弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
1 本件控訴を棄却する。
2 本件附帯控訴を棄却する。
3 控訴費用は控訴人の負担とし,附帯控訴費用は被控訴人の負担とする。
       事実及び理由
第1 控訴人の申立て
(控訴の趣旨)
1 原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。
2 同取消部分にかかる被控訴人の請求を棄却する。
(仮執行の原状回復請求)
 被控訴人は,控訴人に対し,145万6771円及びこれに対する平成10年4
月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 附帯控訴の趣旨
1 原判決を次のとおり変更する。
2 控訴人は,被控訴人に対し,359万2300円及び内金195万4500円
に対する平成6年12月16日から,内金163万7800円に対する平成7年6
月29日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第3 事案の概要
1 控訴人の給与規定においては,賞与の支給要件として支給対象期間の出勤率が
90パーセント以上であることが必要とされており,また,控訴人は,出勤率の算
定に当たり,産後休業日数及び勤務時間短縮措置による育児時間(以下,単に「育
児時間」ということがある。)を欠勤日数に算入するという取扱いをした。被控訴
人は,平成6年度年末賞与の支給対象期間に産後休業を,平成7年度夏期賞与の対
象期間に勤務時間短縮措置による育児時間をそれぞれ取得したため,各支給対象期
間における出勤率が90パーセントに達しなかった。控訴人は,これを理由とし
て,被控訴人に対し,平成6年度年末賞与及び平成7年度夏期賞与を全く支給しな
かった(以下「本件各取扱い」という。)。
 本件は,本件各取扱いを不服とした被控訴人が,控訴人に対し,賃金請求として
平成6年度年末賞与及び平成7年度夏期賞与等を請求し,選択的に,控訴人の不法
行為による損害賠償として,同各賞与相当額等を請求した事案である(平成6年度
年末賞与に関するものが甲事件であり,平成7年度夏期賞与に関するものが乙事件
である。)。
 原審裁判所は,被控訴人の請求について,賞与として合計126万2300円及
び内金77万4500円に対する平成6年度年末賞与支給日である平成6年12月
16日から,内金48万7800円に対する平成7年度夏期賞与支給日である平成
7年6月29日から,各支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度
で認容し(仮執行宣言付き),その余を棄却したの
で,認容部分を不服とする控訴人が,控訴するとともに,仮執行の原状回復等を命
ずる裁判の申立てをして,仮執行宣言に基づき支払った145万6771円及びこ
れに対する支払日後の平成10年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金
員の支払を求めたのに対し,棄却部分を不服とする披控訴人が附帯控訴したもので
ある。
 なお,被控訴人は,原審において,学校法人高宮学園(以下「高宮学園」とい
う。)をも被告とし,被控訴人と高宮学園との間にも労働契約関係があると主張し
て,控訴人との連帯支払を求めたが,原審裁判所は,高宮学園に対する請求を棄却
し,これに対し,被控訴人は控訴をしなかった。
2 争いのない事実等,争点及び当事者の主張は,次のとおり,原判決に対する加
除,訂正をし,3のとおり,当審における当事者の主張を付加するほかは,原判決
「事実及び理由」欄第二「事案の概要」の一ないし三(原判決6頁2行目から67
頁6行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。なお,「被告学校法人
高宮学園(被告高宮学園)」を「高宮学園」と,「被告学校法人東朋学園(被告東
朋学園)」を「控訴人」と,「被告ら」を「控訴人」(又は複数を指すことが必要
な限度で「控訴人及び高宮学園」)とそれぞれ読み替える。
(原判決に対する加除,訂正)
(1) 原判決16頁2行目の「一六時三○」の次に「分」を付加する。
(2) 同24頁末行を削除し,25頁1行目の「3」を「2」と,2行目の
「4」を「3」とそれぞれ改める。
(3) 同27頁7行目の「三号」の次に「(配偶者が出産したとき)」を付加す
る。
(4) 同46頁1行目から48頁末行までを削除し,49頁1行目の「(5)」
を「(4)」と改める。
(5) 同49頁2行目,52頁3行目,53頁5行目及び末行の「被告らは、原
告に対し、連帯して」を「控訴人は,被控訴人に対し」とそれぞれ改める。
(6) 同53頁1行目の「共謀のうえ、」を削除する。
(7) 同53頁3,4行目及び54頁9,10行目の「民法七○九条及び七一九
条の共同不法行為」を「民法709条の不法行為」と,53頁末行の「被告らの共
同不法行為」を「控訴人の不法行為」と改める。
(8) 同54頁10行目及び55頁3行目の「連帯して、」を削除する。
(9) 同67頁2行目から6行目までを削除する。
3 当審における当事者の主張
(1) 控訴人の主張
ア 賞与の法的性

(ア) 賞与の法的性格については,労働契約上あらかじめ金額が定められて毎月
支給される賃金とは異なり,いわゆる盆暮に毎月の賃金とは別に支給され,しかも
不確定要素の多い賞与の特殊性にかんがみると,それを抽象的に定義づけその法的
性格を一義的にのみ解することは妥当ではなく,その法的性格(労働の対償性の有
無)を判断するに当たっては,使用者,労働者間の約定,意識,労働協約の定め,
労使慣行等個々具体的な事実関係を考慮すべきである。
(イ) 控訴人の就業規則給与規程19条1項が,賞与は控訴人の業績を考慮した
うえ,職員の勤務成績等に応じて支給することがあると規定し,同条2項3号が,
支給日,支給の詳細については,その都度回覧にて知らせると規定していること等
からすれば,賞与の支給が恩恵的・任意的なものであり,支給するか否かの決定,
支給基準等の確定が控訴人の裁量に委ねられているものであるから,「使用者であ
る被告の裁量にゆだねられた恩恵的・任意的給付であるということはできない」と
の原判決の判断は,事実誤認である。
 本件各賞与の性格は,功労報償的,利益配分的色彩の濃いものであり,生活補給
的な一面のあることも否定できないとしても,全体をみれば,恩恵的・任意的給付
と認め得るのであり,少なくとも,その内容が計算期間以前に定められていない点
において労務提供に対する本来的請求権の内容となる通常賃金と顕著に異なること
は否定しえないところである。
(ウ) 原判決は,控訴人における継続的な賞与支給を賃金性の判断の基礎として
取りあげるが,賞与が継続的に支給がなされているとしても,それは,控訴人にお
いて恩恵を継続的に施していることに過ぎず,賃金を後払いしているものではな
い。
(エ) また,原判決は,個々の従業員ごとの具体的な確定行為がないとして,控
訴人の裁量の余地を否定している。
