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裁判例


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       主   文
一 原告らの請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は原告らの負担とする。
       事実及び理由
第一 請求
一 被告が、原告A及び原告Bに対し、平成九年二月三日付でなした平成六年三月
二四日相続開始に係る相続税の物納申請却下処分及び平成九年二月二五日付でなし
た平成六年三月二四日相続開始に係る相続税の督促処分はいずれもこれを取り消
す。
二 被告が、原告Cに対し、平成九年二月二五日付でなした納税者原告Aの滞納国
税に係る連帯納付責任額の督促処分及び同日付でなした納税者原告Bの滞納国税に
係る連帯納付責任額の督促処分はいずれもこれを取り消す。
第二 事案の概要
 本件は、原告A及び原告Bが、相続税納付のため物納申請を行ったところ、被告
が、右物納申請の却下処分(以下「本件却下処分」という。)をした上、原告A及
び原告Bに対しては相続税の督促処分を、原告Cに対しては右両名の滞納国税に係
る連帯納付責任額の督促処分をしたという事案において、原告らが、①被告は原告
らの遺産分割協議が調うまで物納申請を却下すべきでなかったにもかかわらず本件
却下処分をしたこと、②被告は本件却下処分をする前に物納財産変更要求処分をす
べきであったのにこれを怠ったこと、③被告は徴収の引継ぎの通知をしていないこ
となどの違法事由があると主張して、被告に対し、前記各処分の取消を求めた事案
である。
一 前提となる事実(争いのない事実及び証拠により容易に認定しうる事実)
1 原告らは、いずれも、平成六年三月二四日に死亡したD(以下「被相続人」と
いう。)の共同相続人九人のうちの一人である(以下、右相続を「本件相続」とい
う。)
 原告らは、その余の共同相続人らに対し、大阪家庭裁判所に本件相続についての
遺産分割審判の申立てを行い、その後、大阪地方裁判所に遺産確認請求訴訟を提起
した。右訴訟は(少なくとも本件訴訟が提起された時点までは)係属中である。
2 原告A及び原告Bは、法定申告期限内の平成六年一一月二二日、相続税の申告
書に課税価格を一三億四六七二万二〇〇〇円、納付すべき税額を七億二三四二万七
二〇〇円と記載して、本件相続に係る相続税の申告をするとともに、右同日、物納
申請書をそれぞれ提出し、本件相続開始に係る相続税の物納申請を行った(以下、
右申請を「本件物納申請」といい、右申請に係る物納財産を「本件物納財産」とい
う。)。
 なお
、本件物納財産は、遺産分割未了のため共同相続人全員の共有財産であったが、共
同相続人のうち原告A及び原告Bのみが、物納財産として申請していた。
3 被告は、平成六年一二月一五日、本件相続に係る原告らの物納申請税額につい
て、天王寺税務署長から徴収の引受をする決議をした(乙九の1ないし3)。
4 天王寺税務署長は、本件相続開始に係る相続税について、原告A及び原告Bの
請求に基づき、平成七年三月六日付で課税価格を一三億四七八九万一〇〇〇円及び
納付すべき税額を四億三八八七万四九〇〇円とする更正処分をした。
5 被告は、原告A及び原告Bに対し、物納財産変更要求処分をすることなく、本
件物納申請から約二年二か月後の平成九年二月三日付で本件物納申請の却下処分
(本件却下処分)をし、さらに、本件相続に係る相続税について同月二五日付で督
促処分をした。
 本件却下処分に係る相続税物納却下通知書の理由は、「相続財産全部について、
未分割のため物納申請財産をあなたが相続できるとは確定していないこと、かつ、
相続人九名全員でなく三名のみが物納申請を行っていることから、物納申請財産と
して不適当となります。」というものであった(乙一の1、2)。
6 本件却下処分に伴い、原告A及び原告Bの各相続税額四億三八八七万四九〇〇
円がそれぞれ滞納になったため、被告は、原告Cに対し、相続税法(以下、単に
「法」という。)三四条一項に基づき、連帯納付義務に係る相続税額をそれぞれ四
億三八八七万四九〇〇円として、平成九年二月二五日付で督促処分をした。
7 原告A及び原告Bは、本件却下処分及び平成九年二月二五日付の督促処分をい
ずれも不服として、また、原告Cは、同月二五日付の原告A及び原告Bの滞納国税
に係る連帯納付責任額の督促処分をいずれも不服として、被告に対し、同年三月二
七日に異議申立てをしたところ、被告は、同年六月一〇日付で右異議申立てをいず
れも棄却する旨の決定をした。
8 原告らは、国税不服審判所長に対し、平成九年七月一日、原処分及び異議決定
