弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴は棄却する。
     控訴人(附帯被控訴人)両名は連帯して被控訴人(附帯控訴人)に対し
昭和二三年三月二二日より昭和二六年九月末日まで一ケ月金一五〇円の割合、同年
一〇月一日より昭和二七年一一月末日まで一ケ月金二八八円八三銭の割合、同年一
二月一日より本件建物明渡しずみまで一ケ月金五四〇円一四銭の割合による金員を
支払え。
     控訴並びに附帯控訴費用は控訴人両名の負担とする。
         事    実
 控訴人(附帯被控訴人以下単に控訴人と呼ぶ)等代理人は「原判決を取り消す。
被控訴人(附帯控訴人以下単に被控訴人と呼ぶ)の請求を棄却する。訴訟費用は第
一、二審とも被控訴人の負担とする。本件附帯控訴は棄却する。「との判決を求
め、被控訴代理人は主文第一、二項同旨の判決を求めた。
 事実関係につき被控訴代理人は「大阪府中河内郡a町大字bc番地上木造瓦葺二
階建居宅一棟建坪二二坪四合八勺外二階坪六坪五合五勺(以下本件建物と称す)は
被控訴人の所有であり、昭和二三年三月二二日被控訴人の所有名義に登記を経由し
た控訴人両名は被控訴人に対抗すべきなんらの権限がないのにかかわらず、同日以
前から本件建物のうち階下玄関二畳、同右側四畳半、二階六畳、三畳の各部分を占
拠しているから、所有権に基いて右占拠部分の明渡しを求める。なお被控訴人は控
訴人等の右不法占拠により賃料相当の損害を蒙つている。賃料相当の損害金額は昭
和三二年三月二二日から昭和二六年九月末日までは一ケ月金一五〇円の割合、同年
一〇月一日から昭和二七年一一月末日までは一ケ月金二八八円八三銭の割合、同年
一二月一日より右明渡しずみまでは一ケ月金五四〇円一四銭の割合である。よつて
右賃料相当の損害金の支払を求める。
 被控訴人が本件建物の所有権を取得した経路は次のとおりである。本件建物はも
と訴外Aの所有であつたところ、同訴外人は昭和二〇年六月一一日死亡し、その子
訴外B(昭和二九年五月二八日死亡)が家督相続により本件建物の所有権を取得し
た。被控訴人は昭和二二年一二月二七日訴外Bから本件建物を宅地とともに代金二
〇〇、〇〇〇円で買い受け対抗要件としては昭和三二年三月二二日登記簿上の所有
名義人訴外C(昭和二〇年五月二〇日死亡)から同日売買を原因として被控訴人に
所有権移転登記がなされた。
 右売買契約はBの母訴外D(昭和二四年五月一九日死亡)がBを代理して被控訴
人と締結したものであるがBも右売買の折衝に自ら関与したものである。仮に本件
建物がもと訴外亡Aの所有でなく、控訴人の主張のように、それが右Aの長男訴外
Cの所有であつたとしても、同訴外人は昭和二〇年五月二〇日戦死し、遺産相続に
よりその両親である訴外Aと訴外Dがの所有権を取得し、右Aの持分は昭和二〇年
六月一一日その死亡とともに訴外Bが家督相続により取得し、前記売買当時本件建
物は訴外Bと訴外Dの共有に属していたのである。従つて前記売買によつて訴外D
は本件建物についての自己の持分を自ら被控訴人に譲渡し、かつ訴外Bを代理して
Bの持分を被控訴人に譲渡したものというべきであるから、被控訴人はやはり本件
建物の全所有権を取得したわけである。仮に前記売買について訴外Dは訴外Bの代
理権を有しなかつたとしても訴外Bは昭和二五年三月三一日被控訴人に対し「訴外
Dのした前記売買についてはその当時から賛成協力していた現在においてもなんら
異議がなくむしろ希求しているもので、訴外Dの行為を承諾追認する」旨の覚書
(甲第四号証)を差し入れたから、右追認により前記売買は契約の時に遡つてその
効力を生じた。仮に訴外Bの右行為が無権代理行為の追認としての効力を生じ得な