 しかし,控訴人には基本給に乗ずる係数決定等の権限が存するのであって,これ
によって,支給金額は大きく変動するものである。つまり,控訴人が係数をゼロと
し,職階手当や家族手当を含ませることを断念した場合,給付額もゼロとなるもの
であり,控訴人の裁量により,支給額はゼロということもあり得るのであって,控
訴人に支給金額増減に関する裁量の余地がないとの原判決の認定は,到底是認でき
ない。
(オ) 原判決は,被控訴人の年間総収入額に占める賞与の割合を問題にする
ところ,原判決の認定では,昭和63年度から平成5年度及び平成8年度の被控訴
人の総収入に占める賞与の割合は,27.15パーセントから31.11パーセン
トで推移している。
 しかし,原判決は,いかなる基準をもって右の割合が高いと判断しているのか,
また,割合が高いことがどのように控訴人における賞与に賃金性を認めることに結
びつくのか,原判決からは全くもって不明である。
イ 本件90パーセント条項の意義
(ア) 原判決は,本件90パーセント条項の趣旨・目的について,従業員の出勤
率向上,貢献度評価という二つの側面を認定しながら,出勤率低下の防止という側
面のみを強調し,法が権利,利益として保障する趣旨を損なう場合には,これを損
なう限度では本件90パーセント条項の合理性を肯定できない旨述べるが,貢献度
評価という側面を完全に無視した偏頗な判断といわざるを得ない。
 すなわち,貢献度評価という目的については,これが賞与以外にも労働者にとっ
て根源的な通常賃金(月例賃金)においても,世間一般において反映されているこ
とは,周知のとおりである。
 本件各賞与についても,通常の月例賃金においては貢献度評価を全面的に採用し
ない反面,賞与支給において,貢献度を反映させるものであり,被控訴人ら労働者
の職務が事務職ということでその業績に対する貢献度を数値的に算定することが困
難なために出勤率を貢献度評価に置き換えているものであり,賞与支給算定におい
て控訴人に裁量権が存在しているという観点からも,本件90パーセント条項はこ
のような貢献度評価という意味において十分な合理性を有する規定なのである。
(イ) 本件90パーセント条項が,企業の業績に対する貢献度評価としての目
的・機能を有して,十分な合理性があるとすれば,そこで評価基準となるべき出勤
率の算定において欠勤として扱われるものは,何も労働者の責めに帰すべき事由に
よる欠勤に限定されるべきでないことは当然である。なぜなら,労使双方の責めに
帰すべからざる事由による欠勤も,企業業績に対する貢献としてはマイナス評価さ
れるものであることは当然だからである。
 そして,欠勤(不就労)は業務の遂行に支障を与え,職場全体としての事業運営
に多大の影響を及ぼすものであるから,業積に対する貢献度について,マイナスの
評価とならざるを得ないところ,欠勤日数が僅少である場合には,その悪影響の度
合いは少
ないと言いうるが,その日数が増大するにつれ,その悪影響の度合いは累進的に大
きくなるのであり,貢献度についてのマイナス評価も同様に累進的に大となるもの
である。
(ウ) 原判決は,被控訴人の産後休業は出勤すべき日数125日の32パーセン
トに相当することを認定しているが,これを出勤率としてみた場合,68パーセン
トという極めて低い出勤率であり,このような低い出勤率を貢献度の観点からみた
場合,100パーセント出勤した人間の貢献度と比較して,同等に扱うことは到底
できず,さりとて68パーセントの貢献度として評価することは使用者側の経済的
損失を顧慮した場合,これを受け入れることは困難であり,数値的出勤率をそのま
ま貢献度として評価することはできないものであって,全体として数値的に算出さ
れた出勤率以上のマイナス評価を加えることは当然である。
(エ) 仮に,不就労(欠勤)が法的権利の行使ないし法的利益の反射的利益であ
るとしても,労働基本権であるスト権行使に伴う不就労について,ノーワーク・ノ
ーペイの原則からその賃金支払義務を否定するのが判例・通説である。
 このような判例の潮流からすると,憲法上も保障された権利である争議権行使に
伴う不就労についてすらも,賞与のカットが可能であるのだから,本件各賞与に関
しても,産後休業及び勤務時間短縮措置による育児時間に伴う不就労に基づいて賞
与をカットすることは当然許されるものといわざるを得ない。
ウ 公序違反
(ア) まず,公序良俗違反は一般条項であり,個別具体的な事情,状況等を加味
した総合的判断であるところ,法律解釈論としては最後のいわゆる伝家の宝刀であ
って,安易にこれを展開することは避けるべきである。
(イ) 本件についていえば,賞与支給という従業員(労働者)全体に対して一律
に適用されるべきいわば制度の解釈の問題である。
 しかるに,個々の従業員の個別具体的な事情,状況等を加味した総合判断を加え
なければ支給の可否が決定できないということになれば,その賞与制度自体の法的
安定性は著しく損なわれることは必至である。つまり,原判決は,控訴人の賞与支
払の状況,控訴人の被控訴人に対する賞与支払の状況,不払となった賞与額の被控
訴人の手取り収入に対する割合,被控訴人の生活状況等々について検討している
が,これらあまたの事情を前提としなければ,賞与支給の是非が決定できないとい
うことにな
れば,賞与という制度自体にとって,使用者・労働者の双方にとって著しく法的安
定性を欠くこととなるのは明白である。
(ウ) さらに,本件被控訴人の如く,単身居住する未婚女性の出産であり,出生
児の父親が誰であるのかが控訴人側には判らず,したがって,その人間の経済力等
が不明であり,被控訴人の実家及び出生児の父親からの経済的援助もない,という
極めて希有な事案について,一般条項である公序良俗違反を適用し,全従業員に適
用される賞与支給制度について論じることが果たして妥当なのかどうか,極めて疑
問である。
(エ) 原判決は,公序違反の適用において,被控訴人の収入の減少面を特別に重
視している。
 しかし,収入の減少という側面についても,出産のケースごと,個々の女性の境
遇,環境等により減少の幅は大きく異なるものである。
 また,原判決が,被控訴人の収入減について,その判断資料として重視する甲4
1,42は,控訴人の世帯とはかけ離れた世帯像が想定されるものであり,原判決
には,審理不尽,経験則違背,理由齟齬ないし理由不備があるといわざるを得な
い。
(オ) さらに,被控訴人における収入の額を公序良俗の関係で問題とするのであ
れば,強行法規である最低賃金法所定の最低賃金を勘案せずにこれを論じることは
できない。
エ 無効の範囲について
(ア) 原判決によれば,結論として,本件90パーセント条項における出勤率算
定にあたって,産前産後休業や育児時間についても出勤と同様の取扱いをすべきこ
とになる。
 しかし,この論理を育児休業をした場合に敷衍すると,対象期間について,実際
には1日も出勤しなかった者についてまで,賞与について全額支給しなければなら
ないという結論になるが,この結論が不合理であることは論を待たない。
(イ) 原判決は,無効の範囲について,合理的意思解釈の手法を用いている。