に不服があるとして審査請求をしたところ、国税不服審判所長は、平成一〇年五月
二七日、右審査請求のうち原処分に対する請求はいずれも棄却し、異議決定に対す
る審査請求はいずれも却下する旨の裁決をし、原告らは、同月三〇日、右裁決書を
受領した。
二 争点及び当事者の主張
 本件の争点は、本件却下処分及びそれに続く各督促
処分の違法性であり、具体的には、①被告が原告らの遺産分割協議が完了するまで
待つことなく本件却下処分をしたことの適否、②本件却下処分に先立って物納財産
変更要求処分を行わなかったことが法四二条二項ただし書の規定に反するか、又は
裁量権を逸脱するものであるか、③徴収の引継ぎの通知の要否及び有無という点で
ある。
1 被告が、原告らの遺産分割協議が完了するまで待つことなく本件却下処分をし
たことの適否(①)
(被告の主張)
(一) 本件物納財産は、遺産分割未了のため共有となっている財産で相続人九人
全員では物納申請しておらず、また、原告らは、遺産分割協議審判の申立てを行っ
た後、遺産確認請求訴訟を提起し、現在も訴訟は係属中である。そうすると、本件
物納財産は、共有財産であるとともに、係争中の財産でもあるから、管理又は処分
をする上で不適当な財産(以下「物納不適格財産」という。また、物納不適格財産
ではないものを「物納適格財産」という。)に当たることが明らかである(法四二
条二項ただし書、相続税法基本通達(以下「基本通達」という。)四二条関係二
(1)ロ、ハ)。
(二) 物納申請については、一般的に、相当の期間内に許可又は却下処分をしな
い場合には、不作為による違法として不服申立てができるとされていることからす
ると(行政不服審査法二条二項、七条)、行政庁としては、物納申請書が提出され
てから、速やかに処理をするよう努めねばならない。また、そうしないと、物納申
請から長期間を経過して却下される場合には、納税者は多額の延滞税を負担しなけ
ればならないとか、国においても早期の徴収を図ることができないなどの問題が生
じる。
 本件物納財産は、右(一)のとおり、物納不適格財産にあたるから、物納は認め
られず、被告としては、直ちに物納却下処分をすべきところ、原告らの要請に基づ
き、処分を猶予していたものであるが、物納申請から約二年、相続開始から約三年
を経過しても遺産分割協議に何らの見通しも立たず、租税の納付を遅延させること
となるので、やむなく本件却下処分を行ったものである。このように、被告は、原
告らの要請に基づき、他の納税者との均衡に鑑みても、十分に過ぎるほどの長期間
において、処分を猶予してきたものである。
(原告らの主張)
(一) 相続税の物納制度は、納税者、すなわち、共同相続人全員の共同の利益と
しての側面がある。
(二) 物納制度が
右(一)のような側面を有することを考慮すれば、相続財産が未分割であっても、
遺産分割協議により原告らが本件物納財産を取得する可能性がある以上、被告とし
ては遺産分割協議の推移を見守るべきであり、性急に本件物納財産が物納不適格財
産であると断定することは慎重でなければならない。
 さらに、本件においては、遺産分割協議に長期間を要する事情があり、原告ら
は、遺産分割協議を成立させるために最大限の努力をしている。にもかかわらず、
本件物納申請をしてからわずか約二年二か月でした本件却下処分は、物納制度とい
うものを事実上排斥するものであり、法の趣旨を没却するものであって違法であ
る。
2 本件却下処分に先立って物納申請財産の変更要求処分を行わなかったことが法
四二条二項ただし書の規定に反するか、すなわち、右規定の解釈上、物納財産変更
要求処分が必要的というべきか否か(②前半)
(被告の主張)
 法四二条二項ただし書は、物納申請の却下に先立ち物納財産の変更要求を行うこ
とが可能であるとする趣旨であって、変更要求が必要的であるとする趣旨ではな
い。その解釈の根拠は、以下のとおりである。
(一) 法四二条二項ただし書は、「当該申請に係る物納財産が管理又は処分をす
るのに不適当であると認める場合においては、その変更を求め、当該申請者が第四
項の規定による申請書を提出するのをまって当該申請の許可又は却下をすることが
できる。」と規定しているところ、ここにいう「ことができる。」との文言は、①
「その変更を求め」、②「申請書を提出するのをまって」、③「当該申請の許可又
は却下をする」という一連の行為全般を受けるものであると解釈することが文理の
素直な解釈である。
 原告らは、「ことができる。」との文言が右②及び③の行為のみを受けるもので
あると解釈するようであるが、物納財産の変更を求めた場合には物納財産の変更申
請書の提出を待つほかなく(相続税法四二条四項)、物納財産の変更申請に対して
は許可か却下のいずれかを行うほかなく、それ以外の対応を行うことは観念できな
