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裁判例


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主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とし,当審における参加によって生じた費用
は参加人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2被控訴人の請求を棄却する。
第2事案の概要(略称は原判決のものを用いる。)
1本件は,処分行政庁である沖縄県知事が,参加人による本件開示請求に対し,
本件開示決定をしたため,被控訴人が,控訴人に対し,本件開示決定の取消し
を求めた事案である。控訴人は,本件訴えが法律上の争訟に当たらない,被控
訴人には原告適格がない,本件開示決定は適法であるとして争い,参加人が原
審において行政事件訴訟法22条に基づき訴訟参加した。
原審は,本件訴えは法律上の争訟に当たり,被控訴人は原告適格を有し,本
件開示決定は本件条例7条7号イに反する違法があるとして,本件請求を全て
認容したので,控訴人が控訴した。
2前提事実,法令等の定め,争点及び当事者の主張は,次のとおり付加及び訂
正するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の2ないし5のとおりであるか
ら,これを引用する。
原判決3頁15行目の「(以下「本件土地」という。)を所有し,」を「(以
下「本件土地」という。)のうちの大半(以下「本件国有地」という。)を所有
し,その余の土地と合わせて,」に改める。
原判決4頁3行目「甲10の1・2」の次に「。以下,「本件合意」という。」
を加え,同頁5行目の「本件土地の一部」を「本件国有地の一部」に,同頁6
行目の「という。」を「といい,同部分を「本件共同使用部分」という。」に
それぞれ改める。
原判決7頁9行目の「国の機関」から同頁14行目末尾までを次のとおり改
める。
「国の機関,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事
務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれ
その他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を
及ぼすおそれがあるもの(6号)
イ(略)
ロ契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,国,独立行政法人等,地方公共
団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不
当に害するおそれ
ハないしホ(略)」
原判決8頁17行目の「県」から同頁22行目末尾までを次のとおり改める。
「県,国,独立行政法人等,他の地方公共団体又は地方独立行政法人が行
う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げる
おそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行
に支障を及ぼすおそれがあるもの(7条7号)
ア(略)
イ契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,県,国,独立行政法人等,他
の地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者として
の地位を不当に害するおそれ
ウないしオ(略)」
原判決11頁17行目冒頭から同頁21行目末尾までを次のとおり改める。
「本件各文書には,共同使用開始後も本件共同使用に係る土地について米
軍に種々の権限が留保されていること及び本件共同使用に当たって米国側
から提示された使用条件が記載されているとともに,米軍が専用するとの
意向を示した部分が図面上具体的に記載され,さらに県道70号線のうち
本件共同使用に係る区域が明示されているところ,同文書が公開されるこ