 しかし,控訴人の意思として,本件90パーセント条項適用の場面において,産
前産後休業の期間及び育児時間を取得したことによる不就労期間を当事者双方の責
めに帰すべからざる事由による不就労として欠勤と同じく取り扱う意思であって,
原判決のいう,無効は一部無効であるにとどまるというような合理的意思など持ち
合わせていない。しかも,合理的意思解釈といいつつ,原判決の認める不就労期間
に対応する賞与の減額まで否定しているが,これは金員支払を量的に考えた場合,
支払を実
行する者の意思を無視したものであり,社会通念上到底認められる解釈ではない。
(ウ) 不就労期間に対応した減額をどのように行うかは,当事者の私的自治に委
ねられた問題なのであって,司法判断の介入すべき問題ではない。
 そのことは,とりもなおさず,そもそも本件賞与が恩恵的給付であって,控訴人
がその支給条件を決定できることを意味するのである。
(エ) 原判決は,月例賃金については,産前産後休業や育児時間についてノーワ
ーク・ノーペイの原則から欠勤同様に賃金が発生しないこと,また,本件各賞与に
ついてもその賃金性を認め,不就労期間に対応する減額は法が許容する不利益であ
ると述べている。
 したがって,原判決の論旨をそのまま展開すれば,本件各賞与について,算定の
基礎となる期間における被控訴人の不就労期間に対応して,各賞与の減額を行った
上で残額についての支払を控訴人に対して命じる判決内容となるべきであった。
 ところが,原判決は,結論において,不就労部分に対応する減額を行わず,本件
各賞与の全額支給を命じており,論理矛盾をきたしていることは明白である。
(オ) 本件事案において,不就労部分に対応する減額を行うと,支給されるべき
金額の上限は,以下の計算式のとおり,平成6年度年末賞与については46万36
40円,平成7年度夏期賞与については35万1570円となる。
(平成6年度年末賞与)
基本給×係数  141,300×4   565,200円
職階手当                194,100円
家族手当×2    7,600×2    15,200円
小計                  774,500円①
基本給÷20×欠勤日数
   141,300÷20×44(注1)310,860円②
①-②                 463,640円
(注1)産後休暇40日及び勤務時間短縮措置による育児時間を日数に換算した4
日の合計である。
(平成7年度夏期賞与)
基本給×係数  143,400×3   430,200円
職階手当                 57,600円
小計                  487,800円③
基本給÷20×欠勤日数
   143,400÷20×19(注2)136,230円④
③-④                 351,570円
(注2)勤務時間短縮措置による育児時間を日数に換算したも
のである。
オ 仮執行の原状回復請求
 控訴人は,仮執行宣言付きの原判決に基づき,平成10年3月30日被控訴人に
対し,145万6771円を支払った。
 そこで,控訴人に金員の支払を命じた原判決が取り消され,被控訴人の請求が棄
却される場合には,控訴人は被控訴人に対し,民事訴訟法260条2項に基づき,
仮執行の原状回復として,支払った上記金員の返還とこれに対する同年4月1日か
ら支払済みまで民法所定の年5分の割合による損害賠償の支払を求める。
(2) 被控訴人の主張
ア 出産休暇の取得を欠勤加算する違法
(ア) 控訴人は,本件のような措置は,不就労を抑制して出勤率を向上させるた
めの措置であるとし,その合理性を主張する。しかし,出産休暇(ひいては場合に
よってはその延長として取得される子育てのための育児休暇や勤務時間短縮措置に
よる育児時間)は,当然にして不就労を伴うものであるが,抑制されるべきもので
はない。すなわち,労働者が妊娠・出産した場合,出産休暇は母体と子どもの健康
のために不可欠な休業であって,そのような休業についてまで抑制して出勤率を向
上させること自体合理性がない。まして,被控訴人が取得したのは産後休業のみで
あり,健康のために必要な義務づけられた休業ともいうべきものであって,これを
抑制することの不合理は著しい。なお,休職取得が濫用されているのであれば抑制
の必要も考えられないではないが,出産休暇や育児時間については濫用など考える
余地もない。
 また,ことさら一時金の支給に関する回覧文書備考欄に欠勤加算すべしとされる
不就労だけを抑制しなければならない合理的な根拠は存在しないし,出産休暇や育
児時間についてのみ不就労を貢献度評価にさらすということになれば,不合理で差
別的なものとなることは明らかである。
(イ) 以上のことからすると,回覧文書備考欄に記載された,出産休暇,育児時
間(及び生理休暇)による不就労については,一時金支給要件及び算定基準に定め
るところの欠勤に加算するという条項そのものが不合理であって,公序に反するも
のである。
 これに対し,控訴人は,一時金支給要件を定める本件90パーセント条項によっ
て,出産休暇を取得すればそれだけで一時金が全額カットされることは公序に反す
るとしても,算定基準の適用において欠勤加算をすることまでも無効になるわけで
はないと主張する。このような主張の根拠は,算定
基準の適用において欠勤加算したとしても,ノーワーク・ノーペイの原則からはむ
しろ合理的であり,しかも不利益も全額不支給より甚大でないというところにある
ものと考えられる。
 しかし,控訴人の一時金算定基準に定められた欠勤日による一時金カットは,ノ
ーワーク・ノーペイの範囲を超える制裁的性格を有しているものである。また,ノ
ーワーク・ノーペイの原則の適用についても,合理性を欠いたり均等待遇原則を逸
脱するものであってはならず,その点で,他の休暇についてはノーワーク・ノーペ
イの原則を適用しないのに,出産休暇等のみを特別に抽出して同原則を適用させる
ことに合理性があるとは考え難い。加えて,その適用による不利益は,欠勤加算の
対象とならない他の休暇を取得した場合と比較すると大きな格差となることに加
え,減額分は,披控訴人のような低い賃金水準にある労働者にとっては多大の苦痛
を余儀なくされるものであり,甚大な不利益であることに変わりはない。
イ 勤務時間短縮措置による育児時間を欠勤控除することの違法性
(ア) 育児時間の欠勤取扱いは全くの不意打ちであり,明確性の原則,禁反言の
法理に照らして許されない。
 原判決も正しく認定しているとおり,本件一時金は,就業規則の一部である給与
規定等に支給基準が定められ,かつ労働者の年収に大きな比重を占めていることな
どから賃金としての性格を持つものであり,その支給条件については,労働者に明
確に示されていることが必要である(労働基準法89条4号,同法施行規則5条5
号参照)。特に一時金の場合には,具体的な支給条件の適用によって支給の有無や
具体的支給権が確定されるものであるので,一時金の対象期間前に支給条件が明確
にされていなければならない。事前の提示なく,抜き打ち的に一時金の支給条件を
規定することは,明確性の原則に反するもので許されない。また,このような取扱