いのであるから、「ことができる。」との文言が右②及び③の行為のみを受けるも
のとして用いられていると解釈することは不合理である。
(二) 物納財産変更要求処分は、国税通則法七五条一項の「国税に関する法律に
基づく処分」に当たるから、納税者は、これに対して不服申立てをすることができ
る。そして
、物納財産変更要求処分に対する適法な不服申立てがされると、法四二条四項の物
納申請のみなす取下げに関する規定の適用がなくなるから(基本通達四二条関係
五)、税務署長等は、不服申立期間中は物納申請を却下することができなくなる。
 そのため、相続財産の中で物納適格財産が存在しないことが明らかな場合に、税
務署長等が物納財産変更要求処分を行うことは、納税者をして、いたずらに納税の
引き延ばしを図る目的で不服申立てを行うことを可能ならしめることになる。
(三) 原告らは、物納財産変更要求処分により延納申請への変更の機会が保障さ
れるという利益が存する旨主張するが、延納申請への変更を行うことができる場合
が、物納財産の変更要求を受けた場合に限定されるものではないから、延納申請へ
の変更が、物納財産の変更要求を法的な前提としているということはできない。
 また、原告らは、物納財産変更要求処分により延滞税の免除の利益が存する旨主
張するが、そもそも、物納財産の変更要求は、あくまで物納の適正な運営を目的と
した制度であって、納税者に対し延滞税の免除を保障するための制度ではないか
ら、右のような利益は、事実上のものにとどまり、納税者の有する権利ではないと
いうべきである。
(原告らの主張)
 法四二条二項ただし書は、物納財産変更要求処分を必要的とする趣旨である。そ
の解釈の根拠は、以下のとおりである。
(一) 法四二条二項を素直に読めば、同条項本文が、「税務署長は、・・・その
調査に基づき、当該申請に係る税額の全部または一部について当該申請を許可し、
または当該申請を却下する。」としていることに対して、「但し」として、つま
り、本文に対する例外として、「当該申請に係る物納財産が管理または処分するの
に不適当であると認める場合においては、」まず「その変更を求め」ることとし、
「当該申請者が第四項の規定による申請書を提出するのをまって」初めて「当該申
請の許可または却下をすることができる。」ものであることを定めているのである
ことがわかる。
(二) 法四二条二項ただし書の立法趣旨は、納税者が物納申請していない他の財
産について、税務署長や国税局長が「他に物納に充てることができる財産がないこ
とが明らかな場合」であると認定することができるかどうか自体が疑問のあるとこ
ろであり、納税者側には税務署長や国税局長には知り得ない様々な事情も存在しう
るので
あるから、一度は物納財産変更要求処分を行い、物納申請者に検討の機会を与え、
物納財産変更申請書の提出もしくは延納申請への変更の機会を与えることとしたも
のとみるのが相当である。
(三) 税務署長が「当該申請に係る物納財産が管理または処分するのに不適当で
あると認め」て物納財産変更要求処分をした場合、その認定自体に不服がある者
は、右物納財産変更要求処分に対して異議申立てをする権利があるが(国税通則法
七五条一項、七七条一項)、物納財産変更要求処分を受けずに物納申請が却下され
た者については、この不服申立ての権利が奪われることになる。
(四) 物納財産変更要求処分があれば、それをきっかけにそれまで物納を妨げて
いた事情が解消されるといったことも考えられるが、右要求がなければ、物納財産
変更申請をする機会を奪われることになる。
 また、基本通達四二条関係四は、物納財産の変更を求められた場合において、他
に物納に充てることのできる適当な財産がないときには、物納財産の変更を求めら
れた日から二〇日以内に延納への変更を申請すれば、物納申請税額について当初か
ら延納申請があったものとして取り扱うこととしているのであるから、物納財産変
更要求処分をも行わずに物納申請を却下することは、右延納申請の機会を奪うもの
である。
(五) 物納財産変更要求処分がなされた場合には、その通知から二〇日以内に延
納申請を行うか、物納財産変更申請をせずにみなし取下げになるかにかかわらず、
納税者はそれまでの間の延滞税の負担をすることがないという利益がある。
(六) 物納財産変更要求処分を必要的なものと解釈したとしても、税徴収上、何
ら不都合は生じない。
(七) 被告の解釈は、物納財産変更要求処分が必要的であるとする法四二条二項
ただし書に、右処分を行わなくてもよいとするただし書を付加する解釈であって、
条文を納税者に不利益に解釈によって変更するものであり、租税法律主義に反す
る。
3 本件却下処分に先立って物納申請財産の変更要求処分を行わなかったことが裁
量権を逸脱するものであるか(②後半)
(被告の主張)