とによって,本件共同使用部分の形状や位置関係,本件共同使用部分及び
その周囲の利用状況,米軍が使用する施設,建物の概要や配置,本件共同
使用部分との位置関係のほか,米軍が使用する施設,建物の運用状況,規
模や配置の状況,警備や交通規制の状況,米軍施設への侵入経路等が明ら
かとなるおそれがあり,これらの情報を覚知した我が国あるいは米国を敵
対視する周辺国やテロ集団等から本件共同使用部分及びその周囲に存在す
る米軍施設等を標的とした攻撃を受け,本件共同使用部分及びその周辺の
本件国有地が破壊されるおそれが生じる。また,本件共同使用部分及びそ
の周辺の本件国有地において,米軍の訓練に対する妨害行為がされたり,
無許可の占有や不法投棄等が行われるおそれがあり,それは,米軍の管理
権・占有権の侵害であるとともに被控訴人の上記所有権の侵害でもある。
加えて,これにより,米国から本件共同使用の解消を求められたり,本件
共同使用部分の使用が制限され,県道としての使用ができなくなるおそれ
が生じる。このように,本件各文書が開示されることによって,被控訴人
は,本件国有地を物理的に破壊されたり,第三者による侵入が容易になっ
たり,その使用を制限されたりして,本件国有地の所有権が害されるおそ
れがある。さらに,本件土地については,本件共同使用以外にも,日米合
同委員会での協議に基づく,共同使用により,自衛隊と在日米軍との共同
訓練,道路,公園,浄水場,電柱などの敷地や導水管,下水管,電力線な
どの埋設敷地として利用されているところ,これは被控訴人が同土地の所
有者又は使用権者として自ら又は第三者に使用させているものであり,被
控訴人は同利益を有している。しかるに,本件合意がされている本件各文
書が開示されれば,米国政府との間で非公開を前提とした忌憚のない協議,
交渉を行うことが困難となって共同使用の実現に不可欠な米国政府の理解
と協力を得ることも困難となり,今後共同使用ができなくなったり,既に
行われている共同使用の合意が解消され,共同使用についての交渉におい
て不利益を受け,また共同使用による上記使用収益を失うという財産上の
不利益を被る。このように,」
原判決11頁22行目の「本件土地」を「本件共同使用部分及びその周辺の
本件国有地」に改める。
原判決12頁7行目末尾に改行して次を加える。
「また,被控訴人は,日米安保条約6条及び日米地位協定2条1項に基
づき,使用権限を取得して米国に提供した土地の一時使用(共同使用)に
ついて,米国との協議を担当するとともに,同土地の一時使用(共同使用)
の許可に係る許可行政庁となっているところ,被控訴人は,本件土地につ
いても,国家の義務として上記協議及び一時使用(共同使用)の許可事務
を行っているのであり,被控訴人が本件国有地についての財産権の主体と
して主観的利益を実現するものではないので,本件は法律上の争訟といえ
ない。」
原判決12頁19行目及び同13頁1行目の「7号」を「7号イ」にそれ
ぞれ改める。
原判決14頁19行目末尾に改行して次を加える。
「ウ被控訴人は,本件土地について,国家の義務として協議及び一時使用
(共同使用)の許可事務を行っているのであり,被控訴人が本件国有地
についての財産権の主体として主観的利益を実現するものではないので,
被控訴人が原告適格を有しないことは明らかである。」
原判決14頁20行目の「ウ」を「エ」に改める。
原判決16頁13行目の「公表を認めていないこと」の次に「,補正後の上記
の被控訴人の主張にあるように,本件各文書が公開されることによって,米
国を敵対視する周辺国やテロ集団等から本件国有地及びその周囲に存在する
米軍施設等を標的とした攻撃を受け,本件国有地及びその周辺の土地が破壊さ
れるおそれが生じるとともに,本件国有地及びその周辺の土地において,米軍
の訓練に対する妨害行為がされたり,無許可の占有や不法投棄等が行われ,本
件共同使用が制限されるおそれがあること,本件土地については,本件共同使
用以外にも,日米合同委員会での協議に基づく,共同使用により,自衛隊と在
日米軍との共同訓練,道路,公園,浄水場,電柱などの敷地や導水管,下水管,
電力線などの埋設敷地として利用されているところ,これは被控訴人が同土地