いは,私法における禁反言の法理に照らして許されない。
(イ) 本件90パーセント条項の適用において欠勤扱いすることの反公序性
 勤務時間短縮措置による育児時間は,育児休業法(本件当時)に基づくものであ
り,その取得は労働者の責めに帰すべき事由による不就労と区別されて保障される
べきであるというのが法の趣旨であるから,これを労働者の責めに帰すべき事由に
よる欠勤と同視して労働者に同様の不利益を被らせることは前記法の趣旨を没却す
るもので
あって,許されない。特に本件の場合,本件90パーセント条項の適用において欠
勤扱いされることの権利行使に対する抑止的効果は極めて大きいものであり,これ
は明らかに育児時間を定めた育児休業法の趣旨に明らかに反するものである。
 また,貢献度という点からみても,育児時間の場合には勤務時間が短縮されてい
るとはいえ就労しているのであり,企業貢献度が全くないというのは明らかに不合
理であるし,他の特別休暇(出産休暇,生理休暇を除く)の取得がマイナス評価を
受けないこととの整合性という点からも不合理極まりない。
(ウ) 支給計算基準において欠勤扱いすることの反公序性
 第1に,育児時間を欠勤として扱うことが,控訴人の本件提訴に対する報復的意
図で行われたということである。
 第2に,他の特別休暇の扱いとの著しい差異という問題がある。
 第3に,控訴人の支給計算基準が単なるノーワーク・ノーペイを超え,制裁的な
カットを行うものであるという点である。
ウ 労働契約内容の一方的不利益変更であって労働者を拘束しないこと
(ア) 回覧文書の基本的性格と労働契約
 控訴人の給与規程19条によると,一時金支給にかかる具体的な内容はその都度
回覧により知らせることが定められ,控訴人は,一時金支給の都度回覧文書を配布
して計算基準等を職員に周知してきた。上記定めによれば,本件回覧文書は控訴人
の給与規定すなわち就業規則の一部である。そして,回覧文書に定められた支給条
件及び算定基準は各項目に該当する金額や係数に若干の変動はあるものの,基本的
な算定基準は過去20年来同一のものであって,労使慣行として確立された算定基
準となっていた。
 被控訴人が控訴人との間で労働契約を締結した昭和61年当時は同支給要件及び
算定基準を定めた中には,本件90パーセント条項の適用による出勤率及び支給額
の算定における欠勤日について,出産休暇,生理休暇,育児時間を欠勤加算する旨
の定めはなく,上記の支給条件及び算定基準が慣行として確立していた。したがっ
て,被控訴人と控訴人との間には,本件90パーセント条項の適用によって出勤率
が90パーセントを下回らない以上,所定の算定基準に基づいて一時金が支給さ
れ,かつ,欠勤の場合以外に減額がされないことを内容とする労働契約が成立して
いた。
(イ) 備考欄による欠勤加算条項の新設とその法的評価
 回覧文書による出勤率及び一時金額の算定
基準にある欠勤日について,控訴人は,平成4年には出産休暇及び生理休暇を欠勤
加算する規定を回覧文書備考欄に新設し,さらにその後,被控訴人が出産休暇明け
で育児時間を取得するようになると,今度は過去に遡って育児時間を欠勤加算する
旨回覧文書備考欄に付加した。
 こうした回覧文書の備考欄の欠勤加算条項の挿入は,これによって被控訴人ら職
員の労働条件を決定付けようとするものである以上,就業規則の一部をなす給与規
定の変更として法的に評価することができる。そして,その適用の結果は,明らか
に規定が挿入されていない状態に比して不利益を余儀なくさせるものであり,本
来,出勤義務のある日の欠勤を抑制し,出勤率を高めることを目的とする同規定及
び同支給慣行の趣旨を実質的に変更して,職員に著しい不利益を生じさせるもので
あった。
(ウ) 規定変更の必要性・合理性
 控訴人において,特別休暇など勤務を免除される取扱いのうち,出産休暇,生理
休暇,育児時間による不就労のみを欠勤加算し,もってこれによる不就労を抑制し
なければならない経営上の必要性は皆無である。
 また,そうした変更自体及び変更の内容が著しく合理性に欠けることは,既に繰
り返し指摘してきたところである。本件規定の変更が,究極のところは,女性が出
産・子育てをしながら控訴人で働き続けることを嫌悪し,出産・子育てそれ自体な
いし出産休暇や育児時間の権利行使を抑制するという,法の趣旨からは大きく逸脱
した意図目的のもとに行われたものであることからすると,その不合理は明白かつ
顕著というべきである。
エ 本件賃金カットの女性差別性
(ア) 女性に対する差別であること
 控訴人においては,就業規則45条において特別休暇として,1号本人が結婚し
たときの休暇,2号子女又は兄弟が結婚するときの休暇,5号祖父母・兄弟及び配
偶者の父母が死亡したときの休暇,6号亡父母,亡夫妻,亡子の法要の場合,7号
職員が出産したときの休暇,8号生理休暇を定めている。ところが,控訴人は,こ
れらの休暇のうち,専ら女性のみが取得する「7号職員が出産したときの休暇」
「8号生理休暇」を選んで,これを一時金支給の有無及び支給額の決定にあたり
「欠勤」として不利益に扱った。他の男性職員も取得することになる休暇について
は,不就労という事実は同じであるのに,出勤率向上のために抑制されるべき対象
ともされず,したがって,これを取
得したとしても賃金カットを受けることはない。
 また,育児休業規程上の権利については,形式的には男女労働者が取得できるも
のとされているが,女性が家庭責任を専ら負っている現在の日本では,育児時間短
縮等の権利を行使するのは,実質的には専ら女性である。育児休業規程上の権利行
使を欠勤扱いすることは,実質的には,家族的責任を負担する女性に不利益を与え
るものである。とりわけ,前近代的な意識を有する控訴人経営については,男女平
等に家族的責任を負うものであることを積極的に主張して差別性を否定することは
許されない。
 以上のような一時金の支給及び算定上の差異については,性以外の何らの合理的
な根拠もないものである。
 ところで,控訴人の就業規則によれば,同じ出産に関する休暇について,男性従
業員の妻が出産した場合には男性従業員に5日間の有給休暇が保障され,一時金に
ついても不就労として欠勤加算されることはないため,賃金カットされることはな
い。これに対し,女性職員が出産休暇を取得したときは,6割の健康保険からの休
業手当金が得られるのみで無給であり,一時金においては,制裁的な全額カットを
受ける。このような取扱いの差異は,まさに控訴人の女性差別的意図を直接的に表
すものであって,差別意図が立証されていないものとして差別性を認定しなかった
原判決は,その部分において取り消されるべきである。
(イ) 女性差別の意図
 控訴人が,一時金支給について,出産休暇,育児時間を欠勤とし不利益扱いした
のは,控訴人が,女性が結婚し出産し子育てしながら勤務を継続することを嫌悪な
いし敵視し,そうした女性を不利益に取り扱うことを意図して行われたものであ
る。
 このことは,そもそも,控訴人は,雇用機会均等法制定後も,女性職員採用時に
「結婚したときは退職する」旨の念書を提出させることをはじめとして,職務配
