弁護士法人ITJ法律事務所

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       主   文
一 本件控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人の負担とする。
       事実及び理由
第一 当事者の求めた裁判
一 控訴人
(一) 原判決を取り消す。
(二) 被控訴人が控訴人に対し、平成六年一二月二二日付けでした控訴人の平成
四年四月一日から平成五年三月三一日までの事業年度の法人税更正処分のうち、所
得金額一〇億〇三四五万五〇二七円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処
分をいずれも取り消す。
(三) 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 被控訴人
 主文同旨
第二 事案の概要
 事案の概要は、次のとおり訂正するほか、原判決「事実及び理由」中の「第二 
事案の概要」のとおりであるから、これを引用する。
一 原判決五頁五行目の「そのころ」を「平成五年二月一〇日」と改め、同頁六行
目の「乙」の次に「二、」を加える。
二 同九頁八行目の「乙三」の次に「、四八」を加える。
第三 証拠
 証拠関係は原審及び当審記録中の書証及び証人等目録のとおりであるから、これ
を引用する。
第四 当裁判所の判断
 当裁判所も控訴人らの本件請求は理由がないから、棄却すべきものと判断する。
その理由は、次のとおり訂正するほか、原判決「事実及び理由」中の「第三 争点
に対する判断」のとおりであるから、これを引用する。
一 原判決六三頁四行目の「(前記第二の一6)。」の次に「これらの算定基準
は、各法人ごとに退職給与の支給状況が区々に分かれることを前提とした上で、支
給額の相当性を比較法人との比較に基づいて判断しようとするものである。したが
って、比較法人を抽出する作業が恣意的であってはならないことはもちろんである
が、抽出された比較法人の退職給与支給額が適正又は相当であるとは限らないか
ら、比較法人抽出後の比較作業そのものが恣意を排した公平なものであることを要
する。」を加える。
二 同七九頁七行目の「る。」の次に改行して、「右の点につき、控訴人は、比較
法人として適格性を有するのはD社のみであると主張するが、C社、D社及びF社
の三法人が比較法人としての適格性を有するとの原判決の判示に誤りはない。ま
た、控訴人は、比較法人の抽出基準として所得金額が事業規模判断の重要な要素で
ある旨主張するところ、一般に事業規模を比較する場合、資本金額、資産内容、従
業員数などといった事業形態及び売上高、経常利益などといった事業の動態を含む
多数の判断要素があるとともに、判断の仕方も多岐に分かれ得るのであるが、業種
の差異にかかわらず、所得金額が常に比較の必要要素となり得べきものとまでは認
められないのみならず、少なくとも控訴人のような食品製造業における事業規模を
比較する上で、所得金額を比較の要素から欠くことができないとしなければならな
い必然性は何ら認められない。」を加える。
三 同七九頁九行目の「いい難いところ」の次に「(比較法人の抽出過程が恣意的
ものであれば格別、本件において札幌国税局長が管内各税務署に命じて行わせた前
記調査及び抽出過程(原判決一〇頁八行目以下)に恣意的な取扱いを窺わせるもの
は見当たらない。)」を加える。
四 同八二頁六行目の「できない。」の次に改行して次のとおり加える。
「五 まとめ
 以上の次第であるから、本件更正処分は、結論において正当であり、控訴人が当
審において本件更正処分の違法事由として重ねて主張するところは、控訴人の特殊
事情を余りにも強調しすぎるものであり、法三六条及び令七二条の正当な解釈とは
認められないから、採用しない。」
第五 結論
 よって、控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当であり、本件控訴は理由
がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。
札幌高等裁判所第二民事部
裁判長裁判官 武田和博
裁判官 小林正明
裁判官 森邦明

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