の所有者又は使用権者として自ら又は第三者に使用させているものであり,被
控訴人は同利益を有しているところ,本件各文書の開示により,米国政府との
間で非公開を前提とした忌憚のない協議,交渉を行うことが困難となって共同
使用の実現に不可欠な米国政府の理解と協力を得ることも困難となり,今後共
同使用ができなくなったり,既に行われている共同使用の合意が解消され,共
同使用についての交渉において不利益を受け,また共同使用による上記使用収
益を失うという財産上の不利益を被ること」を加える。
原判決16頁24行目末尾に改行して次を加える。
「本件合意による不開示情報の範囲は広範かつ曖昧であり,また,本件土
地の使用に関する今後の交渉の内容は不明であって,これらによって情報公
開が否定されることは許されない。さらに,本件各文書が非公知の事実であ
って,実質的にもそれを秘密として保護するに値するいわゆる実質秘に当た
ることを要するところ,本件各文書が実質秘に当たるとはいえない。」
3当審における控訴人の新たな主張(行政事件訴訟法10条1項の適用)
仮に被控訴人が主張する法律上の利益が認められたとしても,同利益に関係
のない不開示事由による本件開示決定の違法を主張することは,行政事件訴訟
法10条1項に反する。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,本件訴えは法律上の争訟に当たり,被控訴人は原告適格を有し,
本件開示決定は本件条例7条7号イに反して違法であり,被控訴人の請求には
理由があるものと判断するところ,その理由は,次のとおり付加及び訂正する
ほか,原判決「事実及び理由」第3の1ないし4のとおりであるから,これを
引用する。
原判決17頁13行目,同頁15行目から同頁16行目及び同頁23行目
から同頁24行目の「本件土地の所有者」を「本件共同使用部分やこれに隣接
する本件国有地並びにその余の本件土地や他の米軍施設敷地につき所有者な
いし使用権者」にそれぞれ改める。
原判決17頁14行目及び同頁26行目の「本件土地」を「本件共同使用
部分やこれに隣接する本件国有地並びに被控訴人が所有権ないし使用権を有
するその余の本件土地や他の米軍施設敷地」に改める。
原判決18頁1行目の「国有地」を「国有地等」に改める。
原判決18頁6行目末尾に改行して次を加える。
「また,控訴人は,被控訴人が本件国有地の共同使用に関する協議や許可
事務を行っていることをもって,本件は法律上の争訟に当たらない旨主張
する。しかし,被控訴人が上記協議や許可事務を行っていることからいっ
て,上記のように,被控訴人が本件各文書の公開によって本件共同使用部
分やこれに隣接する本件国有地の所有権等の固有の利益が侵害されるおそ
れがあるとの主張が妨げられるわけではなく,そのことをもって本件の法
律上の争訟性が否定されるとはいえない。」
原判決20頁10行目末尾に改行して次を加える。
「また,控訴人は,被控訴人が本件国有地の共同使用に関する協議や許可事
務を行っていることをもって,本件において被控訴人は「法律上の利益を有
する者」に当たらない旨主張する。しかし,下記第3の4のとおり,本件
各文書の公開によって,本件条例7条7号イが保護する被控訴人の有する本
件共同使用部分及びこれに隣接する本件国有地の所有権並びにその余の本
件土地や他の米軍施設敷地につき有する所有権や使用権という財産的利益
や本件国有地の使用に関する米国政府との交渉を行う当事者としての地位
が侵害されることが認められるとすれば,被控訴人が上記協議や許可事務を
行っていることによって,そのおそれがなくなるわけではなく,そのことを
もって被控訴人が「法律上の利益を有する者」に当たらないとはいえない。よ
って,上記控訴人の主張には理由がない。」
原判決20頁16行目の「証拠」を次のとおり改める。
「ア前提事実イ,証拠(甲13,48及び49,証人A)及び弁論の
全趣旨によれば,次の事実が認められる。
被控訴人(沖縄営林署長)は,沖縄県知事からの本件共同使用の申
請を受け,昭和54年1月18日,那覇防衛施設局長に対し,日米合
同委員会の一部を構成する施設特別委員会等への手続を依頼し,同局
長は,同年6月1日,防衛施設庁長官に対し,施設特別委員会へ提案