いものとしても、その追認は民法第一一九条によつて新たな売買行為をしたものと
みなさるべきである。従つて以上いずれにしても被控訴人は本件建物の所有権を有
することに変りはない。被控訴人は、本件訴訟の当初においては、訴外Dは訴外C
を代理して被控訴人と売買契約を締結し、これに基いて本件建物の所有権を取得し
たと主張したが、右主張は撤回する。
 控訴人等主張の抗弁事実は否認する。」と述べ、
 控訴代理人は「被控訴人は原審において本件建物を訴外Cの代理人である訴外D
から買い受けたと主張していたのを当審において撤回し、訴外Bの代理人である訴
外Dから買得したと主張した。これは請求の基礎に変更を来す請求原因の変更であ
るから右変更は許されないものといわなければならない。
 被控訴人主張の身分関係、死亡日時、相続関係、本件建物について昭和二三年三
月二二日に訴外Cから被控訴人に同日売買を原因として所有権移転登記のなされた
事実及び控訴人等が同日以前から本件建物内に同居してこれを占拠している事実は
いすれもこれを認めるが、被控訴人が本件建物を買い受け、もしくは追認によつて
その所有権を取得した事実は否認する。
 そもそも本件建物及びその敷地は元訴外Cの所有であり、昭和二〇年五月二〇日
その死亡によつてその父母である訴外A、同Dがこれを共同相続して取得し、昭和
二〇年六月一一日右Aの死亡によつてその家督相続人である訴外Bが亡Aの持分を
取得し、昭和二四年五月一九日右Dの死亡によつてその持分は右Bとその妹訴外
E、同Fの三名が共同相続し、昭和二九年五月二八日右Bの死亡によつて、その持
分はその祖父母である控訴人Gと訴外H、(Gの元妻)の両名が共同相続し、現在
その所有者及びその持分の割合は控訴人G、訴外Hは各六分の二、訴外E、同Fは
各六分の一である。仮に本件建物が元右Cの所有に属せず被控訴人主張のように訴
外Aの所有であつたとすれば前述の相続関係によつて訴外Bを経て現在は握訴人G
と訴外Hの共有に属するものである。さて被控訴人は昭和二二年一二月二七日訴外
Bの代理人訴外Dから本件建物を買い受けたと主張するが、かような事実はもちろ
んないのであつて、さればこそ当初被控訴人は本件売買は被控訴人とCの代理人D
との間に成立したと主張していたのである。ところがCはその以前の昭和二〇年五
月二〇日すでに戦死し、右売買当時には生存していないのであるから、死者の代理
ということはあり得ず、その売買は絶対に無効である。従つてその後訴外Bが相続
によつて右建物の所有権を取得したということが判り、同訴外人が前記Dのした行
為を追認したとしても本来無効な右売買がその追認によつて有効なものにならない
ことは民法第一一九条の規定からしても明白である。仮に被控訴人と訴外Bの代理
人訴外Dとの間に本件建物の売買が成立し、もしくは訴外Bが右売買を有効に追認
したとしても、訴外Aは昭和二〇年六月死亡前病態重く死期の近きを知るや、控訴
人Gに対し、自分の歿後は妻D及び娘三人の監督及び自分等の全財産特に本件土地
建物の管理をよろしく頼むと依頼し、その死後親族会を開いた結果同控訴人はI家
の後見と監督に当ることになつた。従つて本件建物について控訴人Gは管理権を有
し、訴外D等が本件建物を処分するについては、同控訴人の同意を要すべきもので
あるところ、前記売買及び追認はその同意なくしてなされたものであるから無効で
ある。
 仮に被控訴人が前記売買もしくは追認によつて本件建物の所有権を取得したとし
ても、有効な対抗要件をそなえていないから右所有権を控訴人等に対抗することが
できない。すなわち本件建物は未登記のまま訴外A所有名義にa市役所家屋台帳に
