弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣意は末尾に添附した弁護人小淵方輔名義の控訴趣意書記載のとおり
で、これに対し、当裁判所は次のとおり判断する。
 静岡特別都市計画事業復興土地区画整理委員会の委員は特別都市計両法に基一く
士地区画整理施行に伴う換地に関する事項について諮問があつた場合に委員として
意見を述べる職責を有するのみで、前記事項についての<要旨>何等かの職務に関す
る決定権の認められていないことは所論のとおりである。しかし収賄罪は公務員が
その職務に関し賄賂を収受するを以つて成立するのでその職務内容が諮問事
項について意見を述べるのみであつて右諮問事項の執行権や決定権のない場合でも
犯罪の成立に影響がないことは勿論、執行権や決定権のないことからその収受した
金員が職務に関するものと認定するを妨げるものでない。今本件についてこれをみ
ると、被告人は昭和二十二年五月静岡特別都市計画事業復興土地区画整理委員会の
委員に当選し爾来その第二部会長並に第二部会所属の各工区小委員会委員長をして
いたというのであり、A、B、Cの所有土地の換地については現に第二部会に於て
諮問に対する答申決定をしているのであり、D株式会社所有地に隣接する余剰地の
換地に関しても又第二部会に於て決定さるべきであること原判決引用の証拠で明白
なところである。従つて被告人が右A等から原判示のとおりの金員を収受した以
上、たとえ被告人において委員として意見を述べる職責を有するのみであつても、
又現実に被告人が区画整理委員会第二部会の席上意見を述べて反対の意見を変更し
たような事実が存しなくても、被告人の収受した金員が被告人の職務に関するもの
と認定するを妨げるものではなく、原審がこれを職務に関する金と認定した上本件
を収賄罪に問擬したのは当然である。所論は独自の見解に立つて原審の適切な判断
を非難するもので理由がない。なお、所論は原判決が小委員会の諮問を経て換地決
定をした旨判断している点から小委員会の構成権限についても云為する。しかし
A、B、Cの所有地に対する換地については第二部会の決定を経たもので単に第二
部会所属小委員会の決定によるものとは認められないし、特別都市計画法施行規則
第十条に土地区画整理委員会の部会を設けること及び部会の意見を委員会の意見と
することができる旨をも規定していることをみれば、論旨指摘の点も被告人の収受
した金員がその職務に関するものであることを否定する資料とはならないし、原判
決が小委員会の決定により換地割当をしたが如く判示したことが判決に影響を及ぼ
すものと認められないからこの点の論旨も従つて理由がない。
 よつて本件控訴はその理由がないから、刑事訴訟法第三百九十六条に則つてこれ
を棄却することとし主文のとおり判決する。
 (裁判長判事 近藤隆蔵 判事 吉田作穂 判事 山岸薫一)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