(一) 被告の物納財産変更要求処分を不要とした判断が裁量権を逸脱するもので
あるか否か
 物納申請が行われたが、当該申請に係る物納財産が物納不適格である
場合において、「納税義務者の課税価格計算の基礎となった財産」(法四一条二
項)、すなわち、いわゆる相続財産
の中で他に物納適格財産が存在しないことが明らかでない場合には、物納財産変更
要求処分が行われるのが通常の取扱いである。これに対し、相続財産の中で他に物
納適格財産が存在しないことが明らかである場合には、物納財産変更要求処分を行
ったとしても、他の物納適格財産をもって物納に充てる申請が行われる余地はない
から、物納財産変更要求処分は行われないのが通常の取扱いである。
 本件においては、本件相続に係る相続財産の全部が遺産分割協議の対象となって
おり、かつ、遺産分割協議が難航していたのであるから、相続財産の中で他に物納
適格財産が存在しないことは明らかであった。したがって、本件却下処分が物納財
産変更要求処分を経ることなく行われたのは、通常の取扱いに沿ったものであっ
て、被告に裁量権の逸脱はない。
(二) 物納財産変更要求処分を経なかったことが延納申請への変更の機会を不当
に奪うものとして裁量権を逸脱するものであるか
(1) そもそも、物納制度は、延納によっても金銭で納付することが困難である
ことを要件とするものであり(法四一条一項)、物納申請から
延納申請に変更すること(厳密には物納申請の取下げ及び延納申請)は、法の趣旨
に必ずしも合致しない。しかし、税務署長等が物納財産変更要求処分あるいは物納
却下処分等をするまでには、ある程度の期間を要することから、基本通達四二条関
係四は、物納申請後において延納による金銭納付が可能となった納税義務者の便宜
の観点から、物納財産変更要求処分を行った場合等に延納申請を認める取扱いを明
確化したものである。
 このように、延納申請への変更は、あくまでも便宜的な取扱いであるから、徴税
当局としては、延納申請への変更を促すべき行政上の義務を負うとしても、法律上
の義務を負うということはできず、延納申請への変更を促すことなく物納申請の却
下が行われたとしても、法四二条二項ただし書による裁量権の逸脱の問題は生じる
余地がない。
(2) 仮に、延納申請への変更を求めることが何らかの法律上の義務を構成する
としても、その内容は、幾度も延納申請への変更を促して、その実現に努めるべき
といった性質のものではなく、物納申請の却下に先立って延納申請への変更を考慮
する機会を与える程度をもって足りるというべきである。
 本件においては、原告A及び原告Bは、共同歩調をとっていた原告Cが延納申請
への変更を行わなかったも
のであることや、平成七年四月一四日に原告C及びE税理士に対して行われた指導
説明の内容(物納申請を取り下げて金銭による一括納付をするか、または延納申請
へ変更することを求めるとともに、物納申請の取下げまたは却下に伴う延滞税等に
ついて説明したもの)について遅滞なく伝達を受けていたと考えられることからす
ると、延納申請への変更を考慮する機会は与えられていたというべきであって、裁
量権の逸脱の問題は生じない。
(原告らの主張)
(一) 被告の物納財産変更要求処分を不要とした判断が裁量権を逸脱するもので
あるか否か
 本件において、物納申請財産を他の物件と差し替えれば、共同相続人全員の同意
が得られる可能性がないわけではなく、少なくとも、他の物件と差し替えても共同
相続人全員の同意が得られる可能性が全くないと断定する根拠はない。
 具体的にも、原告A及び原告Bが申請した本件物納財産は、被相続人が生前に本
宅として長年にわたり使用してきた大阪市α所在の不動産であったため、共同相続
人の一部の者らが右不動産を物納財産とすることに躊躇してきた経過があるが、原
告Cが取り下げた物納申請の対象物件はこれとは別の東大阪市βの不動産であり、
税務署長から物納財産変更要求処分があれば、原告A及び原告Bは、原告Cが物納
申請を取り下げた右物件等に物納財産を変更する申請を行う意向であった。また、
他にも対象としうる物件はたくさんあった。
もし、物納財産変更要求処分がなされたならば、このような物納財産変更申請の機
会が原告らには与えられたはずであるのに、本件では、物納財産変更要求処分がな
されなかったため、この機会が奪われたのである。
(二) 物納財産変更要求処分を経なかったことが延納申請への変更の機会を不当
に奪うものとして裁量権を逸脱するものであるか
(1) 被告は、延納申請への変更を求めることは法律上の義務ではないと主張す
るが、基本通達四二条関係四は、物納財産の変更を求められた場合において、他に
物納に充てることのできる適当な財産がないときは、物納財産の変更を求められた
日から二〇日以内に延納への変更を申請すれば、物納申請額について当初から延納