置,賃金,その他の処遇全般にわたって女性差別や不利益な取扱いを行っていると
いう強い差別的体質があること,また,前記のような,回覧文書備考欄に出産休
暇,育児時間等について欠勤加算する規定を追加記載をしたこと等からも裏付けら
れるところである。
オ 合理的意思解釈
(ア) 合理的意思解釈は,意思表示の内容の一部が無効であるとき,無効の部分
と無効でない部分が不可分一体ではなく,全部を無効にすることが不合理であり,
当事者の意思にも合致しない場合,無効の
部分のみを除いて他の部分の効力を認めるために用いられる解釈である。
 本件についてみれば,前述のとおり,産前産後休業及び勤務時間短縮による育児
時間の取得を労働者の責めに帰すべき事由による不就労と同視し,これらを出勤す
べき日数に算入する本件90パーセント条項は無効であるが,その無効をもって一
時金の支給に関する定め全部を無効とするならば,被控訴人のみならず控訴人の従
業員全員が一時金を受けられないことになり,極めて不合理な結果となるのみなら
ず,控訴人の意思にも合致しないと推認される。したがって,原判決が一部無効に
より一時金支給に関する定め全体を無効と判断しなかったことは当然である。
(イ) ところで,「一時金の支給について」と題する回覧文書記載の本件90パ
ーセント条項の上記部分が違法無効となった場合,支給計算基準はどうなるのであ
ろうか。
 原判決が判示するように,産前産後休業及び勤務時間短縮措置による育児時間の
取得を,労働者の責めに帰すべき事由による不就労と同視して,労働者に不利益を
被らせることは,これらの権利を保障した趣旨を没却させ法の容認しないところで
あり,違法無効である。同様に,上記支給計算基準において,備考により産前産後
休業及び勤務時間短縮による育児時間の取得を,労働者の責めに帰すべき事由によ
る不就労と同視し,欠勤と取り扱うことも違法無効といわざるを得ない。
 しかも,被控訴人の就業規則においても,欠勤は「傷病またはやむを得ない事情
により欠勤するとき」と規定され,給与規定においても,欠勤中の給与として定め
られているのは,「業務外の傷病により欠勤が引続き下記の月数に及ぶとき」と規
定され,控訴人において欠勤とは傷病またはやむを得ない事情による不就労とされ
ている。
 これに対し,出産及び生理休暇については年次有給休暇などと共に欠勤とは区別
された休暇と規定されている。同様に勤務時間短縮措置による育児時間も,控訴人
の育児休職規定によって,欠勤とは異なる権利として定められているものである。
 以上のとおり,控訴人において欠勤とは,あくまでも法律上及び就業規則上権利
として認められていない「労働者の責めに帰すべき事由による不就労」を意味して
いることは疑いようがない。
 したがって,支給計算基準においても,欠勤日数に上記権利取得日数を加えるこ
とは,文言上も不可能である。
カ 信義則違反及び権利濫用
 本件一時金に関する規定及びその変更は,前述のとおり,就業規則及びその不利
益変更として違法なものであるが,これを信義則の観点からみると,控訴人が就業
規則ではなく回覧文書によって,その都度出産休業や育児時間取得者に対し一時金
の支給を制限する旨を追加することは,使用者である控訴人にその権利があると仮
定しても,労働者である被控訴人の一時金に対する正当な期待に反し,その利益を
害するものである。とりわけ,勤務時間短縮措置による育児時間が一時金不支給の
事由となることは,被控訴人が権利行使をする時点で何らの定めがないのみなら
ず,被控訴人が手続をする際に上司に尋ねたのに対し,不利益を受ける旨の説明は
一切なく,被控訴人は一時金のカットを受けるということは夢にも思わず権利の取
得を開始した後に定められたものである。
 したがって,控訴人の上記措置は信義則に反し違法無効であることは明らかであ
る。
キ 慰謝料及び弁護士費用
 原判決は,被控訴人の債務不履行ないし不法行為に基づく慰謝料及び弁護士費用
の請求を棄却したが,被控訴人は,控訴人の本件一時金不払により著しい生活困難
に追い込まれ,やむを得ず高利の金融業者から借金をして何とか親子2人の生活を
維持した。その間の金利負担は大変なものであり,被控訴人は,一時金の金額を超
える経済的損失を被るとともに,そのような負担を強いられることによって精神的
にも大きな被害を受けたのである。これらの被害は,一時金請求権が認められたこ
とではカバーされていない。
 また,前記のような控訴人の職場における女性差別や,個人の尊厳,人格を無視
する前近代的,差別的な対応は悪質極まりないものである。
 これらの事情及び経過を総合すると,被控訴人の損害として慰謝料が認められて
しかるべきであるし,弁護士費用についても,十分相当因果関係がある損害という
べきである。
第4 当裁判所の判断
1 当裁判所も,被控訴人の請求は,控訴人に対し,賞与として合計126万23
00円及び内金77万4500円に対する平成6年度年末賞与支給日である平成6
年12月16日から,内金48万7800円に対する平成7年度夏期賞与支給日で
ある平成7年6月29日から各支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求め
る限度で理由があり,その余は理由がない(したがって,控訴人の仮執行の原状回
復請求もその判断の必要がないこととなる)と判断す
るものであり,その理由は,次の2のとおり,原判決に対する訂正,加除をし,3
のとおり,当審における当事者の主張に対する判断を付加するほかは,原判決「事
実及び理由」欄第三「当裁判所の判断」の一ないし七(原判決67頁8行目から1
07頁末行で)に説示のとおりであるから,これを引用する。
2 原判決に対する訂正,加除
(1) 原判決71頁末行の「産前産休業」を「産前産後休業」と改める。
(2) 同74頁7行目の「一一条」を「8条」と改める。
(3) 同75頁5行目冒頭の「産前産後休業を」から7行目の「しかしながら」
までを「以上のとおり」と改める。
(4) 同77頁7行目冒頭の「勤務時間短縮措置による育児時間」から8行目の
「解される。」までを削除する。
(5) 同81頁3,4行目の「検討し,」から6行目末尾までを「検討する。」
と改める。
(6) 同89頁未行から91頁7行目までを削除する。
(7) 同95頁8行目から97頁3行目までを削除する。
(8) 同102頁5行目の「ない。」の次に「よって,控訴人は,被控訴人に対
し,前記各金員につき支払義務を負う。」を付加する。
(9) 同102頁6行目から106頁4行目までを削除する。
3 当審における当事者の主張に対する判断
(1) 控訴人の主張に対する判断
ア 控訴人の主張ア(賞与の法的性格)について
 控訴人は,賞与の法的性格(労働の対償性の有無)を判断するに当たっては,使
用者,労働者間の約定,意識,労働協約の定め,労使慣行等個々具体的な事実関係
を考慮すべきであるとした上,控訴人の就業規則給与規程19条1項が,賞与は控
訴人の業績を考慮した上,職員の勤務成績等に応じて支給することがあると規定
し,同条2項3号が,支給日,支給の詳細については,その都度回覧にて知らせる
