弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決および第一審判決を破棄する。
     被告人は無罪。
         理    由
 被告人本人の上告趣意は、違憲をいう点もあるが、所論のように、警察官の本件
処理が不当である旨を主張することは、原判決に対する具体的論難ではなく、その
余は単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理
由に当らない。
 しかし、職権をもつて調査すると、原判決および第一審判決は、後記のように刑
訴法四一一条一号、三号により破棄を免れないものと認められる。
 原判決および同判決の維持した第一審判決が確定した事実によると、本件一方通
行の道路標識は、大阪府公安委員会によつて東から西への一方通行と指定された大
阪市a区bc丁目d番地附近道路(通称e)と、これと直角に交わる道路(通称f)
との交差点の南東角にある元A銀行建物の角から約四・七米南に入つた場所に設置
せられたものであつて、その標識は、約四〇度西南方を指示していたものであると
ころ、被告人は、第一審判決判示の日時に第一種原動機付自転車を運転してeを通
行するにあたり、本件道路標識の表示に注意し、eが一方通行の場所ではないこと
を確認して運転すべき義務を怠り、この道路が西方への一方通行となつていること
に気付かないで、その出口方向から入口方向(東方)に向つて右自転車を運転通行
した、というのである。そして第一審判決および原判決は、以上の事実関係を前提
として、被告人の所為が、道路交通法七条一項の規定にもとづく大阪府公安委員会
の定めた車両等の通行禁止、制限に違反するものとして、同法一一九条二項、一項
一号の罪が成立することを肯定しているのである。
 ところで、道路交通法施行令七条三項には、公安委員会が道路標識を設置すると
きは、歩行者、車両又は路面電車がその前方から見やすいように設置しなければな
らない旨を規定しており、このことに鑑みても、道路標識は、ただ見えさえすれば
よいというものではなく、歩行者、車両等の運転者が、いかなる通行を規制するの
か容易に判別できる方法で設置すべきものであることはいうまでもない。しかるに
本件道路標識は、前示のように、本件交差点の南東角にある元A銀行建物の角から
fを約四・七米も南に入つた場所に設置されていたばかりでなく、その標識(矢印
をもつて一方通行の方向を示しているもの)は、正確に西を指示しておらず、約四
〇度も西南方を指示していたというのである。そのうえ本件記録によれば、本件当
時、fも北から南への一方通行と指定されていたこと、本件標識のすぐ前(交差点
寄り)にはfの駐車禁止をも示すものと認められる道路標識があつて、本件標識は
その背後に一部重なり合うようにして設置されていたことが明らかであるから、そ
の設置場所、設置状況にてらし、本件標識か、eの東から西への一方通行を明らか
に指示するものとはとうてい認められず、むしろfの北から南への一方通行を指示
するもののように見られるのである。このような標識の設置方法は、道路交通法施
行令の前記法条に違反するものであり、右標識によつては、fを南下して本件交差
点を左折し、eを東行しょうとする車両等の運転者に対し、eの東行を禁止する旨
の通行規制が、適法かつ有効になされているものということはできないといわなけ
ればならない。したがつて、被告人が、本件道路標識を見落して、eが東から西へ
の一方通行と指定されていることに気付かず、右道路を東に向けて前記原動機付自
転車を運転通行したとしても、なんら過失による車両等の通行禁止、制限違反の罪
は成立しないものというべきである。それにもかかわらず、本件道路標識が、右e
の東から西への一方通行のみを指示しているものであることは疑いを容れないとこ
ろであるとし、その設置が違法でないことを前提として、右の罪が成立するものと
した原判決および同判決の維持した第一審判決は、事実誤認、ないし法令の解釈を
誤つて被告事件が罪とならないのにこれを有罪とした違法があり、判決に影響を及
ぼすことが明らかであるから、刑訴法四一一条一号、三号により、これを破棄しな
ければ著しく正義に反するものと認める。
 よつて刑訴法四一三条但書、四一四条、四〇四条、三三六条により、裁判官全員
一致の意見で、主文のとおり判決する。
 検察官 野木新一公判出席
  昭和四一年四月一五日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外

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