申請があったものとして取り扱うこととしているのであるから、右通達は、単に行
政上の義務であるにとどまらず、相続税法を補完するものとして既に法律上の義務
となっていると解するのが相当である。
(2) 被告は
、原告A及び原告Bに延納申請への変更の機会を全く与えないまま本件却下処分を
したものであり、裁量権を逸脱するものであって違法である。
 すなわち、原告A及び原告Bの物納申請は、E税理士が代理して行ったものでは
なく、原告ら本人が各自で行ったものである。そうすると、原告A及び原告Bが物
納申請した件に関して、延納申請への変更を指導する場合には、その指導は原告ら
本人各自に対して直接なされる必要がある。にもかかわらず、被告は、原告A及び
原告Bに対し、直接に指導を行っていない。
4 徴収の引継ぎの通知の要否及びその有無(③)
(被告の主張)
(一) 徴収の引継ぎ(法四四条、国税通則法四三条三項)は、「国税を納付すべ
き者」に対して通知することとされている(国税通則法四三条四項)。
 しかし、右通知は、徴収の引継ぎの事実を明確化しておくという行政上の便宜か
ら行われるものであって、「国税を納付すべき者」としては、徴収の主体が変わる
だけで何らの実質的不利益を被るものではなく、また、国税通則法四三条四項の
「・・・するものとする。」との規定は、いわば訓示規定であり、右通知が徴収の
引継ぎの効力発生要件でないことは明らかであって、仮に、右通知を欠いたとして
も、徴収の引継ぎが無効となるものではない。すなわち、右通知は、徴収の引継ぎ
やこれを前提とする物納却下処分等を適法ならしめるための要件ではない。
(二) 被告は、平成六年一二月一五日、天王寺税務署長から徴収の引受をするこ
とを決議し、天王寺税務署長と納税者である原告らに対し、徴収の引受通知書を普
通郵便により発送した。
 右通知が郵政官署から返戻された事実はなく、国税通則法一二条二項により、右
通知書は通常到達すべきであった時に原告らに送達があったものと推定される。
(原告らの主張)
(一) 国税通則法四三条四項は、徴税主体である税務署長と国税局長との間での
内部処理がなされた徴収の引継ぎについて、国税局長に対しその旨を国税を納付す
べき者に通知する義務を課したものである。
 被告は、徴税主体が変わるだけで国税を納付すべき者に何らの実質的不利益はな
いと主張するが、国税を納付すべき者としては、右通知を受けなければ、いったい
誰を相手として諸般の手続を行えばよいのか把握できないのであるから、被告の主
張は国税を納付すべき者の権利を軽んじているものである。
(二) 被告が引受通知書を郵送
したとの事実は否認する。原告らは、引受通知書を受領したことは全くない。
第三 当裁判所の判断
一 被告が原告らの遺産分割協議が完了するまで待つことなく本件却下処分をした
ことの適否(争点①)
1 本件物納財産が「管理又は処分をするのに不適当」であることについて
(一) 国税の一つである相続税は、その税額に相当する金銭で法定納期限までに
納付されるのが原則であるが(国税通則法三四条一項)、法は、納税義務者におい
て延納によっても納付すべき相続税額を金銭で納付するのが困難である場合におい
ては、税務署長は、その納付を困難とする金額を限度として、物納を許可すること
ができるとしている(法四一条一項)。このように、物納制度は、金銭による納付
が困難である場合に、他の財産で相続税を納付することを例外的に認めるものであ
るところ、物納申請財産を国に帰属させることは、相続税納付の単なる手段にすぎ
ず、国が物納申請財産を換価し、その代金をもって財政収入に充てることがその主
たる目的であるから、物納申請財産は金銭による税納付があった場合と同等の経済
的利益を国において将来現実に確保することができるものでなければならない。
 したがって、物納申請財産が国において管理するために多額の費用を要するもの
や、処分をするのが困難なものなどについては、金銭による税納付があった場合と
同等の経済的利益を国において将来現実に確保することが困難であるから、「管理
又は処分をするのに不適当」(法四二条二項ただし書)な財産として、物納財産と
して認められないこととなる。そして、基本通達は、実務の取扱いを恣意的なもの
とすることのないよう、解釈の指針として、物納不適格財産の具体例を列挙してい
る(基本通達四二条関係二)。
(二) 本件においては、前記前提となる事実のとおり、本件却下処分当時、原告
らを含む共同相続人間において、本件相続についての遺産分割協議は成立しておら
ず、これに関する訴訟等も係属中であり、本件物納財産も未分割であったこと、本
件物納財産については共同相続人の一部である原告A及び原告Bのみが物納申請を
行っていることが認められ、このような事実関係においては、本件物納財産は基本