と規定していること等を根拠に,賞与の支給が恩恵的・任意的なものであり,支給
するか否かの決定,支給基準等の確定が控訴人の裁量に委ねられている旨主張す
る。
 しかしながら,原判決の掲記する各証拠及び弁論の全趣旨によれば,原判決の認
定するとおり,控訴人における賞与は,就業規則の一部に当たる給与規程におい
て,夏期賞与及び年末賞与の支給対象期間をそれぞれ前年11月16日からその年
の5月15日まで及びその年の5月16日から11月15日までとし,支給対象者
は出勤率が90パーセント以上の者とし,支給日,支給の詳細につい
ては,その都度回覧で知らせることが定められており,給与規程及び同委任規定を
受けての回覧文書をもって,支給対象期間,支給要件,具体的な支給計算基準が定
められてきていること,同支給計算基準は基本給,職階手当,家族手当,欠勤日数
等の要素により賞与の額を一義的に決定するものであること,控訴人における賞与
は昭和62年以降平成8年まで毎年2回必ず支給されているが,昭和55年度夏期
賞与以降平成8年度年末賞与までの各賞与の支給金額は,本件各賞与と同様の計算
式により求められることが認められる。なお,控訴人は,控訴人の裁量により,支
給金額は大きく変動し得るとも主張するが,上記のとおり,従来からも控訴人の裁
量による金額の増減があったわけではない。
 そして,上記各事実に,被控訴人の年間総収入額に占める賞与の割合が大きいこ
とから明らかなように(なお,被控訴人の総収入に占める割合27.15パーセン
トから31.11パーセントが比重として大であることはその数値そのものから明
らかである。),控訴人における労働者の年間総収入額に占める賞与の比重が大で
あることを併せて考えると,控訴人における賞与は,労働の対償としての賃金性を
有するものであり,たとえ控訴人主張の功労報償的,利益配分的な一面のあること
が否定できないとしても,そのことをもって使用者である控訴人の裁量に委ねられ
た恩恵的・任意的給付であるということはできない。したがって,その支給要件を
定める給与規程及び回覧文書の規定の合理性を検討するに当たっては,控訴人にお
ける賞与を賃金に準ずるものと見て検討することを要するものというべきであると
した原判決の判断に誤りはない。
イ 控訴人の主張イ(本件90パーセント条項の意義)について
 控訴人は,原判決が,本件90パーセント条項の趣旨・目的について,従業員の
出勤率向上,貢献度評価という二つの側面を認定しながら,出勤率低下の防止とい
う側面のみを強調し,法が権利,利益として保障する趣旨を損なう場合には,これ
を損なう限度では本件90パーセント条項の合理性を肯定できないと判断したのに
対し,これは貢献度評価という側面を完全に無視した偏頗な判断といわざるを得な
いとした上,評価基準となるべき出勤率の算定において欠勤として扱われるもの
は,労働者の責に帰すべき事由による欠勤に限定されるわけではなく,被控訴人の
産後休業及び勤務時間短縮
措置に伴う育児時間に伴う不就労は,控訴人に経済的損失を及ぼすものであるか
ら,これに基づいて賞与をカットすることは当然許される旨主張する。
 なるほど,本件90パーセント条項の趣旨・目的について,従業員の出勤率向
上,貢献度評価という二つの側面があることは控訴人指摘のとおりであるが,控訴
人においては,職務が事務職である場合の貢献度を評価するに当たっては,結局,
出勤率をもって行うものであることは控訴人も自認するところであり,したがっ
て,従業員の高い出勤率を確保することを制度の主たる趣旨・目的として本件90
パーセント条項の効力について検討している原判決の判断が偏頗なものであるとは
いえない。
 また,控訴人の主張によれば,同じ特別休暇として勤務を免除された出産休暇や
育児時間以外の休暇の取得については,貢献度に問題はないということになるが,
不就労の事実は同じであるのに,何故取得した休暇の種類によって契約上の効果を
異にするかについての合理的な説明はされていない。とりわけ,控訴人において
は,就業規則45条3号において「配偶者が出産したとき」は5日の特別休暇(有
給)が与えられるのに対して,従業員本人が出産したときはすべて無給とされ,か
つ賞与もカットされることなり,均衡を失する規定となっていること,また,生理
休暇については,有給の特別休暇とされながら,賞与の支給に関しては欠勤扱いと
され,整合性を欠いていること等,育児時間を含めて休暇取得者として主として女
性が予定されている休暇について欠勤に加算して処理されるという不合理な取扱い
となっているものというべきである。
 さらに,控訴人は,長期にわたる休暇については貢献度評価において他の特別休
暇と質的に異なるもので不合理ではないとの主張をしているものと解されるが,当
時の控訴人において,年次有給休暇の繰越しを年数による制限を設けず,長期間の
年次有給休暇の取得を容認していた例があること(証人Aの証言)に照らしでみる
と,長期の休暇取得であるから貢献度評価をゼロとするという説明も必ずしも成り
立つものではない。
 なお,本件90パーセント条項と産後休業及び勤務時間短縮措置による育児時間
に伴う不就労との関係についてのその余の控訴人の主張については,項を改めて判
断することとする。
ウ 控訴人の主張ウ(公序違反)について
(ア) 控訴人は,公序違反は法律解釈論としては最後
のいわゆる伝家の宝刀であって,安易にこれを展開することは避けるべきであると
した上,本件についていえば,賞与支給という従業員(労働者)全体に対して一律
に適用されるべきいわば制度の解釈の問題であるのに,原判決のように,個々の従
業員の個別具体的な事情,状況等を加味した総合判断を加えなければ支給の可否が
決定できないということになれば,その賞与制度自体の法的安定性は著しく損なわ
れることは必至である等主張する。
 しかし,本件各取扱いの適法性の判断は,本件90パーセント条項と一体とな
り,その内容を具体的に補充する本件各除外規定の合理性の判断に帰着することと
なるところ,原判決掲記の各証拠によれば,以下に述べるとおり,公序違反に関す
る原判決の判断(なお,前記2のとおり,原判決が平成6年度及び平成7年度の被
控訴人の現実の生活の実態について検討した部分は削除している。)は,相当であ
ると解される。
(イ) 労基法(昭和60年法律第45号による改正。平成9年法律第92号によ
る改正前のもの)65条は,産前6週間(多胎妊娠の場合にあっては,10週間)
及び産後8週間(ただし,産後6週間を経過した女性が請求した場合において,そ
の者について医師が支障がないと認めた業務に就かせる場合を除く。)以内は,女
性労働者を就業させてはならない旨規定しているが,同規定は,出産前後の母性保
護の見地から,当該女性労働者が同期間内休業する権利を認めたものである。そし
て,労基法19条1項本文は,産前産後休業期間及びその後30日間は,当該女性
労働者を解雇してはならない旨を規定し,雇用機会均等法8条2項は,女性労働者
が妊娠し,又は出産したことを退職理由として予定する定めをすることを,同条3
項は,女性労働者が妊娠し,出産し,又は産前産後休業をしたことを理由とする解