登録されてあつたところ、訴外Bは、昭和二〇年六月一一日右Aの死亡により、訴
外Cが家督相続をしその所有権を取得したと思い、昭和二二年一二月訴外Jと相謀
り、Cの印鑑を偽造して家屋台帳の所有名義をAからC名義に変更申請をなし、次
いでこれを基礎にしてC名義に保存登記申請をなし、更にこれを被控訴人名義に所
有権移転登記申請をした。ところが、CはAの死亡の前月すでに死亡しており、の
みならずC名義への登録登記は偽造の申請書によつてなされたものであるから、被
控訴人への所有権移転登記は無効といわねばならぬ。殊に被控訴人が訴外Bとの間
の売買により所有権を取得しにものとすればそれは被控訴人への所有権移転登記原
因たる昭和二三年三月二二日のCとの売買に該当しないから、その登記をもつて控
訴人等に所有権を対抗し得ない。被控訴人が本件建物の所有権取得を第三者に対抗
しようとするにはまず前記死者Cとの無効売買を原因とする無効登記その直前にな
された無効のC名義の家屋所有権の保存登記を一応抹消した上新たに被控訴人名義
に所有権取得登記をしなければならない理である。仮に被控訴人がその所有権を控
訴人等に対抗し得るとしても、控訴人等は本件建物を占拠する正権限を有する。前
記のように控訴人Gは本件建物等の管理を託されたので、昭和二〇年七月二九日か
らその子である控訴人Kとともに本件建物内にAの遺族と同居するに至つたもの
で、控訴人等は控訴人Gの有する右管理権に基いて本件建物に居住する権限がある
のみならず当初は無償で居住したが、A死亡後はその遺族は生活が困難になつて来
たので、控訴人Gは自発的に昭和二一年一月より一ケ月金五〇円を家賃として支払
うことを申し出たところ、D及びB等はこれに同意し、右賃料を受領するに至つ
た。従つて控訴人等は前記管理権に基く居住権を有するとともに賃借権を有するも
のである。されば以上のいずれの点よりするも本訴請求は失当である。」と述べ
た。
 証拠として、被控訴代理人は甲第一ないし第七号証を提出し、原審での証人L、
B(第一、二回)Eの各証言、被控訴本人の供述を援用し、乙第一ないし第八号証
は成立を認める。第九、一〇号証、第一一号証の一ないし二三、第一二号証の一、
二、第一三号証は不知、第一四、一五号証は成立を認める、第一六号証の一は官署
作成部分は成立を認めるがその余の部分及び同号証の二は不知、同号証の三、第一
七号証、第一八号証の一ないし五は成立を認める、と述べ、控訴代理人は乙第一な
いし第一〇号証、第一一号証の一ないし二三、第一二号証の一、二、第一三、第一
四、第一五号証、第一六号証の一、二、三、第一七号証、第一八号証の一ないし五
を提出し、原審での証人M、Nの各証言、控訴人G、同Kの各供述、当審での証人
Bの証言、控訴人Gの供述を援用し、甲第一号証は不知、第二号証は官署作成部分
は成立を認めるがその余の部分は不知、第三号証は成立を認める、第四、五号証は
不知、第六、七号証は成立を認める、と述べた。
         理    由
 本件建物について昭和二三年三月二二日登記簿上の所有名義人訴外Cから同日売
買を原因として被控訴人に所有権移転登記がなされたこと、控訴人両名が同日以前
から本件建物内に居住し被控訴人主張の部分を占拠使用していること、Cは昭和二
〇年五月二〇日死亡し、その両親である訴外A同Dが遺産相続をしたこと、Aは昭
和二〇年六月一一日死亡し、訴外Bがその家督を相続したことはいずれも当事者間
に争いがない。
 そこでまず被控訴人が本件建物について所有権を有するかどうかを判断する。成
立に争いのない甲第五号証原審での証人Eの証言、原審での控訴人Gの供述を綜合
すれば、本件建物は訴外Aが建築しその死亡まで同訴外人の所有に属したものであ