通達四二条関係二(1)ロ(所有権の帰属等について係争中の財産)及び同ハ(共
有財産。ただし、共有者全員が持分の全部を物納する場合を除く。)にまさしく該
当するものといえるし
、実際にも、遺産分割協議が成立していない段階で相続不動産を処分することは通
常著しく困難であり、金銭による税納付があった場合と同等の経済的利益を国にお
いて将来現実に確保することは困難であるから、本件物納財産は、「管理又は処分
をするのに不適当」な財産に該当し、したがって、本件物納申請は却下されるべき
ものである。
2 遺産分割協議が完了するまで本件却下処分を控えるべきであったか否か
(一) 原告らは、本件物納申請からわずか約二年二か月でした本件却下処分は、
物納制度というものを事実上排斥するものであり、法の趣旨を没却するものであっ
て違法である旨主張する。
 なるほど、相続税の物納制度には金銭による納付が困難な納税者を救済する機能
があるが、前述のとおり、物納制度は金銭納付に代わる相続税納付の単なる手段に
すぎず、国が物納財産を換価し、その代金をもって財政収入に充てることができる
ことが前提であって、納税者の利益は右前提を崩してまで優先されるべきものでは
ない。さらに、相続税は金銭による一括納付が原則であって(法三三条、三八条一
項)、通常の納税者との均衡上、特段の理由なく長期間、物納申請に対する処分を
留保したまま徴税を猶予することは避けるべきであるし、相続財産の散逸、価値の
下落等により相続税の確実な徴収が妨げられるおそれや、納税者が負担する延滞税
額が膨大になるおそれもあるから、物納申請に対する許可又は却下はできるだけ迅
速になされるべきである。
 したがって、物納不適格財産であることが明らかな場合、その不適当事由の解消
が極めて早期かつ確実に予定されているなどの特段の事情なき限り、税務署長が、
物納申請の却下処分を猶予すべき義務を負うことはないと解するのが相当である。
(二) そこで本件についてみるに、本件却下処分時において、遺産分割協議がご
く近いうちに成立する確実な見込みがあったなど右特段の事情を認めるべき証拠は
なく、かえって、前記前提となる事実及び証拠(乙五ないし七、証人F)によれ
ば、本件物納財産は、当初から物納不適格財産であったにもかかわらず、天王寺税
務署長及び徴収の引継ぎ後の被告は、本件物納申請後、原告らの要請に応じて約二
年二か月もの間にわたり物納申請を却下することなく相続税の徴収を猶予してきた
こと、少なくとも本件訴訟に至るまで原告らの遺産分割協議は成立していないこと
が認められ、これらの事実
に鑑みると、被告は、原告らの要請に応じ、必要以上に物納申請の却下処分を猶予
していたものであって、却下処分が早きに失するとして非難されるべき理由は全く
ない。
3 よって、この点に関する原告らの主張は理由がない。
二 本件却下処分に先立って物納申請財産の変更要求処分を行わなかったことが法
四二条二項ただし書の規定に反するか、すなわち、右規定の解釈上、物納財産変更
要求処分が必要的というべきか否か(争点②前半)
1 法四二条二項ただし書の解釈
(一) 法四二条二項は、以下のとおり規定している。
 「税務署長は、前項の規定による申請書の提出があった場合においては、当該申
請者及び当該申請に係る事項について前条の規定に該当するか否かを調査し、その
調査に基き、当該申請に係る税額の全部又は一部について当該申請を許可し、又は
当該申請を却下する。但し、当該申請に係る物納財産が管理又は処分をするのに不
適当であると認める場合においては、その変更を求め、当該申請者が第四項の規定
による申請書を提出するのをまって当該申請の許可又は却下をすることができ
る。」
(二) 原告らは、右ただし書の部分を、「但し、当該申請に係る物納財産が管理
又は処分をするのに不適当であると認める場合においては、その変更を求め(なけ
ればならず、さらに)、当該申請者が第四項の規定による申請書を提出するのをま
たなければ、当該申請の許可又は却下をすることができない。」という意味に解釈
し、物納財産変更要求処分は条文上必要的である旨主張する。
 しかしながら、右ただし書がこのような意味であるならば、端的に「但し、当該
申請に・・・提出するのをまって許可又は却下をする。」と規定すれば足り、あえ
て疑義を招くような「ことができる。」という文言を付加する理由がない。また、
右のような解釈を取るならば、相続財産が一つしかない場合など、他に物納適格財
産が存在しないことが明らかなときにまで、税務署長等は、必ず物納財産変更要求
処分をしなければいけないことになり、明らかに不合理である。
 したがって、右ただし書の「ことができる。」との文言は、「その変更を求め、
当該申請者が第四項の規定による申請書を提出するのをまって当該申請の許可又は