するよう上申した。
施設特別委員会の日本側代表は,昭和56年3月11日,同委員会
において,本件共同使用について提案したところ,同委員会の米国側
代表は,同年8月18日,本件共同使用に係る米軍の使用条件(本件
文書3)を提案したため,防衛施設庁において本件文書の仮訳文を作
成した(本件文書4)。
防衛施設庁施設部長は,同年9月22日,那覇防衛施設局長に対し,
米軍が提案した使用条件の履行について控訴人に照会するよう本件文
書3及び4を添付した文書を発出した。
那覇防衛施設局長は,同年11月16日,沖縄営林署長に対し,本
件文書3及び4を添付した上で,米軍が提案した使用条件について受
諾の可否を照会し,沖縄営林署長は,昭和58年2月15日,米軍が
提案した使用条件につき控訴人へ同様に照会した。
控訴人は,米軍が提案した使用条件について,一部を修正すること
で同意したことから,沖縄営林署長は,平成元年3月16日,那覇防
衛施設局長に対し,施設特別委員会へ提案するよう依頼し,那覇防衛
施設局長は,同年6月21日,防衛施設庁施設部長に対し,控訴人が
上記のとおり同意した旨の回答をした。
施設特別委員会の日本側代表は,平成2年7月16日,同委員会に
おいて,本件共同使用について,日本政府は,米軍が提案した使用条
件の一部修正を条件に同意するので,米国政府がこれを受諾できるな
らば,本件を日米合同委員会に付託し,承認を求められたい旨の提案
をした。米国政府は,同年9月11日の施設特別委員会において,上
記提案に同意したので,同月20日,日米合同委員会に付託され,同
月27日の同委員会において承認されるとともに,本件共同使用開始
前に控訴人及び日米の三者間で協定を締結することが承認され,同委
員会の議事録には本件文書3が添付された。その後,米軍は,日米合
同委員会において承認された本件共同使用に係る使用条件を米軍,控
訴人及び那覇防衛施設局の三者で確認するため,本件文書3記載の使
用条件に基づき,これを敷衍明確化すべく,これを共同使用開始前に
締結する協定書(本件文書1)を作成し,那覇防衛施設局が同協定書
の仮訳文(本件文書2)を作成し,在沖米海兵隊施設技術部長,沖縄
県知事及び那覇防衛施設局施設部長は,本件文書1に署名し,同年1
2月1日に同協定書が発効した。
本件各文書には,県道70号線中の本件共同使用部分が明示されると
ともに,共同使用開始後も米軍に種々の権限が留保される旨の記載,沖
縄県知事が共同使用を求めたのに対し,米軍が専用するとの意向を示し
本件共同使用部分から除外された部分の図面上の具体的記載,本件共同
使用に当たって米国側から提示された使用条件及び本件共同使用の終
了に係る条件の記載がなされている。
イ上記認定事実によれば,本件文書3は,平成2年9月27日の日米合
同委員会の議事録に添付され,本件文書4は本件文書3の和文仮訳文書
であり,本件文書1は,同委員会によって承認された本件文書3記載の
使用条件に基づく協定の締結として,米軍,控訴人及び那覇防衛施設局
で作成した協定書であって,日米合同委員会で承認された本件文書3記
載の使用条件に沿ってこれを明確化したものであり,本件文書2は本件
文書1の和文仮訳文書である。これに加え,証拠」
原判決20頁19行目の「合意が形成されている」を「合意(本件合意)の
対象となる」に改める。
原判決20頁21行目冒頭から同頁26行目「照らすと,」までを次のとお
り改める。
「前記認定のとおり,本件各文書には,米軍の使用する北部訓練場である
本件土地のうち,県道70号線中の本件共同使用部分が明示されるととも
に,共同使用開始後も米軍に種々の権限が留保される旨の記載,共同使用
開始後も米軍が専用するとの意向を示し本件共同使用部分から除外され
た部分の図面上の具体的記載及び本件共同使用に当たって米国側から提
示された使用条件の記載がなされている。
これによれば,本件各文書は,本件共同使用という在日米軍施設・区域
の共同使用に係る事務に関する情報が記録されたものである。
そして,上記記載内容に,証拠(甲49,証人A)を合わせると,同文
書が開示されると,これに一般人が入手可能な空中写真や地形図を照合す
ることにより,本件共同使用部分の形状や位置関係のほか,本件共同使用