雇をそれぞれ禁止している。さらに,労基法39条7項は,年次有給休暇の取得要
件として出勤率の算定においては,産前産後休業期間は出勤したものとみなすとし
ている。
 以上のとおり,産前産後休業については,その取得を労働者の責めに帰すべき事
由による不就労と区別し,これを取得した女性労働者が解雇その他の労働条件にお
ける不利益を被らないように種々の法的規制がなされているのであって,これは,
産前産後休業を取得することによって不利益を被ることになると,労働者に権利行
使を躊躇させ,あるいは,
断念させるおそれがあり,法が権利,法的利益を保障した趣旨を没却させることに
なるからにほかならない。そうすると,産前産後休業の取得を労働者の責めに帰す
べき事由による不就労と同視して,これを取得した女性労働者に同様の不利益を被
らせることは,法が産前産後休業を保障した趣旨を没却させるものであり,法の容
認しないところというべく,そのような取扱いは,公序良俗に違反して違法・無効
となると解するのが相当である。
(ウ) 次に,労基法67条は,生後1年未満の生児を育てる女性労働者は,休憩
時間のほか,1日2回各々少なくとも30分育児時間を請求することができ,使用
者が育児時間中の女性労働者を使用することを禁止しているが,これは,生児への
授乳等の母子接触の機会を与えることを目的とするものである。また,育児休業法
は,子を養育する労働者の雇用の継続を図ることを目的として,1歳に満たない子
を養育する労働者の育児休業等について定めるが,育児休業を取得しない者につい
ては,同法10条が,労働者の申出に基づく勤務時間の短縮その他の当該労働者が
就業しつつその子を養育することを容易にするための措置を講じるよう努力すべき
ことを事業主に義務づけている。
 また,労基法67条の育児時間については,その違反に対する罰則(労基法11
9条1号)が,育児休業法10条については,労働大臣等の助言,指導又は勧告
(育児休業法12条)が規定されているが,その他には直接には具体的な法規制は
行われていない。さらに,育児休業法10条は,事業主が講じるべき措置義務を定
めたものであり,同条から直接私法上の権利義務が発生するわけではない。本件で
は,被控訴人は,控訴人の育児休職規程に基づき勤務時間短縮措置による育児時間
を取得したことは当事者間に争いがなく,同措置は育児休業法10条に基づくもの
である。
 以上の各規定に表れている法の趣旨は,労働者が所定の育児時間を取得すること
は,労働者の責めに帰すべき事由による不就労と区別されなければならず,保障さ
れるべきであることを明確にすることにあると解するのが相当である。したがっ
て,事業主が同条に基づいて就業規則等に育児のための勤務時間短縮措置を規定
し,労働者がこれにより育児時間を取得したところ,事業主が育児時間の取得を労
働者の責めに帰すべき事由による不就労と同視して,労働者に同様の不利益を被ら
せることは,法
が育児時間を保障した趣旨を没却させるものであり,法の容認しないところといわ
ざるを得ず,そのような取扱いは,公序良俗に違反して違法・無効となると解する
のが相当である。
(エ) そして,原判決が認定するとおり,被控訴人が産後休業を取得したことに
より年末賞与の支給を受けることができなかった平成6年度の年間総収入額は金2
78万3990円であり,勤務時間短縮措置による育児時間を取得したことにより
夏期賞与の支給を受けることができなかった平成7年度の年間総収入額は金349
万0585円であるところ,本件各取扱いにより被控訴人が支給を受けることがで
きなかった賞与の額は,平成6年度年末が77万4500円,平成7年度夏期が4
8万7800円であり,年間の合計として126万2300円になることからする
と,被控訴人の受けた経済的不利益は甚大であるというべきである。
(オ) なお,控訴人は,本件被控訴人の如く,単身居住する未婚女性の出産であ
り,出生児の父親が誰であるのかが控訴人側には判らず,したがって,その人間の
経済力等が不明であり,被控訴人の実家及び出生児の父親からの経済的援助もな
い,という極めて希有な事案について,一般条項である公序良俗違反を適用し,全
従業員に適用される賞与支給制度について論じることが果たして妥当なのかどう
か,極めて疑問であると主張するが,その主張の前提において相当でない面がある
ことはさておくとしても,前記説示に照らして,控訴人の指摘が上記認定を左右す
る事情となるものとは認め難い。
(カ) 以上を踏まえ,考慮すべき点を確認しつつ,本件90パーセント条項中,
本件各除外規定によって補充された部分の合理性について判断すれば,次のとおり
である。
 平成6年度年末賞与については,その支給対象期間である平成6年5月16日か
ら同年11月15日までの期間において,出勤が義務付けられた日数は125日で
あり,13日以上欠勤すれば賞与は支給されないことになるから,「出勤すべき日
数」に産前産後休業の日数を算入し,「出勤した日数」からその日数を控除するこ
ととすると,被控訴人が取得したように,8週間の産後休業を取得した場合には,
40日分が欠勤扱いされることになり,それだけで自動的に本件90パーセント条
項による支給対象から除外されることになる。そして,「出勤すべき日数」が12
5日の場合には,産後休業40日はその3
2パーセントに相当するから,仮に出勤率が70パーセントと定められていた場合
でも賞与の支給を受けられないこととなる。また,平成7年度夏期賞与について
は,その支給対象期間は平成6年11月16日から平成7年5月15日までである
が,勤務時間短縮措置による育児時間は7.75時間を1日として欠勤扱いされ,
1日について1時間15分の育児時間を取得すると,1日当たり約16パーセント
の割合で欠勤している計算となるから,被控訴人が取得したように,その支給対象
期間中勤務時間短縮措置による育児時間を取得すれば,それだけで自動的に本件9
0パーセント条項により支給対象から除外されることになる。
 本件90パーセント条項の趣旨・目的は,前記のとおり,従業員の出勤率を向上
させ,貢献度を評価することにあり,もって,従業員の高い出勤率を確保すること
を目的とするものであって,この趣旨・目的は一応の経済的合理性を有している
が,その本来的意義は,欠勤,遅刻,早退のように労働者の責めに帰すべき事由に
よる出勤率の低下を防止することにあり,合理性の本体もここにあるものと解する
のが相当である。産前産後休業の期間,勤務時間短縮措置による育児時間のよう
に,法により権利,利益として保障されるものについては,そのような労働者の責
めに帰すべき事由による場合と同視することはできないから,本件90パーセント
条項を適用することにより,法が権利,利益として保障する趣旨を損なう場合に
は,これを損なう限度では本件90パーセント条項の合理性を肯定することはでき
ない。
 したがって,本件90パーセント条項中,出勤すべき日数に産前産後休業の日数
を算入し,出勤した日数から産前産後休業の日数及び勤務時間短縮措置による育児
時間を除外することと定めている部分(給与規程と一体をなす本件各除外規定によ
