弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
     当審における未決勾留日数中四十日をその本刑に算入する。
         理    由
 弁護人長崎祐三の陳述した控訴趣意は、記録に編綴されている同弁護人並びに被
告人から提出の各控訴趣意書記載のとおりであるからこれを引用する。
 同弁護人の控訴趣意第一点(刑事訴訟法第三百三十五条違反)について、
 よつて記録を調査するに、原判示第四の証拠湮滅の事件について、爾余の被告人
の被告事件と併合審理の決定があつた原審第二回公判期日において、検察官より右
事実に対する証拠として所論のAの海上保安部司法巡査に対する供述調書、Bの司
法警察員及び検察官に対する各供述調書、本件被告人の検察官に対する供述調書の
各原本又は謄本がその余の証拠と共に、その取調の請求がなされ、被告人及び弁護
人はその証拠調に異議なく、証拠とすることに同意して、これが取調がなされた旨
公判調書に記載されているが、右各供述調書は所論のように記録に編綴されていな
いことが明白である。右各供述調書が適法な証拠調を経たものである以上、刑事訴
訟法第三百十条の規定により検察官にこれを提出させなければならないのであるか
ら、特段の事情がない限りこれが記録に編綴されていないことからすると、その原
本又は謄本が原裁判所に提出されなかつたものと推断されないではなく、原審の訴
訟手続にはこの点において違法があり、その結果裁判官は右の証拠を事実認定の資
料に供することは不可能な状態にあつたものと一応認められる。ところが前示公判
調書に添付の証拠関係カードの記載によれば、右各供述調書は原裁判所昭和三十年
(わ)第二五号被告人B、同Aに対うる外国為替及び外国貿易管理法並びに関税法
違反被告事件に提出のものを引用したことが明白であつて原審において、その証拠
調を終つたものであるが、いづれも前記被告事件において先に提出され、同事件記
録に編綴されていることが明らかである。かかる場合にも裁判所は検察官にその謄
本を作成して提出させ、これを本件記録に編綴しておくことが適切な措置であるこ
とは言を俟たないところである。しかしながら、およそ証拠書類又は証拠物による
裁判所の心証は公判廷においての証拠調により形成されるものであつて、同条が証
拠調を終つた証拠書類又は証拠物を裁判所に提出すべきこととしたのは、裁判所が
これを保管し、訴訟当事者の攻拠防禦を完からしめるため及び上訴審の審査の資料
とするため、訴訟関係人及び上訴審の閲覧の便に供す<要旨>ることを主眼としたも
ので証拠調べの手続そのものとは別個の手続に属し、且つ、本件における如く、前
記各供述調書は前記別事件において、証拠として裁判所に提出され、該事件
は同時に本件と同一裁判所に繋属(担当裁判官も同一)していたものである以上、
原審裁判官は右各供述調書の証拠内容を認識し、価値判断するに毫も支障はなかつ
たばかりか、上訴審の裁判所並びに訴訟関係人も、必要があれば容易にこれを参照
し得る状況にある特段の事情が認められる場合であるから、該供述調書の謄本を本
件記録中に必ずしも編綴しておかなくとも、訴訟関係人に実質上の不利益を与える
ものでなく、これを目して刑事訴訟法第三百十条の趣旨に反するものということは
できない。それ故原裁判所が本件記録中に編綴されていない前記各供述調書を罪証
に供したからといつて、原判決に所論のような判決に影響を及ぼすことの明らかな
違法があるというは当らない。論旨は採用するを得ない。
 同弁護人の控訴趣意第二点並びに被告人の控訴趣意(いづれも事実誤認)につい
て、
 論旨は、厚判示第一、第二事実について、被告人は対馬に渡航する目的で乗船し
ていたものであつて、密出国並びに密輸出の意図はなかつたし、判示第四事実につ
いては、被告人が判示貨物をB、Aが密輸入したものであることを知つていたこと
の証明がない、と主張するにある。しかし判示各事実は原判決が挙示する関係証拠
(但し第四事実については、前記B、Aの被告事件記録を参照)によりいづれもこ
れを認定するに充分であり、論旨指摘の各証拠によつては右認定を覆すに足りず、
記録を精査しても原判決の事実認定に誤りがあることを発見することはできないの
で、原判決には所論のような違法はない。論旨は理由がない。
 そこで刑事訴訟法第三百九十六条に則り、本件控訴を棄却し、刑法第二十一条を
適用し当審における未決勾留日数中四拾日をその本刑に算入することとし、主文の
とおり判決する。
 (裁判長裁判官 筒井義彦 裁判官 柳原幸雄 裁判官 岡林次郎)

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