部分及びその周囲の利用状況,米軍が使用する施設及び建物の概要や配置
及び運用状況,本件共同使用部分との位置関係,警備や交通規制の状況,
米軍施設への侵入経路等が明らかとなるおそれがあり,また,米軍が本件
土地における施設のうち,どの施設を重要視しているとか,本件土地にお
ける米軍の訓練等で本件土地のどの部分を重要視しているかが推認され,
これらの情報を覚知した集団等から本件国有地及びその周囲に存在する
米軍施設等を標的として米軍の訓練や警備等を妨害するため,本件共同使
用部分及びその周辺の本件国有地に不法に留まったり,バリケードを築い
て封鎖したりするなどの妨害行為が行われるおそれがあると認められる。
このように本件各文書の開示により,米軍の本件国有地の占有権,管理権
が侵害され,ひいては,被控訴人の本件共同使用部分及びその周辺の本件
国有地の所有権や使用権も侵害されるおそれが生じることになり,更には,
原状回復・侵入防止等のための費用負担も発生する。また,証拠(甲13
ないし17及び47)によれば,嘉手納飛行場以南の施設及び区域のうち
返還合意がなされている西普天間住宅地区は,埋蔵文化財調査の実施のた
めに平成26年6月24日に共同使用することを日米合同委員会で合意
し,キャンプ瑞慶覧の倉庫地区の一部は,河川改修工事のため平成25年
9月19日に共同使用することを日米合同委員会で合意しているほか,地
方公共団体等による共同使用も日米合同委員会で合意されていること,そ
して,米国政府が本件各文書の公表について同意せず,同公表により日米
両国の外交を行う能力に有害であると回答したにもかかわらず,本件各文
書を開示することにより,米国政府との間で非公開を前提とした忌憚のな
い協議,交渉を行うことが困難となり,共同使用の実現に不可欠な米国政
府の理解と協力を得ることも困難となり,今後本件共同使用ができなくな
ったり,これに限らず,既に行われている他の共同使用の合意が解消され
たり,他の在日米軍施設の返還や共同使用に係る交渉及び事務の遂行に支
障を来すなど,今後の共同使用についての交渉において不利益を受ける可
能性があることが認められ,このようにこれら本件国有地等の使用に関す
る米国政府との交渉を行う当事者としての地位が害されるといえる。」
原判決21頁10行目末尾に改行して次を加える。
「また,控訴人は,①本件合意による不開示情報の範囲は広範かつ曖昧であ
る,②本件土地の使用に関する今後の交渉の内容は不明である,③本件各文
書が実質秘に当たるとはいえない旨主張し,本件各文書を不開示とすべきで
はない旨主張する。
しかし,①については,前記第3の3のとおり,本件各文書はいずれも日
米合同委員会の議事録の一部を構成する文書といえ,本件合意に基づき,こ
れらについて,日米両政府間において,両政府の合意なく公開されない旨の
合意が認められ,本件各文書が本件合意による不開示情報に含まれるのは明
らかであることからすれば,控訴人の主張には理由がない。②については,
確かに,本件各文書の開示により,具体的にいつどのような妨害活動が行わ
れ,それを受けて本件国有地を含む本件土地の使用に関する今後の交渉がい
かなる展開となるかは不明であるが,前記のとおり,本件国有地の所有権等
が侵害されるおそれが増大し,米国政府との交渉を行う当事者としての地位
が害されるおそれが認められる以上,上記判断は覆されない。③については,
,本件各文書は非公知の内容を有するものであると
認められ,控訴人の主張には理由がない。」
2当審における控訴人の新たな主張について
被控訴人は本件各文書の開示により被控訴人の財産的利益や当事者としての
地位を害されるおそれがあると主張するところ,本件条例7条7号イは被控訴
人のこのような権利利益を保護する趣旨を含むものであるから,行政事件訴訟
法10条1項の主張制限を受けるものではない。
3よって,原判決は正当であって,本件控訴は理由がないから棄却することと
して,主文のとおり判決する。
福岡高等裁判所那覇支部民事部
裁判長裁判官多見谷寿郎
裁判官蛭川明彦
裁判官神谷厚毅

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