ることを認めることができる。右認定に反する原審での証人Mの証言、原審での控
訴本人Kの供述は前掲各証拠に照し信用できないし、他に右認定を左右する証拠は
ない。そして昭和二〇年六月一一日訴外Aが死亡し訴外Bがその家督を相続したこ
とは当事者間に争いがないのであるから、同日訴外Bがその所有権を取得したもの
といわなければならない。ところで被控訴人は昭和二二年一二月二七日訴外Bの代
理人である訴外Dから本件建物を買い受けたと主張するが、被控訴人の全立証によ
つても、売主が訴外Bであつて訴外Dがその代理人として売買契約をしたことを認
められないのみならず、かえつて原審での証人B(第一、二回)及びLの各証言、
右Bの証言によつて真正に成立したと認めりれる甲第一号証及び甲第四号証に、弁
論の全趣旨を総合すれば、D及びB等は金銭に窮しに結果本件建物及びその敷地を
売却することになり、昭和二二年一二月二七日当時すでに訴外Cは比島方面て戦死
していたが、D等はCはなお生存中で本件建物もAの死亡によりCが家督相続人と
して承継取得したものと信じていたため、DはCの代理人として同日本件建物をそ
の敷地(敷地の所有権は訴外Cの死亡により昭和二〇年五月二〇日遺産相続が開始
し、その父母である訴外A同Dの共有に帰し、次で昭和二〇年六月一一日Aの死亡
により訴外Bが家督相続によりAの持分を承継し、結局昭和二二年一二月当時訴外
DとBの共有に属していたわけである。)とともに代金二〇〇、〇〇〇円で被控訴
人に売り度したこと、その後昭和二三年八月公報の到達によつてD及びB等は結局
本件建物が前記売買当時Bの所有であることを知り、昭和二五年三月三一日Bは被
控訴人に対して、自己の所有物についてDがCの代理人としてした右売買契約を追
認したことを認めるに十分である。右認定に反する証人Bの当審での証言は原審で
の証言に照し信用できず、他に右認定を左右する証拠はない。(なお訴外Cがその
出征に際し自己の財産の管理処分について訴外Dに代理権を与えたことを認むべき
証拠はない。)
 控訴人等は、被控訴人が当初本件建物をCの代理人であるDから買い受けたと主
張していたのを当審で撤回し、Bの代理人であるDから買い受けたと主張を変更し
たのは、請求の基礎に変更を来す請求原因の変更であるというが、本訴は終始一貫
所有権に基く家屋明渡しの請求であつて、この場合所有権の取得経路について主張
を二、三にし、もしくはその主張を変更しても、請求の原因の変更というに当らな
いことは疑問の余地がない。これと異なる控訴人等の見解は失当である。
 さて一般に代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約を本人が追認した
ときは契約の時に遡つて本人に対してその効力を生ずることは民法第一一三条第一
一六条の規定上明らかである。本件は無権代理行為を<要旨>本人が追認した場合で
はないので直ちに右規定によつて律することはできない。しかしながら本件のよう
に代理名義をもつて締結された契約に表示された本人が非権利者である場
合、すなわち甲が乙の代理人として丙の権利に属するものを、乙のものとして処分
した場合に、権利者丙が乙代理人甲のした契約を追認したときは、無権代理行為を
本人が追認したときと同じく、原則として契約の時に遡つて権利者に対てその効力
を生ずるものと解するのが相当である。けだしこの場合は、ひつきょうするところ
非権利者(契約の効果が乙に及ぶ場合は乙、乙に及ばない場合は甲)のした処分行
為の権利者による追認に外ならず、遡及効を有する追認は無権代理の場合にのみ限
るべき理はなく、非権利者の処分に対する権利者の追認にも原則的に遡及効を認め
