弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人松本幸正の上告理由について。
 賃貸借の期間は、特約又は戦時罹災土地物件令三条の如き特別の規定のないかぎ
り、その進行を停止するものではない。論旨一は独自の見解という外はない。なお、
本件については、戦時罹災土地物件令及び罹災都市借地借家臨時処理法が適用され
る結果、本件賃貸借は原判示日時以後において終了したこととなるけれども、この
ことは判決の結果に影響を及ぼさないこと明らかである。
 借地権の期間の更新は、借地法四条ないし八条に明定するところであつて、本件
はそのいずれにも該当しないこと明白であり、この点の所論も独自の見解というべ
く、また、権利濫用に関する所論は、原審において上告人の主張しなかつたところ
である。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

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