段と,
上記入力手段によりRAMに取り込まれた上記情報中の同一チャンネルの番
組を,その放送順に,1番組1枠で上記1方向と垂直な方向に並べ,且つ各番
組の放送時間に応じた長さで上記画面に表示する放送順序表示手段と,
該放送順序表示手段及び上記チャンネル表示手段により上記画面に表示され
たテレビの番組の中から任意の番組が表示されている位置を選択するための選
択手段と,
番組内容をサーチするサーチ手段と
を備え,
前記選択手段がカーソルキーであり,しかも上下左右の番組に選択箇所を移
動可能なものであることを特徴とする番組選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載の番組選択装置において,
上記選択手段により選択される位置に表示されている番組を,選択されない
位置の番組と識別可能に表示する識別表示手段,
を備えたことを特徴とする番組選択装置。
【請求項3】
少なくともテレビ放送の各番組内容とその開始時刻とその終了時刻とその放
映チャンネルとを含む情報を,外部から当該番組選択装置のRAMに一旦取り
込み,
RAMに取り込まれた上記情報から,各チャンネルのテレビの番組を取り出
して,チャンネルの違い毎に縦もしくは横の内の1方向に並べて画面に表示
し,上記情報中の同一チャンネルの番組を,その放送順に,1番組1枠で上記
1方向と垂直な方向に並べ,且つ各番組の放送時間に応じた長さで上記画面に
表示し,
該表示されたテレビの番組の中からカーソルキーで,上下左右の番組に選択
箇所を移動させて任意の番組が表示されている位置を指定し,
番組内容をサーチする
ことを特徴とする番組選択方法。
【請求項4】
請求項3に記載の番組選択方法において,
前記指定される位置に表示されている番組を,指定されない位置の番組と識
別可能に表示する
ことを特徴とする番組選択方法。
第3当裁判所の判断
原告は,本件異議決定に対する取消事由を主張していないところ,本件訂正
審判請求については,前記第2,1⑶のとおり,特許庁により「本件審判の請
求は,成り立たない。」との審決がされ,同審決に対する取消訴訟(当庁平成
20年(行ケ)第10021号)は提起されているものの,本件訂正審判請求
に係る訂正を認める審決は確定していない(なお,前記取消訴訟につき,当庁
が平成20年8月28日に原告の請求を棄却する判決をしたことは,当裁判所
に顕著である。)。
そうすると,本件異議決定については,これを取り消すべき違法はない。
よって,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官飯村敏明
裁判官中平健
裁判官上田洋幸

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