ても不都合はないからである(大審院昭和一〇年(オ)第六三七号同年九月一〇日
判決大審院民事判例集一四巻一九号一七一七頁参照)。そうだとすれば被控訴人は
前記Bの追認を得たことにより契約の時である昭和二二年一二月二七日に遡つてそ
の時から本件建物の所有権を取得したものというべきである。控訴人等は、訴外D
のした前記売買契約は、当時Cは生存しておらず死者の代理ということはあり得な
いから、絶対無効の契約であり、従つてたとえその後権利者であるBが右契約を追
認したとしてもその効力を生じ得ないと主張するが、死者の代理があり得ないこと
いう一事でその代理名義の契約が無効となるものではない(代理人は民法第一一七
条の責を負う、)から、控訴人等の右主張は失当である。また控訴人等は、控訴人
GはAから本件建物その他の管理を託され管理権を有し、D及びBがこれを処分す
るについては、同控訴人の同意を要すべきところ、前記売買及び追認はその同意な
くしてなされたから無効であると主張するが、控訴人等の主張するような理はない
から主張自体失当として排斥する。
 次に控訴人等は被控訴人への前記所有権移転登記は、死者であるC名義でなされ
九偽造無効の家屋台帳の登録、所有権保存登記、所有権移転登記の申請に基くもの
であり、かつBとの間の売買でなくCとの売買を原因としてなされでいるから、被
控訴人の有する所有権の適法な登記としての効力を生じ得ず、従つて被控訴人は本
件建物の所有権をもつて控訴人等に対抗できないと抗争するが、およそ登記は物権
変動の過程、物権変動の原因を如実に表現していなくとも、現在の物権関係に符合
しこれを表象する以上有効であるというべきである。これと反対の見解に立つ控訴
人等の主張は採用できない。
 次に控訴人等は被控訴人の所有権に対抗すべき正権限として前記管理権に基く居
住権を有すると主張するが、控訴人等の主張するような管理権をもつて被控訴人の
所有権に対抗し得る理はないから主張自体失当として排斥する。
 最後に控訴人等は被控訴人が本件建物を取得する以前から賃借権を有すると主張
するが、これに副うような当審での証人Bの証言、控訴本人Gの供述は原審での証
人B(第一回)、E、下河辺林冶の各証言に照し信用できないし、他にこれを認む
べき証拠はないから、右抗弁は採用できない。
 そうすると控訴人両名は本件建物のうち被控訴人主張の部分を不法に占拠するも
のというべく、被控訴人に対しこれを明け渡す義務があり、右明渡し請求を認容し
た原判決は相当であるから、民事訴訟法第三八四条により本件控訴は棄却すべきで
ある。
 次に附帯控訴による金員請求について判断する。控訴人両名は本件建物のうち被
控訴人主張の部分を前認定のごとく不法に占拠し、共同して被控訴人に対し昭和二
三年三月二二日以降右明渡しずみまで賃料相当の損害を加えているものというべ
く、賃料相当の損害金額が被控訴人主張のとおり昭和二三年三月二二日から昭和二
六年九月末日までは一ヶ月金一五〇円の割合、同年一〇月一日から昭和二七年一一
月末日までは一ヶ月金二八八円八三銭の割合、同年一二月一日より右明渡しずみま
では一ヶ月金五四〇円一四銭の割合であることは、控訴人両名が明らかに争わず、
かつ弁論の全趣旨からみて争うものとも認められないのでこれを自白したものとみ
なす。従つて控訴人両名は連帯して被控訴人に対し右金員の支払義務があるものと
いうべく被控訴人の金員請求は全部正当として認容すべきである。
 よつて民事訴訟法第八九条、第九三条を適用して主文のとおり判決する。
 (裁判長判事 田中正雄 判事 神戸敬太郎 判事 平峯隆)

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