って定められている部分)は,労基法65条,育児休業法10条,労基法67条の
趣旨に反し,公序良俗に違反するから,無効であると解すべきである。
エ 控訴人の主張エ(無効の範囲)について
(ア) 控訴人は,原判決によれば,本件90パーセント条項における出勤率算定
にあたって,産前産後休業や育児時間についても出勤と同様の取扱いをすべきこと
になるが,この論理を育児休業をした場合に敷衍すると,対象期間について,実際
には1日も出勤しなかった者についてまで,賞与について全額支給しなけ
ればならないという不合理な結論になる旨,原判決が無効の範囲について用いた合
理的的意思解釈の手法は控訴人の意思に反するもので誤りである旨,また,月例賃
金については,産前産後休業や育児時間についてノーワーク・ノーペイの原則から
欠勤同様に賃金が発生しないのであるから,本件各賞与についても,その賃金性を
認めるのであれば,不就労期間に対応する減額を行った上で残額についての支払を
控訴人に対して命じる判決をすべきである旨,さらに,本件事案において,不就労
部分に対応する減額を行うと,支給されるべき金額の上限は,平成6年度年末賞与
については46万3640月,平成7年度夏期賞与については35万1570円と
なる旨主張するが,以下に述べるとおり,控訴人の主張は採用することはできな
い。
(イ) 前記のとおり,被控訴人は,権利,利益として保障された産後休業及び時
間短縮措置による育児時間を取得したため,いずれも本件90パーセント条項によ
り支給対象から除外され,自動的に賞与を受ける資格を失うという甚大な不利益を
受けることになるのであるから,このような不利益を課することは,労務提供と賃
金等支給との対応性に関するノーワーク・ノーペイの原則に照らしてみても不合理
であることは明らかである。
 また,賞与・一時金の支給に関しては様々な制度があり得ること(なお,不就労
期間に対応した減額をどのように行うかは,当事者の私的自治に委ねられた問題で
もあること)は,控訴人も自認するところであり,証拠(甲第28及び29号証)
によれば,出産休暇及び勤務時間短縮措置による育児時間について,これらを賞
与・一時金支給における減額控除の対象とするか否か及びその基準については,各
業界・企業によってその取扱いは区々であり,減額する場合であっても休業した期
間の一定日数又は一定割合を出勤扱いとする制度設計もあり得るのであって,休業
日数に正比例して賞与をカットすることが一般原則であるとまでは認めるには足り
ないというべきである。
 なお,育児休業期間中に何らかの給付を行うことは,企業においては,労働協約
等による制度の運用の中で労働者福祉や,人材確保の点から,実際にかなり行われ
ているところであるが,これについて,司法判断によって,一定の枠組みを規定す
ることは適当ではなく,今後,それぞれの労使間で育児休業制度の趣旨を十分踏ま
え,妥当な方向を見出していく
べき問題である。
(ウ) また,本件の場合,被控訴人は,出産休暇のうちの産後休暇のみを取得
し,また,産後休暇明け後も育児休業ではなく,勤務時間短縮措置による育児時間
(1日当たり1時間15分)という限られた時間につき就労していないだけであっ
て,これらをもって直ちに長期間の休業と同視することはできないから,控訴人が
指摘するような,育児休業により対象期間のすべてを休業した場合に賞与を全額支
給することの不合理をいう主張は,当を得たものとはいえない。
(エ) 要するに,本件においては,控訴人の本件90パーセント条項を出産休暇
及び勤務時間短縮措置による育児時間に適用することの公序違反が問われているの
であって,これを出産休暇及び勤務時間短縮措置による育児時間に適用する限度で
一部無効と判断した場合,控訴人における賞与の支給要件及び算定基準について本
件各除外規定がない状態に復するのであるから,被控訴人主張の賞与全額の支払を
命じた原判決に不合理はなく,さらにノーワーク・ノーペイの原則に照らして,本
件において,賞与の減額控除の対象をどのような範囲とすべきであるかまでを的確
に判断すべき資料はないといわざるを得ない。
(2) 被控訴人の主張に対する判断
ア 被控訴人の主張ア,イ,ウ,オ,カ(本件90パーセント条項の効力に関する
主張)について
 これらについての判断は,前記原判決の引用部分及び当審における控訴人の主張
に対する判断に説示したところから明らかである。
 よって,被控訴人が支給されなかった平成6年度年末賞与及び平成7年度夏期賞
与の支払を求める請求は理由がある。
イ 被控訴人の主張エ(本件賃金カットの女性差別性)について
 被控訴人は,控訴人が,女性が結婚し出産し子育てしながら勤務を継続すること
を嫌悪ないし敵視し,そうした女性を不利益に取り扱うことを意図して本件各取扱
いに及んだ旨主張するが,本件90パーセント条項中本件各除外規定によって補充
された部分が合理性を備えるか否は,法的検討,判断による解決を必要とする問題
であるから,控訴人が本件各取扱いに及んだことをもって,被控訴人の主張するよ
うな差別的意図ないし報復的意図に基づくものということはできず,その他本件各
証拠によっても,女性に対する差別的意図ないし報復的意図の証明は不十分である
といわざるを得ないから,これと同旨の原判決の判断を不合理とすることはでき
ない。
ウ 被控訴人の主張キ(慰謝料及び弁護士費用)について
 被控訴人は控訴人の本件一時金不払いにより著しい生活困難に追い込まれ,一時
金の金額を超える経済的損失を被るとともに,そのような負担を強いられることに
よって精神的にも大きな被害を受けたこと,また,控訴人の職場における女性差別
や,個人の尊厳,人格を無視する前近代的,差別的な対応は悪質極まりないもので
あることから,被控訴人の損害として慰謝料が認められてしかるべきであるし,弁
護士費用についても,十分相当因果関係がある損害というべきである旨主張する。
 しかし,本件各賞与請求権(遅延損害金を含む。)が肯定される以上,これによ
り,被控訴人の経済的損害及び精神的損害も一応回復されるものと考えられるこ
と,また,前記のとおり,控訴人の女性に対する差別的意図ないし報復的意図の証
明は不十分であるといわざるを得ないから,上記損害の回復の程度を超えて債務不
履行ないし不法行為に基づく慰謝料請求を肯定すべき特別の事情を認めるには足り
ない。また,弁護士費用の請求についても,本件事案の内容及び訴訟の経過にかん
がみ,被控訴人の請求する弁護士費用と控訴人の本件各賞与支払債務の不履行との
間に相当因果関係を認めることはできないから,被控訴人の主張は理由がない。
第5 結論
 以上によれば,原判決は相当であり,控訴人の本件控訴及び被控訴人の附帯控訴
はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第21民事部
裁判長裁判官 石垣君雄
裁判官 橋本昌純
裁判官芝田俊文は,海外出張中につき,署名押印することができない。
裁判長裁判官 石垣君雄

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