却下をする」という一連の行為全般を受けるものであると解釈するのが最も自然か
つ無理のない解釈であり、このように解しても、関連条文と矛盾抵触したり、具
体的不都合が生じたりすることはない。
2 原告らの主張について
(一) 原告らは、物納財産変更要求処分がされないと、①右処分自体に対する不
服申立ての権利が失われる、②右処分を契機に不適格事由が解消する可能性が失わ
れ、物納財産変更申請をする機会を奪われる、③延納申請へ変更する機会を奪われ
る、④延滞税免除の利益を奪われるといった問題があるから、右処分は必要的と解
すべきであると主張する。
 しかしながら、(1)物納申請者は、物納財産変更要求処分がなくとも、物納申
請却下処分を争うことは可能であるから、税務署長等の判断に不服がある場合にこ
れを争う途があり、(2)物納不適格財産の不適格事由が物納財産変更要求処分を
契機として解消する可能性は、それほど高いとは考えられないから、原告らが主張
する不適格事由の解消可能性の存在が、およそ一般的に物納財産変更要求処分を必
要的とする法的な根拠とはなり得ず、また、その点を含めて考慮してもなお、物納
適格財産が存在しないことが明らかな場合には、物納財産変更申請の機会がないと
してもなんら不合理ではなく、(3)物納財産変更要求処分にともなって認められ
ている延納申請へ変更する扱い(基本通達四二条関係四)は、納税義務者の便宜を
考慮した実務的な取扱いの一つにすぎず、法律上、延納申請への変更が物納財産変
更要求処分を前提とするわけではないし、(4)物納財産変更要求処分により延滞
税の一部が免除され得るのは(法四二条五項、四〇条一項、国税通則法六三条四
項)、物納変更要求処分による事実上の利益もしくは反射的利益にすぎないのであ
るから、原告らが主張する右①ないし④の点は、いずれも前記1(二)で述べた法
四二条二項ただし書の解釈の正当性を何ら左右するものではない。
(二) さらに、原告らは、租税法律主義、あるいは法四二条二項ただし書の趣旨
などから前記1(二)で述べた解釈に対して反論を試みているが、いずれも原告ら
の独自の解釈を前提としたものであって到底採用することができない。
(三) なお、原告らは、国税庁が作成した「相続税物納の手引」(甲九)の「相
続税の物納手続の概要」と題するフローチャートにおいて、物納不適格な財産から
直接物納申請の却下・取下げへと直接つながっている線が表示されていないことを
もって、自らの主張の一根拠とするが、右フローチャートはあくまでも物納手続の
概要を簡略に図示し
たものに過ぎず、なんら法四二条二項ただし書の意味を解釈する上でその指針とな
るものではない。
3 したがって、法四二条二項ただし書は、物納財産変更要求処分をするかどうか
を税務署長等の裁量権に委ねたものと解するのが相当であり、原告らの主張は採用
することができない。
三 本件却下処分に先立って物納申請財産の変更要求処分を行わなかったことが裁
量権を逸脱するものであるか(争点②後半)
1 被告の物納財産変更要求処分を不要とした判断が裁量権を逸脱するものである
か否か
(一) 物納は、延納によっても金銭による納付が困難な場合にのみ認められるも
のであるから、物納申請を安易に却下すると、当該物納申請者にとって納税の方法
が失われ、酷に失する場合がある上、税徴収上も困難をきたすことになる。したが
って、たとえ物納申請財産が管理又は処分をするのに不適当と認められる場合であ
っても、物納申請財産を変更することにより物納が可能であれば、税務署長等は、
直ちに物納申請を却下することなく、できる限り物納財産の変更を促す方法により
対処すべきである。そして、物納申請者が他に物納適格財産を有し、かつ物納財産
変更要求処分があれば右財産を物納財産として変更申請する意思を有しているよう
な場合に、税務署長等が物納財産変更要求処分をすることなく、直ちに物納申請却
下処分を行うなど、税務署長等の判断が具体的事情に照らして著しく不合理と認め
られる場合には、裁量権を逸脱するものとして違法となるものと解される。
(二) そこで、これを本件についてみると、前記前提となる事実のとおり、本件
相続に係る相続財産の全てが、遺産分割協議の対象とされており、本件却下処分時
において右遺産分割協議は成立しておらず、また、ごく近いうちに右遺産分割協議
がまとまる確実な予定があったというような事情も証拠上認められず、しかも、証
拠(乙五ないし七)によれば、原告A及び原告Bも本件物納財産が物納不適格財産
であり、本件物納申請がいずれ却下されることとなる事情を十分に知り得たものと
認められるから、右の具体的事情に照らすならば、被告が物納財産変更要求処分を
不要とした判断に不合理な点はなく、裁量権の逸脱は認められないというべきであ
る。
(三) これに対し、原告らは、物納財産変更要求処分がなされれば、それを契機
として、共同相続人間で一部ないし全部の遺産分割協議が成立する可能性があ
ったと主張するが、証拠(乙五ないし七、一二の1ないし3、証人F)によれば、
本件却下処分に至るまで、被告の担当者から、原告A及び原告Bの物納及び延納申
請に関する件も含めた税務関係の代理人であるE税理士に対し、何度も、物納申請
の取下げと延納申請への変更を行うよう指導がなされていたことが認められ、この
ような指導を何度も受けながら、物納申請後約二年二か月もの間、本件相続に係る
遺産分割協議がまとまらなかったことに鑑みれば、仮に本件において物納財産変更
要求処分がなされたとしても、通知を受けた日から二〇日以内(法四二条四項)に
遺産分割協議がまとまる可能性があったとは到底認め難いというほかなく、前記認
定を何ら左右するに足りないというべきである。
2 物納財産変更要求処分を経なかったことが延納申請への変更の機会を不当に奪
うものとして裁量権を逸脱するものであるか
(一) 物納財産変更要求処分がなされた場合、物納財産の変更を求められた者
が、他に物納に充てるのに適当な財産を有しない場合においては、実務上、当該物
納申請額については延納の申請を認めることに取り扱うものとされ、この場合の延
納の申請は、物納財産変更要求の通知を受けた日から二〇日以内に提出させるもの
とされている(基本通達四二条関係四)。
 しかし、右基本通達の内容は、法に根拠をおくものではなく、納税者の便宜を考
慮した実務上の取扱いの指針にすぎないというべきであって、税務署長等が、物納
申請者に延納申請への変更を行う機会を与えるため、物納財産変更要求処分をなす
べき法的義務の根拠とはなりえないというべきである。
 また、法において、物納から延納への変更を認める規定又は認めることを前提と
する規定は存在せず、かえって、物納は、延納が不可能な場合にその範囲でのみ認
められる関係にあることからすれば、法は、基本的に、物納から延納への変更を想
定していないというほかはない。
 したがって、税務署長等は、物納申請者に対し、延納申請への変更の機会を与え
る法的義務を負うものではないというべきである。
(二) もっとも、形式的には法律に適合するものであっても、正義公平の観点か
らみて許容されないような特段の事情がある場合には、裁量権の逸脱として、又は
権利濫用等の一般条項を根拠として処分を違法と解する余地がないわけではない
が、前記前提となる事実及び証拠(乙五ないし七、一二の1
ないし3、証人F)によれば、被告の担当者は、原告A及び原告Bの税務関係の代
理人であるE税理士に対し、本件物納申請を取り下げて延納申請へ変更するよう何
度も指導していること、原告Cについては右指導に応じて実際に延納に変更してい
ることが認められるから、原告A及び原告Bが延納申請へ変更する機会は十分に与
えられていたものというべきであって、この点について被告の裁量権の逸脱又は権
利濫用を認める余地はない。
3 したがって、被告に裁量権の逸脱は認められず、原告らの主張は採用すること
ができない。
四 徴収の引継ぎの通知の要否及びその有無(争点③)
1 徴収の引継ぎ(国税通則法四三条三項、法四四条)とは、国税局の国税徴収官
等に滞納整理等を行わせる必要がある国税について、その徴収を行う一切の権限を
税務署長からその管轄区域を所轄する国税局長に引き継ぐ行為であり、徴収の引継
ぎがあった場合には、「国税を納付すべき者」に対して通知することとされている
(国税通則法四三条四項)。
 ところで、国税通則法四三条四項が「通知するものとする。」と規定しているこ
と、徴収の引継ぎは権限の内部的な移譲にすぎず、直接に納税義務者の権利義務に
影響を与えるものではないことからすると、右通知は徴収の引継ぎの効力発生要件
ではないというべきであり、したがって、仮に、右通知を欠いたとしても、徴収の
引継ぎが無効となるものではないし、それに続いてなされた国税局長による処分が
全て無効となるものでもないと解するのが相当である。
2 よって、その余の点を判断するまでもなく、この点に関する原告らの主張は理
由がない。
五 督促処分について
 前記一ないし四のとおり、本件却下処分に違法な点は認められず、そうすると、
原告らに対する各督促処分の時点において、原告A及び原告Bの相続税は滞納とな
っているのであるから、右各督促処分も適法というべきである。
六 まとめ
 以上によれば、原告らの請求はいずれも理由がないからこれを棄却することと
し、主文のとおり判決する。
大阪地方裁判所第二民事部
裁判長裁判官 三浦潤
裁判官 林俊之
裁判官 徳地淳

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